アルファルファ
ハーブティーと期待される効果効能紹介

疲労回復やデトックスに役立つ他、更年期障害軽減にも期待

糸モヤシもしくはスプラウトの一種など野菜という印象の強いアルファルファですが、成長した葉はハーブとしても利用されています。栄養価が高いため疲労回復・強壮に役立つお茶として利用されていますし、食物繊維やサポニンの働きと合わせてデトックス・血液浄化に役立つと考えられています。またエストロゲン様作用を持つと考えられているクメストロールを含むため、更年期障害や女性特有の不調緩和にも効果が期待されています。

画像:アルファルファ(Alfalfa)

 

アルファルファについて

植物紹介:アルファルファ

もやしの一種もしくはスプラウト野菜という印象の強いアルファルファ。数十年前にアルファルファもやし(糸モヤシ)が健康に良いと流行したことがありましたし、近年はスプラウト野菜としてサラダなどに使われているほかサプリ・健康食品原料としても配合されています。日本ではまだ“定番”というほど馴染み深い存在ではありませんが、アメリカではスプラウトというとアルファルファが真っ先に連想されるほどメジャーな存在なのだそう。近年はビタミン系サプリメントの原料としてやスムージに加えるパウダータイプのものも注目されているのだとか。ちなみに野菜として利用されているのはアルファルファの“新芽”ですが、ハーブとしては成長した葉部をメインに利用しています。

アルファルファの起源は中央~西アジアとされ、その後ヨーロッパ方面・中国方面と東西に広がっていったと考えられています。繁殖力が高く栽培がしやすかったこともあり、有史以前から栽培されていた唯一の飼料作物とも言われるほど人との歴史が古い植物です。今から2000年位前には薬用としての利用もされていたのではないかと考えられており、アルファルファという名前も“最高の食べ物”や“最良の草”というペルシア語に由来しているのだそう。アルファルファを最初に発見したアラブ人が「植物の父」と呼んで重宝したという話もあることから、現在でも欧米ではFather of All Foodという別名が利用されることがあるようです。

日本にも江戸時代に伝わったものの土壌の関係などから定着せず、明治時代に北海道に牧草として導入されてから本格的な栽培が行われるようになりました。現在アルファルファはほぼ世界中で栽培されていますが、人間用の食材としてではなく飼料用としての利用が主体です。タンパク質が豊富なことから特に乳牛向けの飼料として利用される事が多いようですが、特に牛が好んで食べる草というわけではないそう。そのほか原産地付近のアラブでは競走馬の足を速くするために与えることもあるのだとか。和名に“馬肥やし”と付くのも馬に食べさせることで成長がよくなり馬が肥える草だという事が由来と言われていますよ。ウサギの餌や犬猫用ハーブサプリメントなどペット用品にも利用されていますね。

栄養豊富なのは勿論ですが、アルファルファが牧草として利用されているのには他にも理由があります。まず多年生植物であり一年に大体3~5回、多い地域であれば10回も収穫することが出来ることが上げられますし、種子が非常に小さくたくさんの種を蒔くことが出来るため収穫効率が極めて高いというのが第一。そのほかに根を深く張ることから痩せた土壌の改善用としても役立っているようです。ちなみにアルファルファというと小さく細い印象が強いですが、成長すると地上部だけで1m程度、根は5~10mになるそうです。

基本データ

通称
アルファルファ(Alfalfa)
別名
ムラサキウマゴヤシ(紫馬肥やし)、糸もやし、ルーサン(Lucerne)
学名
Medicago sativa
科名/種類
マメ科ウマゴヤシ属/多年草
花言葉
人生、約束、幸運
誕生花
6月21日(ウマゴヤシ属)
使用部位
葉 ※茎を含む場合も有
代表成分
サポニン、ゲニステイン、クメストロール、βカロチン、ミネラル類(カルシウム・マグネシウム・カリウムなど)、食物繊維
代表効果
健胃、強壮、利尿、緩下、抗酸化、血液循環改善、エストロゲン様
こんな時に
食欲不振、消化不良、疲労、便秘、むくみ、デトックス、動脈硬化予防、老化予防、肌荒れ、更年期障害、骨粗鬆症予防、女性ホルモンの乱れ(月経不順・PMSなど)
おすすめ利用法
食用、飲用、ハーバルバス、湿布
ハーブティーの味
緑茶に近い草葉の風味、クセがなく飲みやすい
カフェインの有無
ノンカフェイン

アルファルファの栄養・成分・期待できる効果

アルファルファティー

健康・スタイル維持に

疲労回復・強壮に

アルファルファは高い栄養価で注目されている食材です。お茶として飲む場合は水に溶け出さず茶葉(出がらし)に残るものもありますが、栄養価が高いため疲労回復や強壮に役立つと考えられています。消化酵素なども含まれているので消化促進・食欲不振の改善などにも有効とされています。

スポーツ後のミネラル補給にも適していますし、夏バテやストレスなどで食欲が無い時でもペパーミントなどと組み合わせるとスッキリとした風味で受け付けやすいでしょう。味・香り共に緑茶に近いのでブレンド用としても使いやすい存在です。


便秘・むくみの緩和に

アルファルファに豊富に含まれている食物繊維は便秘・腸内フローラ改善をサポートしてくれますし、ポニンにも便通を促す作用があるとされていますから、相乗して便秘改善に効果が期待できます。またナトリウム排出を促すカリウムに加えて利尿作用が期待できるサポニンも含まれているためむくみ改善・腎臓や膀胱のトラブル予防にも有効とされています。これらのことからアルファルファ茶は緩下・利尿作用のあるお茶としてデトックス用にも利用されています。


血流改善・動脈硬化予防

便秘やむくみ改善に役立つ成分として紹介したサポニンですが、水と油の両方に溶ける特性があり乳化剤のような役割を果たすこと・過酸化脂質の生成を抑制する働きが認められています。そのためコレステロールや老廃物を血液に溶かしやすくし血中コレステロールを低下させると考えられており、血液や血管の状態を正常に保持することで血栓や動脈予防効果が期待されています。

便秘やむくみの改善から老廃物・毒素の排出(デトックス)も促されると考えられますから、相乗して血液循環をスムーズに保つ働きが期待できるでしょう。穏やかな血液浄化作用を持つハーブティーと称されるように、体を内側からきれいな状態にすることで体質改善を目指す方にも支持されています。


抗酸化・老化予防

サポニンは過酸化脂質の生成抑制に役立つと言われるように、抗酸化作用を保つ成分です。そのため生活習慣病予防とだけではなく体を酸化から守り若々しく保つ働き、ニキビ予防などにも効果が期待されています。加えて脂溶性ビタミンではあるので“お茶”部分への流出量はさほど多くはないと考えられますが、β-カロテンやビタミンEなどの抗酸化ビタミンもアルファルファには含まれています。

ビタミン類の摂取量については少量と考えたほうが確実ですが、サポニンの作用と合わせてアルファルファティーは抗酸化作用が期待できるお茶と考えられています。便秘やむくみの改善・血液サラサラ効果なども期待できますから、肌荒れがしやすい・肌がくすみやすい方などにもオススメです。血液浄化用としてはローズヒップクマザサなどと、美肌サポートとしてはオリーブリーフクコの実(ゴジベリー)など目的に応じてブレンドティーを作ってみても良いでしょう。


そのほか期待される作用

更年期障害・骨粗鬆症予防

アルファルファはクメスタン誘導体の「クメストロール」が含まれています。クメストロールも大豆イソフラボンなどと同様にエストロゲンと似た作用を持つフィトエストロゲン(植物性ホルモン)の一つであり、クメステロールの方がイソフラボンよりエストロゲン作用が強いとも言われています。このためエストロゲンをサポートすることで、加齢に伴ってエストロゲン分泌量が低下することで起こる更年期障害の予防や軽減効果が期待されています。ちなみにザクロ種子やクローバーなどに含まれている植物性エストロゲンもクメストロールです。

またエストロゲン分泌量が減少すると骨にカルシウムを蓄える力が低下してしまい、更年期~閉経後の女性は骨粗鬆症の発症リスクが高まることも指摘されています。エストロゲン様作用を持つクメステロールは抗骨粗鬆症活性も期待されています。お茶として飲む場合さほど多く水分部分への浸出は期待できませんが、アルファルファには骨量を保つために必要なカルシウムやビタミンKなどのミネラル・ビタミン類も豊富に含まれています。


月経トラブルの軽減

フィトエストロゲン(植物性ホルモン)は本来のエストロゲンよりも作用が弱いという性質があります。若い女性がホルモンバランスの乱れから月経トラブルや生理前症候群(PMS)などを起こす場合はエストロゲン過剰という可能性もありますが、作用の弱いフィトエストロゲンがエストロゲン受容体へ入り混むことで全体的なエストロゲンの働きを弱めることにも繋がります。

このためクメストロールをはじめとしたフィトエストロゲンは“ホルモンバランスを整える”働きが期待されています。生理不順・生理痛・PMSなど様々なホルモンバランスの乱れに起因する女性のトラブルの緩和から、バストアップなど様々な目的で取り入れている方もいるようです。エストロゲン作用・ホルモンバランス調整作用については賛否両論といったところですが、アルファルファはビタミン・ミネラル類の補充にも役立ちますので体調をみつつ取り入れてみても良いでしょう。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

入浴剤・湿布として

あまり食用・飲用以外でアルファルファが利用されることはありませんが、入浴剤として利用すると疲労回復・筋肉痛やリウマチなどの痛み軽減に役立つと言われています。部分的な痛みの場合はハーブティーを布に浸して湿布のような形で利用すると良いようです。

アルファルファの注意事項

  • 刺激があるため小さなお子さんへの使用は避けましょう。
  • 妊娠中・授乳中の方は使用を控えましょう。
  • ホルモン治療薬・避妊薬を服用中の方、乳がんなどエストロゲン依存性悪性腫瘍もしくは疾患等がある方は摂取の可否を医師に確認しましょう。
  • 生の若葉は食中毒を起こす可能性があります。