セロリシード
ハーブティー・精油と期待される効果効能紹介

むくみ解消やデトックス、精神安定に役立つ

セロリは茎部分を食べる野菜として親しまれていますが、歴史的にはセロリは種子(セロリシード)の方が古くから使用されていました。現在は香辛料の一つとして利用されていますが、伝統的な利用から食べ過ぎ後や消化不良時、精神安定や不眠解消などに取り入れられることもあります。また利尿効果からむくみ解消やデトックスのサポートに、精油やセロリシードエキスは色素沈着予防・美白成分として注目されています。

画像:セロリ(Celery)

 

セロリシードについて

植物紹介:セロリ

サラダやスープに入れる野菜として馴染みのあるセロリ。日本ではあまり馴染みのないセロリシードは名前のとおりセロリの種子のことで、香辛料・薬用・ハーブティーなどに使われています。日本でも粉末化したセロリシードと食塩を混ぜた「セロリソルト」を使ったお漬物や炒め物などのレシピが公開されていますし、ブラックペッパーと混ぜた「セロリペッパー」を作ってなども料理に活用されるようになっていますね。また種子からは採油も行われアロマテラピー用の精油、食品や化粧品などの香料としても使用されています。

セロリはヨーロッパ~中近東の湿地帯が原産とされるセリ科の植物です。実は私たちが「セロリ」と呼び野菜として利用している茎部分よりも、セロリシード(種子)部分の方が利用の歴史は古く、食用野菜としての利用は17世紀以降と言われています。セロリシードは古代ローマ・ギリシャでは整腸剤、強壮剤としての薬用利用が行われていました。また古代エジプトやローマにおいては古くは悲しみや死を象徴する植物とされており、その後も遺体の臭いを抑えるためや、魔除けなど宗教儀礼用として利用されていたようです。

日本への伝来時期については2説があり、それぞれのエピソードはセロリの別名の由来ともなっています。1つ目は加藤清正が朝鮮出兵時に持ち帰ったという逸話があり「清正人参」と呼ばれること、もう1つは1800年頃にオランダ船によって長崎にもたらされたことから「オランダ三つ葉」と呼ばれるようになったと言われています。どちらのセロリ伝来説にせよ独特の香りから定着はせず、広く食されるようになったのは戦後に食の洋食化が進んでからのことになります。

ハーブティーにする場合はセロリシード小さじ半分~1杯を潰したものにお湯を注ぎ、5~10分程度蒸らしてから飲みます。園芸用(栽培用)の種子は農薬・防カビ剤が含まれれいる可能性があるため利用せず、食用・ハーブティー用のものを使用してください。また同じ捨ててしまうことの少なくないセロリの葉も、エコであること・リラックス効果が期待できることからハーブティーや健康茶のような感覚で利用されています。

基本データ

通称
セロリシード(Celery seed)
別名
塘蒿(セロリ)、セルリー、オランダ三葉(オランダミツバ)、清正人参(キヨマサニンジン)
学名
Apium graveolens
科名/種類
セリ科オランダミツバ属/二年草
花言葉
真実の愛、会える幸せ
誕生花
使用部位
種子
代表成分
ポリフェノール(フラボノイド、アピインなど)、精油(アピオール、ミルセン、クマリン、リモネンなど)
代表効果
利尿、泌尿器殺菌、解毒、消化促進、駆風、鎮静、血圧降下、抗真菌、抗リウマチ
こんな時に
むくみ、デトックス、消化不良、腸内ガス(腹部膨満感)、食欲不振、高血圧、痛風、関節炎、リウマチ、リラックス
おすすめ利用法
ハーブティー、料理用ハーブ(香辛料)、精油
ハーブティーの味
うっすらとセロリ独特の香りがする、味はほぼしない
カフェインの有無
ノンカフェイン

セロリシードの栄養・成分・期待できる効果

セロリシードティー

むくみ解消・消化機能促進

インドの伝統医学アーユルヴェーダでセロリシードは古くから消化不良・水分貯留・関節炎・肝機能低下などに利用してきました。ヨーロッパでも整腸などに利用されてきた歴史がありますし、近年は欧米でむくみ解消ティーとして注目されているようです。

消化促進・食欲増進

セロリシードティーは消化促進や腸内ガスの排出を促すなどの働きがあります。消化不良やお腹が張って苦しい時に飲むと効果的です。食欲増進効果もあるので夏バテやストレスなどで食欲不振の時にも役立ちます。

食欲がないときや胃もたれ・むかつきがあるときにはペパーミント、ストレスによる胃腸の不調にはレモンバームとブレンドすると良いでしょう。独特の香りも薄くなるので飲みやすくなります。


口臭予防に

セロリに含まれている精油成分(芳香成分)アピオールは口内の雑菌の繁殖を抑え、口臭予防や口の中をさっぱりさせる働きもあります。脂っこい食事の後や口臭が気になる時にハーブティーを飲むのもオススメです。


むくみ解消に

セロリシードティーは高い利尿効果があるお茶として、むくみ・水分代謝の改善によく用いられています。成分的に見てもセロリに含まれるファイトケミカルで利尿効果があるブチルフタリド、腎臓機能促進作用を持つとさせる精油成分のミルセン、血流改善によりむくみ解消に有効とされるクマリンなどが含まれています。

むくみが気になる場合はジュニパーフェンネルとのブレンドがオススメです。独特の香りが気になる場合はレモンピールなどを加えると飲みやすくなりますし、むくみ解消の面でも相乗効果が期待出来ます。


デトックスに

高い利尿効果に加え、セロリシードには腎臓や肝臓の機能をサポートする働きがあると考えられることから、血液を綺麗にし毒素の排泄を促進するとも言われています。そのため単なるむくみ解消ティーとしてだけではなく、デトックスティーとしても利用されています。

余分な水分や老廃物の排泄を促すことや消化促進に役立つことからダイエットサポートとして有効とする説もありますが、食欲増進作用もあるため飲用の仕方には注意が必要です。食後に飲んだほうが良いでしょう。


そのほか期待される作用

老化防止・生活習慣病予防に

セロリシードは抗酸化作用を持つポリフェノール(フラボノイド、アピイン、クマリンなど)を含んでいます。そのため抗酸化作用があると考えられ、老化予防や生活習慣病にも役立つのではないかと考えられています。

またブチルフタリドは血圧をコントロールするホルモンを正常に保つ働きがあるとされ血圧の安定に有効とされていますし、アピインにも血圧低下作用があると考えられることからセロリシードは高血圧の予防・改善にも有効とされています。ただし低血圧の方は血圧が下がりすぎる可能性があるので摂取量に注意が必要です。


痛みの緩和に

セロリシードに含まれているアピインやテルぺン類の精油成分(芳香成分)には鎮痛・消炎作用があると考えられています。そのため頭痛や生理痛などの痛みの緩和や、二日酔いによる頭痛などに有効とされています。
関節炎や神経痛、リウマチ、痛風などの痛みの緩和にも利用されています。


精神安定・不眠改善

セロリシードのややフレッシュな香りの元とも言える、柑橘類でお馴染みの精油成分(芳香成分)リモネンが含まれています。リモネンの香りは神経系に働きかけることでリラックス状態へと導き、ストレスの緩和や精神安定に有効であると考えられています。

リモネン以外にもセロリシードはアピインやブチルフタリドなどイライラや興奮を落ち着けてリラックスさせる働きがある成分を含んでるとされ、複数の成分が相乗することで高い精神安定効果があると考えられています。また、これら成分の働きにより不眠症の緩和にも有効と言われています。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

スキンケアに

セロリシードオイル(精油)は色素沈着予防効果があり、美白に有効なオイルとして近年注目を集めています。シミ・ソバカスのケアやお休み前の紫外線ケアなどに用いられているほか、赤ら顔の改善効果やニキビ跡・傷跡を目立たなくする働きにも効果が期待されています。


セロリシード精油に期待される作用

浸出油の場合はそのまま利用することもできますが、精油をスキンケアやマッサージに利用する場合は必ず希釈して利用してください(協会によって精油希釈濃度の基準は異なりますが、肌に使用する場合は概ね1%以下が安全とされています)。精油の経口摂取は出来ません。

心への作用

セロリシードの香りは精神面での鎮静・強壮作用があるとされています。気持ちを落ち着けリラックスさせる働きに優れ、精神状態を整えることで前向きさや明るさを取り戻す手助けをしてくれるでしょう。神経性の不眠改善にも有効とされています。

疲れた心をリフレッシュさせる働きもあるため、ストレスによる神経疲労や不安・イライラ・悲しみ・緊張など様々な状態の改善に効果が期待されています。心のバランスをバランスを整るのに役立つ精油と言えるでしょう。


体への作用

セロリシードは高い利尿効果を持つ精油とされており、血液浄化作用や解毒作用も期待出来ることからむくみの解消・デトックス用として利用されています。キャリアオイルで希釈して直接気になるところをマッサージしても良いでしょう。利尿効果が高いことから膀胱炎にも役立つと言われています。

消化促進・整腸・駆風・食欲増進作用などの消化器系への働きかけもあり、消化不良や下痢、お腹のハリ、便秘などにも有効と考えられています。そのほかに関節痛・神経痛・リウマチ・痛風の緩和や、無月経・月経不順・生理痛など女性特有の不調の改善にも役立つと言われています。

セロリシードの注意事項

  • 肝臓・腎臓に障害のある方は利用を避けましょう。
  • 稀にアレルギーを起こす場合があります。
  • 精油は妊娠中・授乳中の使用を避け、少量ずつ利用しましょう。
  • 精油は光毒性があるため肌への使用には注意が必要です。