シナモン
ハーブティー・精油と期待される効果効能紹介

冷え・老化・ストレス対策に役立つ「スパイスの王様」

甘くスパイシーな香りから、コーヒーやお菓子の香り付けとしても愛されるシナモン。メディアで毛細血管の保護・修復が期待できるアンチエイジングスパイスとして報じられたことや、血流促進などで冷え性対策にも役立つことから女性に嬉しいハーブの一つにも数えられています。その他にも風邪予防や消化機能サポート・肥満予防などに用いられてきた歴史がありますし、甘く刺激的な香りは精神安定・ストレス軽減に役立つのではないかという説もありますよ。

画像:シナモン(桂皮)

 

シナモンについて

植物紹介:シナモン

シナモンカプチーノはもちろんのことニッキ飴や八ツ橋でも馴染みがある、甘くスパイシーな香辛料のシナモン。コンポートの香り付けやシナモンロールなど洋食のイメージが強いですが、インドの配合香辛料ガラムマサラやマサラチャイ、中華料理に使われる五香粉(ウーシャンフェン)にも用いられていますし、北アフリカでも頻繁に使われるスパイスです。シナモンは世界中に定着しているスパイスの1つであり、ペッパー・クローブナツメグとともに世界4大スパイスとも呼ばれています。

シナモンは漢方生薬としてもよく用いられる素材で、風邪の時などに用いられる柴胡桂枝湯や、月経トラブルや更年期に用いられる桂枝茯苓丸、身近なところではCMでお馴染みの薬用養命酒などにも配合されています。使用する部位によって枝部分は桂枝、皮部分は桂皮もしくは肉桂と呼ばれます。
ちなみにシナモンはクスノキ科ニッケイ属の樹木で、スパイスとして利用しているものは樹皮を乾燥したものです。

シナモンの原産地は中国~ベトナム~インド辺りのエリアと推測されており、世界最古のスパイスの1つに数えられるほど人との関わりににおいて古い歴史を持つ存在としても知られています。遺跡・記録からみても紀元前4000年頃にはエジプトで防腐・殺菌に役立つことからミイラ作りにも利用されています。旧約聖書の出エジプト記やヨハネの黙示録などにも記述が見られることなどから、紀元前にはエジプトだけでなく地中海沿岸諸国でも知られた存在であったと推測されています。日本にも8世紀前半に伝来しています。

実用的な面以外にも古代エジプトでは太陽と月に捧げる聖なる香煙として、古代ローマでも寺院の装飾や儀礼用にと宗教的にも大切にされていたスパイスです。また古代ギリシアではシナモンの甘く蠱惑的な香りが愛をかきたてる香りと考えられ、深い愛情を示す最高級の贈物として王侯貴族に重宝されていました。ローマ皇帝ネロが妻を亡くした時に愛の証としてローマ中のシナモンを燃やしたという逸話もあり、このことからシナモンは「恋(愛)のスパイス」とも呼ばれています。

基本データ

通称
シナモン(Cinnamon)
別名
桂皮(ケイヒ)、肉桂(ニッケイ、ニッキ)、セイロンニッケイ、セイロンシナモン、シンナモン
学名
Cinnamomum zeylanicum
Cinnamonum verum
科名/種類
クスノキ科ニッケイ属/常緑高木
花言葉
清純、清浄、純潔
誕生花
使用部位
樹皮
代表成分
精油(シンナムアルデヒド、オイゲノール)、ポリフェノール類(タンニン、プロアントシアニジン)、粘液質、糖類
代表効果
消化促進、駆風、鎮痙、鎮痛、血行促進(末梢血管刺激)、発汗、解熱、抗菌、免疫賦活、神経鎮静、神経強壮、抗酸化、収斂、血糖値抑制
こんな時に
腹痛、下痢、食欲不振、腹部膨満感、冷え性、生理痛、ストレス、無気力、軽度の抑うつ、風邪・インフルエンザ予防、毛細血管の老化防止
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーバルバス、ハーブチンキ、浸出油、湿布、料理用ハーブ(香辛料)、精油
ハーブティーの味
甘くスパイシーなシナモン独特の香り、味は少し辛味と苦味がある
カフェインの有無
ノンカフェイン

シナモンの栄養・成分・期待できる効果

シナモンティー

気持ちと心を温める

ストレスや精神不調に

シナモンは神経鎮静作用により気持ちを落ち着かせる働きがあり、神経性疲労や不安な気持ちをほっと落ち着かせる効果が期待出来ます。気分の落ち込みや孤独感に対してもシナモンの温かみのある香りが働きかけ癒してくれると言われています。シナモンは精神面に対しての強壮作用にも優れていると考えられており、ストレス耐性アップにも効果が期待されています。

また鎮静だけではなく気分を高揚させる働きもあるとする説もあり、やる気が出ない・無気力状態の時にやる気やモチベーションを高める働きにも期待出来ます。近年はシナモンの香りが脳機能を高めることが報告され、記憶力アップや認知症予防などへの効果にも注目されています。


毛細血管の保護・修復

近年シナモンの効果(働き)として、毛細血管の保護修復に役立つ可能性が注目されています。毛細血管は内側と外側の二重構造になっていてTie2(タイツー)という分子で繋がっていますが、加齢とともにTie2の活動が低下し、毛細血管が減少する傾向にあります。

シナモンの独特の香りの元である「シンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)」は細胞を接着する役割を持つTie2を活性化させる働きがあり、毛細血管を若々しい状態で維持する・毛細血管の修復を促進する働きがあると考えられています。


血流改善・冷え性改善

シナモンは血行を促進させる働きがあります。漢方では体を温める・発汗・発散などの作用を持つ生薬として桂皮(肉桂)を配合することも多いようです。体を温めることを目的としてハーブティーを飲む場合はジンジャーオレンジピールなどとブレンドして利用すると良いでしょう。

シナモンが血行促進に有用である理由としては血管拡張作用があること、アラキドン酸の放出を抑制ことで血液凝固を防ぐ働き、末梢血管の劣化・減少を防ぐ働きなどが考えられます。また精神面に対するストレス緩和やストレス耐性向上効果なども、自律神経を整える働きに繋がることから冷え・血行不良の改善に有用であると考えられます。


体の調子を整える

消化器系の不調に

シナモンはスパイスとして利用される多くの植物の例に漏れず、消化機能系のサポートにも高い効果があると言われています。食欲不振や消化不良、吐き気、嘔吐、下痢、鼓腸(腸内ガスによるお腹の張り)などに有効とされていますし、血行促進効果や抗ストレス効果から胃痛や腹痛、便秘などの改善にも効果が期待出来るでしょう。古くから知られていたようにシナモンには殺菌作用もありますので、胃腸の感染症や食あたり予防にも役立つと言われています。


風邪予防や症状ケアに

体を温める・発汗を促す働きのあるシナモンは悪寒・発熱時などのケアにも適しています。加えて抗菌作用もありますので、風邪やインフルエンザの予防としても役立ちます。免疫力を高める働きのあるエキナセアや咳・痰のケアに役立つタイムなど症状と目的に合わせてブレンドして利用すると良いでしょう。


血糖値の抑制に

シナモンに含まれているプロアントシアニジンは、インスリンの分泌を活発にし血糖値を安定させる働きがあると考えられています。Ⅱ型糖尿病患者(生活習慣に起因する糖尿病患者)にシナモンを投与した実験では血糖コントロール機能や糖代謝に対する改善作用が報告されています。海外では糖尿病対策の機能性成分として取り入れている国もあるようです。


月経トラブルに

シナモンには女性ホルモン様作用があるとされ、ホルモンバランスの調整や月経周期の安定に役立つと考えられています。また鎮痙・鎮痛作用があることや、血行促進作用によって体を温める働きから生理痛の緩和にも高い効果が期待出来ます。


美容面への働き

老化防止・美肌維持

毛細血管の減少や損傷はシミ・シワ・たるみの原因となりますし、酸素や栄養素がきちんと送り届けられない場合は体内・外見全体において老化や劣化を引き起こします。シナモンは毛細血管の減少を防ぐことから外見の若々しさの維持にも有用ですし、頭皮への血行促進による抜け毛・薄毛・白髪の予防改善効果も期待されています。

またシナモン自体が高い抗酸化作用を持っており、Tie2(タイツー)減少による毛細血管の老化予防だけではなく、酸化ダメージによる体全体の老化予防にも有効とされています。


むくみ解消

シナモンは血流改善・Tie2(タイツー)の正常な機能をサポートする働きから、体内の巡りが悪くなって起こるむくみの改善にも有効と考えられています。毛細血管の傷から漏れ出す水分をリンパが処理しきれないケースやに対しても改善効果が期待できるでしょう。
漢方でも桂皮(シナモン)は水分代謝の改善に有効と考えられ、むくみ・水毒などの改善に用いられているようです。


ダイエットサポート

シナモンには血糖値を低下させる(急激な変動を抑制する)働きがあるほか、脂肪細胞を縮小化させる作用があるという報告もなされており、肥満予防にも効果が期待されています。血行を良くしたり、むくみを改善する働きも女性のスタイルキープやダイエットサポートに繋がると考えられますし、シナモンの香りには空腹感や甘いものへの欲求を抑える働きがあるとする説もあります。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

シナモン精油に期待される作用

精油の経口摂取(飲用など)は出来ません。
スパイス(香辛料)もしくはハーブティーの原料としては樹皮部分が用いられていますが、シナモンの精油は原料に葉部を使ったもの(シナモン・リーフオイル)を利用するのが一般的です。樹皮から採油された「シナモン・バーク」もあり、こちらの方が香りは濃厚ですが刺激性が高いためあまり用いられません。どちらのタイプにしろシナモンの精油は皮膚刺激が強いためマッサージやスキンケアなど皮膚へ直接付けることは控えたほうが無難です。

心への作用

シナモン精油は刺激・高揚作用があるとされ、気持ちを盛り上げてやる気やモチベーションアップに役立つと言われています。集中力アップにも効果が期待出来るので、勉強中や仕事中の香りとしても適しています。

また精神疲労やストレス、過去のトラウマや後悔などでどんより落ち込んでしまった心を元気付けることも得意とされており、精神疲労やストレス・不安・落ち込み・無気力感などの回復にも利用されています。


体への作用

ハーブティー同様、血行促進により体を温める働きに優れています。消化器系のサポートにも役立つためお腹の不調全般に利用できますが、特に冷えと関わる腹痛や下痢・消化不良などに対して優れた効果が期待出来ます。鎮痛にも役立つため生理痛や関節痛・リウマチなどにも利用されています。

そのほか呼吸器系の強壮に役立つことや抗感染・抗ウイルス作用があること、体を温めることで免疫力向上(回復)に期待出来ることから、風邪やインフルエンザの予防やケアにも適しています。

シナモンの注意事項

  • 妊娠中の利用は避けましょう。
  • 過剰摂取・長期間の継続摂取を避けましょう。
  • 精油は妊娠中・授乳中・生理中の方、お子様への利用を避けましょう。刺激が強いため肌への利用(マッサージやスキンケアなど)も避けたほうが無難です。