【フラックスシード/亜麻仁】
原料植物、ハーブティーに期待される効果効能

オメガ3系脂肪酸を多く含むスーパーシードとしても注目

天然繊維“リネン”の原料として知られる亜麻。種子はオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸)を多く含んでいることも注目され炎症軽減や認知症予防に注目されているほか、亜麻リグナンにエストロゲン様作用が期待できることから更年期障害を始めとする女性領域のサポートにも期待されています。食物繊維が豊富なことから緩下・整腸ハーブとしても利用されてきた歴史があり、お腹サポートやダイエットに取り入れる方も。

フラックスシード/亜麻仁のイメージ画像

フラックスシード(亜麻仁/リンシード)とは

植物紹介:亜麻

夏物の衣類に用いられることが多い天然繊維“リネン”の原料として、また種子はオメガ3系脂肪酸を豊富に含む食用油“亜麻仁油”の原料として、私達にとって馴染みのある植物の一つである亜麻。フラックスシードやリンシードと呼ばれているのはこのアマの種子のことで、植物としては亜麻はアマ科アマ属に分類される一年草です。漢字で書くと亜麻と“麻”が付きますし、繊維も日本工業規格(JIS)上では“麻”と表記されていますが、一般的に麻と呼ばれる植物(大麻/ヘンプ)はアサ科アサ属に分類されるため、植物としては全く別物。混同されがちですが、亜麻布の場合は絹に近い滑らかさと光沢が特徴的とされています。麻紐などに使われているチクチクしてして硬い針があるものは苧麻(ラミー)です。ちなみに有名な歌の歌詞にも登場する「亜麻色」は光沢のある淡い金褐色、金髪よりもやや茶色がかったアッシュ系の髪を指します。

亜麻は「人類初の栽培繊維素材」と称されるほど、繊維素材として古い歴史がある植物でもあります。石器時代のスイス湖棲人遺跡から亜麻の繊維や種子が利用されていたことが報告されていますし、紀元前8000~6000年頃にはティグリス川・ユーフラテス川沿岸で栽培が行われていたという説もあります。古代エジプトではミイラを包むための布として利用されていたことが分かっています。現在でも中国の絹・インドの綿・ペルシャの羊毛・エジプトの麻を“四大天然素材”と呼ぶことがありますが、『博物誌』を著した博物学者ガイウス・プリニウスによると当時既にエジプトの麻は高級品で、特に純白の亜麻布は重宝されていたそう。イエス・キリストの遺体を包んだ“トリノの聖骸布”も亜麻布だったと推測されています。

現在は寝具やクロスを総称して“リネン”もしくはフランス語から“リンネル”と呼ぶこともありますが、元々はリネンやリンネルという言葉は亜麻布を指す言葉。フラックスという呼び方もあり日本では本同されていますが、亜麻の靱皮から採った繊維がフラックス・フラックスで作られた糸や布がリネンというように区分されています。余談ですが下着をランジェリーと呼ぶのも昔は主材料としてリネンが使われていたためなのだとか。

繊維素材としての亜麻は一冊の本に収まらないほどの歴史・エピソードがありますが、食材としても亜麻は古くから利用されてきた植物です。石器時代のスイス湖棲人遺跡においても亜麻の種子が使用されていた跡が発掘されていますし、紀元前400年頃には古代ギリシアの医師で医学の祖と称されるヒポクラテスが「亜麻種子を食べると胃腸の不快に良い」として亜麻栽培を推奨していたことも分かっています。古い時代には薬効から薬のように扱われていたのでしょう。9世紀頃になると食用としても普及し始めるようになり、フランスのカール大帝(シャルルマーニュ)も健康上の価値が高い植物として「臣民は亜麻仁を摂るべし」と亜麻仁の摂取を法令化したと言われています。17世紀にはアメリカへも伝播し、後に大規模商業栽培が行われるるようになります。

日本には江戸時代に薬種の一つとして導入・栽培されていたようですが、本格的な栽培は明治以降となります。北海道開拓初期に繊維植物として導入され、昭和初期までは北海道を中心に広く栽培されていましたが化学繊維の普及とともに栽培は一時途絶えてしまいます。しかし近年の健康志向の高まりから欧米でチアシードやバジルシードなどと並び“スーパーシード”と呼ばれているフラックスード(亜麻仁)への関心が高まったこともあり、北海道では当別町と筆頭とした一部地域で食用種子としての栽培が復活しています。海外では栄養価の高さ・機能成分の多さから「地球上で最も強力な植物性食品」と称す方もいらっしゃるそう。

基本データ

通称
フラックスシード(Flaxseed)
別名
リンシード(Linseed)、亜麻(アマ)、亜麻仁(アマニ)、リネン、滑胡麻(ヌメゴマ)
学名
Linum usitatissimum
科名/種類
アマ科アマ属/1年草
花言葉
感謝、単純、あなたの親切に感謝します
誕生花
5月3日、6月1日・3日
使用部位
種子
代表成分
不飽和脂肪酸(リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸など)、ポリフェノール(リグナン)、フィトステロール、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維
代表効果
緩下、整腸、利尿、粘膜保護、抗コレステロール、脳機能保持、エイコサノイド調整、抗炎症、鎮咳、去痰、鎮静
こんな時に
便秘、過敏性腸症候群、胃炎、動脈硬化・生活習慣病予防、アレルギー軽減、咽頭炎、気管支炎、更年期障害・PMS、月経不順、生理痛
おすすめ利用法
食用、ハーブティー
ハーブティーの味
ほぼ無味無臭で、どろりとした粘り気と油っぽさがある
カフェインの有無
ノンカフェイン

フラックスシードの成分と作用

フラックスシードティー/亜麻仁茶に期待される効果

お腹の調子をサポート

便秘予防・消化サポートに

フラックスシード古くから民間医療の中で緩下剤感覚で便秘の改善に利用されてきた植物。お茶にして飲む場合はさておき、フラックスシードそのものは消化器系を刺激して調の蠕動運動を促す不溶性食物繊維・便の柔らかさを適度に保ってくれる水溶性食物繊維の両方が含まれていることから、消化から排泄までの機能を手助けしてくれるでしょう。ただし、亜麻仁をそのまま食べると緩下作用が強すぎる可能性もあることが指摘されています。お茶として飲む場合は不溶性食物繊維が“茶殻”部分に残り、水分補給にも繋がるので程よいサポートが期待できそうですね。そのほか粘液質や不飽和脂肪酸が便をコーディングし、滑りを良くしてくれる=スムーズな排泄を助けるという説もあります。

また、フラックスシードティーは水溶性食物繊維の補給になることから、ビフィズス菌などの腸内善玉菌の活発化・増加をサポートする働きも期待されています。排便を促すだけではなく、腸内フローラのバランスを整えることにも繋がる可能性もあるでしょう。腸内環境が整うと便秘や下痢を起こしにくくなるほか、免疫力の正常化や肌荒れ予防に繋がる可能性も。民間療法の中でフラックスシードは利尿作用を持つと語られることもある存在。デトックスのサポートに取り入れてみても良いかもしれません。ちなみに、便秘解消サポートにはダンデライオン(タンポポ茶)チコリーワイルドストロベリーなどとのブレンドもオススメ。フラックスシード自体はほとんど味がないため、ブレンドに用いるかハチミツを入れるなどすると飲みやすくもなります。


胃腸などの粘膜保護に

フラックスシードティーはほとんど香りも味もありませんが、葛湯を思い出すようなねっとりとした独特の食感があります。この粘り気の元となる水溶性食物繊維類、通称粘液質は胃腸などの粘膜を保護する働きが期待されています。粘膜を保護するだけではなく強化・再生の手助けをしてくれると考えられていることから、ストレスや暴飲暴食で荒れてしまった粘膜を整えて胃腸機能をサポートするという見解もあります。

実際のところ、粘液様の水溶性食物繊維を補給することが粘膜保護に繋がるかについては分かっていませんただ昔から伝統的に使用されてきたものである=何らかの緩和効果を実感した人がいるのでは、ということでフラックスシードティーは胃炎や過敏性腸症候群の軽減に取り入れられることもあるようです。

健康維持の手助けとして

抗酸化サポート

フラックスシードはタンパク質やミネラルが含まれている食材である事に加え、リグナンというポリフェノールが多く含まれていることも分かっています。2015年『Journal of Food Science and Technology』に掲載されたインドの大学によるレポートでは亜麻仁は他植物性食品よりも75~800程度倍以上ものリグナンを含むこと、リグナン以外にもクロロゲン酸などのフェノール酸類とフラボノイド類が含まれていることが紹介されています。リグナンを筆頭としたポリフェノール類は抗酸化作用を持つことが認められていますから、フラックスシードは増加しすぎた活性酸素/フリーラジカルによる悪影響を抑制し、若々しく健康な体を維持する手助けが期待できる食材と言えるでしょう。


生活習慣病予防に

亜麻仁油やフラックスシードが健康食材として注目されている理由の一つとして、多価不飽和脂肪酸のうちオメガ脂肪酸に分類されるα-リノレン酸(ALA)を含んでいることが挙げられます。オメガ3系脂肪酸は体内では合成することのできない=食事から補う必要がある必須脂肪酸の1つ。α-リノレン酸は体内で同じくオメガ3系の必須脂肪酸に分類される、魚油などの機能成分としても注目されるEPA(エイコサペンタエン酸/イコサペンタエン酸とも)やDHA(ドコサヘキサエン酸)へ代謝されます。いわば多価不飽和脂肪酸の合成の前駆体でることから、フラックスシードは菜食主義者のオメガ3脂肪酸補給源としても注目されています。

α-リノレン酸から変換されるEPAは血管の弾力や赤血球の柔軟性を高めたり、悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させるなどの働きを持つ可能性が多く報告されたことで「血液サラサラ効果」を持つ健康成分として注目されています。前駆体のα-リノレン酸についても同様に血液・心臓機能に対して役立つと考えられており、α-リノレン酸の摂取に抗血栓作用が見られた・α-リノレン酸が心血管疾患予防に有益である可能性を示唆した研究報告も存在しています。2014年に『Advances in Nutrition』に掲載されたα-リノレン酸とEPA+DHAとの比較では、比較するにはα-リノレン酸の研究数が少ないことを指摘しつつ“EPAおよびDHAに匹敵する心臓の健康上の利点があるかもしれない”と述べられています[1]。

こうした研究結果からα-リノレン酸は心血管保護や生活習慣病予防をサポートしてくれる健康メリットの高い脂質(脂肪酸)として注目されていますし、フラックスシードには抗酸化作用を持つリグナンなどのポリフェノールも含まれています。リグナンや食物繊維にはコレステロールの低減が見られたという報告が、亜麻仁全体としては血圧降下作用が見られたという報告もあることから、フラックスシードを適切に取り入れることで高血圧や動脈硬化・生活習慣病予防にも繋がるのではないかと期待されています。


炎症抑制・免疫機能サポートに

多価不飽和脂肪酸は大きくオメガ3(n-3系)脂肪酸・オメガ6(n-6系)脂肪酸の2種類に分けられています。どちらも必須脂肪酸、私達の体を維持するために外部から補給する必要がある脂質であるということは同じ。しかし、オメガ6脂肪酸は過剰に摂取するとアレルギーの発症リスク向上や、気管支炎・口内炎などの炎症を悪化させてしまう可能性があることが指摘されています。これはオメガ6脂肪酸がアラキドン酸へと変化し、発熱や痛みなどの炎症を引き起こす“プロスタグランジン2(PGE2)”や気管支喘息症状と関連する“ロイコトリエン”などの炎症反応に関与するアラキドン酸代謝系物質の産生に繋がるためだと分かっています。

対して、オメガ3脂肪酸は代謝過程でエイコサペンタエン酸(EPA)へと変化し、アラキドン酸代謝系物質と対になる生理活性物質へと変化します。こちらはアラキドン酸代謝系物質と拮抗するような炎症抑制作用を持つ物質であり、起炎性エイコサノイドの産生と作用を抑制すると考えられています。時折フラックスシード(亜麻仁)にはエイコサノイド調整作用があると称されることもありますが、エイコサノイドと言うのは必須不飽和脂肪酸から始まる生合成の総称。オメガ3であるα-リノレン酸の摂取によってアラキドン酸を合成する酵素を抑制し、バランスを保ってくれる働きが期待できるという意味合いで用いられていると考えられます。

加えて、オメガ3脂肪酸はアラキドン酸を合成する酵素を抑制する・抗炎症物質として働く可能性を示唆した論文もあります。EPAやDHAを使った実験では免疫反応が起こったときに血液中に増えるタンパク質“CRP”や、関節リウマチなどの炎症反応に関与していると満たれるサイトカイン“IL-6”などの減少が報告されているものも。2014年に発表されたα-リノレン酸とEPA+DHAとの比較論文でも、α-リノレン酸補給後に炎症性タンパク質の血清濃度の低下が観察されたという実験結果などを紹介し、炎症を軽減できる可能性はあると述べられています[1]。


脳機能保持・記憶力向上

オメガ3系の必須脂肪酸は細胞膜の劣化(老化)を防ぐだけではなく、脳の老化を防ぐ成分としても注目されています。代表的なものとして青魚に多く含まれているDHAがありますね。DHAは神経発達や学習機能など脳や神経との関わりが深い脂肪酸で、血液脳関門を通過できる数少ない栄養素の一つでもあります。脳内にDHAが取り込まれると細胞膜を柔らかく保つ・シナプス活性化などを行うことで脳内の情報伝達性を高める働きを持つと考えられており、ラットを使った実験では記憶力向上効果が見られたことも報告されています。

フラックスシード(亜麻仁)に含まれているα-リノレン酸も体内でDHAに変換される物質のため、補給することでこうした脳細胞の活発化をサポートしてくれると期待されています。DHAの摂取で脳機能の向上が期待できるのは小さい子どもまでという見解が多いようですが、大人の場合でも記憶力を高めたり認知症を予防する働きは期待できるのではないかという声も。加えてフラックスシードの補給は抗酸化物質にも繋がり、α-リノレン酸やリグナンには炎症誘発物質の放出を抑制する働きが期待できることから、パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患の予防・症状軽減にも注目されています。


喉の不調・気管支炎にも

フラックスシードに含まれている粘液質は体内の粘膜を保護する働きが期待されていることから、喉・呼吸器官の粘膜も保護してくれると考えられています。伝統医学上の効能としては鎮咳・去痰作用があるとされ、喉の痛みや咽頭炎に対して利用されることもあるようです。成分的に見てもオメガ6脂肪酸から合成されるアラキドン酸代謝系物質の“ロイコトリエン”のいくつかは炎症性疾患・気管支喘息症状を引き起こすことが分かっており、拮抗するオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)の補給が緩和に繋がるのではないかという説もあります。

そのほか期待される作用

血糖値対策・ダイエットに

フラックスシード(亜麻仁)には抗酸化作用を持つリグナンなどのポリフェノールが含まれていること、α-リノレン酸やリグナンには抗炎症作用が報告されていることから、糖尿病の予防や悪化防止にも役立つのではないかと研究が行われています。2016年『Current Pharmaceutical Design』に掲載された前糖尿病(糖尿病予備群)の方を対象にしたカナダの研究ではフラックスシードに含まれている亜麻リグナン複合体に血糖コントロールの改善、セコイソラリシレシノールジグリコシド(SDG)は血糖降下作用があり1型糖尿病の発生率低下や2型糖尿病の発症を遅らせる可能性があることが報告されています。

しかし同年『Journal of Research in Medical Sciences』掲載された前糖尿病患者を対象に亜麻仁粉末を12週間毎日摂取してもらうという実験では“血圧は低下したが、血糖およびIR指数は改善しなかった”ことが報告されています。現時点で糖尿病予防や治療に対する有用性は不明ですが、フラックスシードは食物繊維の補給源にもなります。食物繊維は消化のスピードをゆっくりすることで血糖値を急激に上げにくくする働きもありますから、こちらからも若干の血糖値対策として役立つ可能性はあるでしょう。血糖値上昇を抑えることは肥満予防にも繋がりますし、2012年にコペンハーゲン大学からは2.5グラムの亜麻繊維抽出物を加えた飲み物を飲んだグループは空腹感と食欲が減ったという報告も。肥満予防や糖尿病予防の一環としてであればフレックスシードティーを取り入れてみる価値はあるかもしれません。


女性領域でのサポートに

フラックスシードに含まれているリグナン、通称亜麻リグナンは抗酸化作用を持つだけではなく植物性エストロゲンでもあります。亜麻には多くのリグナンが含まれており、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きを持つフィトエストロゲンの補給になることから、女性ホルモンに関与する不調の軽減にも役立つのではないかと期待されています。特に閉経を迎えるにあたりホルモン分泌量の急激な低下によって起こる更年期障害の軽減については研究も行われており、ほてりなどの症状改善が見られたという報告もあります。しかし2013年『Menopause』に発表された実験では亜麻仁にほてりの症状改善が見られたもののプラセボとの有意差はないことが報告されていますから、エストロゲンの代替として有用であるかは断定されていません。

そのほかフラックスシードや亜麻仁油の摂取はエストロゲンの減少がリスクファクターと考えられる骨粗鬆症の予防、月経不順や生理痛などの軽減にも効果が期待されています。これは亜麻リグナンもイソフラボンなどと同様に、エストロゲンが正常レベルの時はエストロゲンと拮抗する=エストロゲン受容体のいくつかに植物性エストロゲンが入り込むことによって全体的なエストロゲンの作用を弱める働きがあると考えられているためです。結果としてホルモンバランスを整えることに繋がり、生理前のイライラなどのPMS(月経前症候群)症状や月経不順の改善などを手助けしてくれるのではないかとい見解もあります。生理前や更年期などで精神的不調がある場合はリンデンフラワーパッションフラワーなど鎮静・リラックス作用が期待できるハーブティーとブレンドしてみても良さそうですね。

また、オメガ6脂肪酸から産生されるアラキドン酸代謝系物質“プロスタグランジン(PGF2α)”は子宮収縮を促す作用を持つことから、α-リノレン酸(オメガ3)の補給により過剰分泌が改善されると生理痛が軽減するのではないかという期待もあります。ただし、女性ホルモンとの関連に限らずα-リノレン酸や亜麻リグナンの働きはまだ研究途中であり、有効性を示す研究・有効性は見られなかったという研究が混在しています。ちょっとした不調のケアや予防策として取り入れてみる価値はあるかも知れませんが、症状が重い場合は医療機関で適切な処置を受けるようにしましょう。フラックスシードも亜麻仁油も食品であり、医薬品ではありません。


美肌効果も期待

フラックスシードに含まれている亜麻リグナンは抗酸化物質としても働くため、細胞の酸化を抑え若々しさを保持することにも繋がると考えられます。エストロゲン様成分としてエストロゲンをサポートしてくれることと合わせて、シワやたるみなどの肌老化予防にも効果が期待できます。便通改善と合わせて肌荒れ予防や改善に繋がる可能性もあるでしょう。オメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸の補給は細胞膜を柔らかくすることで栄養吸収や排出をスムーズにしてくれるので、肌の新陳代謝維持にも役立つかもしれません。加えて必須脂肪酸の欠乏は皮膚の乾燥の原因となることが分かっていますから、合わせて肌のバリア機能向上にも期待できます。

フラックスシードティーの作り方について

フラックスシードはすり潰して利用したほうが効果的であると言われています。そのため作り方としてはフラックスシード小さじ一杯程度をすり潰した後、お湯を注いで5分程度蒸らすという方法がとられています。白っぽく半透明に濁り、粘度が出て葛湯の様な感じになれば完成。こうして飲むと“茶殻”を捨てないので鉄分など不溶性の栄養素がしっかり補給できるというメリットもありますね。

ただし、この方法の場合は他のハーブ類とのブレンドが困難になるため、亜麻仁を茶葉と組み合わせて普通に浸出する方法も使われています。すり潰さず進出する場合は10~15分程度浸出期間を取ると良いようです。と言っても特に決まりはありませんので、用途や味の好みに合わせて色々と試してみて下さい。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

スキンケアに

フラックスシードティーがそのままローションなどの代用として使われることはほとんどありませんが、フラックスシードオイル(亜麻仁油)は古くから皮膚の炎症を和らげ、皮膚の水分と柔軟性を整えるエリモント成分としても利用されていた歴史があります。現在でもα-リノレン酸含有率が高いことからアトピー性皮膚炎・肌荒れ改善効果が期待できる成分としてスキンケア商品などに配合されています。そのほかオイル単品でも、クレンジング用やマッサージ用のキャリアオイルとして活用されているようです。またフラックスシードエキスもしくはアマニ抽出物も抗炎症作用や肌のバリア機能向上効果などがあると考えられ、スキンケア商品や化粧品などに配合されています。

フラックスシード(亜麻仁)の注意事項

  • 妊娠中・授乳中の使用については十分なデータが無いため、使用を控えましょう。
  • 薬の吸収を阻害する可能性があります。常用薬のある方は医師・薬剤師に相談してください。
  • 完熟後にしっかり加熱・乾燥した種子を摂取するようにしましょう。
  • 胃腸に疾患・腸に炎症がある方は摂取を控えたほうが確実です。摂取する場合は少量とし、予め十分に水を吸わせたものを摂取するようにしてください。

参考元