ボタニカル♪ラブ

ハーブ・生薬・スパイス…植物のチカラで日々を素敵に

リコリス/甘草
ハーブティーと期待される効果効能紹介

喉の不調を始め、アレルギー緩和ハーブとしても期待

独特の香りと甘味を持つリコリス(甘草)は、漢方で咳止め・喉の炎症改善として使われる「甘草湯」を始め、副作用を抑えるためなどに約7割と言われるほど多くの漢方薬に配合されています。近年でもグリチルリチンという成分の働きにより咳や炎症を抑える働きが認められていますし、アレルギー抑制作用があることも報告され、花粉症などのアレルギー性疾患緩和にも効果が期待されています。

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リコリスについて

植物紹介:リコリス(甘草)

リコリスはマメ科植物で、主に根部分をハーブとして利用しています。和名でリコリスは甘草(カンゾウ)と呼ばれていますが、漢方生薬など東アジア圏で本来“甘草”として利用されていたのはウラルカンゾウ(別名:東北甘草、学名:G. uralensis)という近縁種です。しかし現在は日本薬局方で生薬「甘草」の基原植物としてスペインカンゾウ(学名:G. glabra)も基原植物として認めています。

リコリスは“人類が手にした薬草の中で最も古い”と言われるほど古くから利用されてきた歴史ある薬用植物です。古代バビロニアや古代エジプトなどでも薬として利用されていたと考えられており、ツタンカーメン王の墓の中からも大量の甘草根が発掘されています。紀元前5~3世紀ごろ編纂された、医学の原典とされる『ヒポクラテス全集』にもリコリスの記述が見られることから古代ギリシアにおいてもよく利用される薬草

東洋医学においても1~2世紀頃に成立したとされる、中国最古の薬物書『神農本草書』や『傷寒論』などに甘草が記載されています。神農本草経において甘草は“あらゆる薬の中心「国老」”や“百薬の毒を解毒する”存在とされ、現在でも漢方処方用薬の約7割に配合されています。この使用率の高さは薬理作用や副作用を抑える・生薬全体の調和を取る目的で利用されるためなのだとか。その他に甘草湯など漢方では珍しい単独での使用もなされていますね。
日本にも奈良自体に伝来し、正倉院宝物としても収められています。江戸時代には駒場薬園園監の植村政勝が甲州で栽培していたことが伝えられていますし、現在の山梨県には甘草屋敷(高野家)が現存しています。全国至るとことでとは言えないものの、国内でも生薬として多少の栽培は行われていたと考えられます。

リコリス菓子や炭酸飲料のルードビアなど欧米では親みのある存在ですが、独特の薬臭さから日本人の口には合わないことが多いよう。ちなみにオランダでは様々な形状のリコリス菓子がdropと呼ばれて親しまれており、これが日本後のドロップ(キャンディ)の語源になったと言われています。
甘草という呼び名の由来にもなっている強い甘みは、リコリスの根に含まれる砂糖の50倍の甘みを持つ「グリチルリチン」によるもの。この特徴からリコリスは甘味料としても利用されており、私たちに馴染みあるもので言えば醤油や味噌などに使われています。そのほか消炎作用などがあるとして、化粧品原料としても利用されています。

基本データ

通称
リコリス (Liquorice)
別名
西北甘草(セイホクカンゾウ)、ヨーロッパカンゾウ
学名
Glycyrrhiza glabra(スペインカンゾウ)
Glycyrrhiza uralensis(ウラルカンゾウ)
科名/種類
マメ科カンゾウ属/多年草
花言葉
順応、物忘れ、悲しみを忘れる
誕生花
3月13日、6月22日
使用部位
根、匍匐(ほふく)枝
代表成分
サポニン、フラボノイド類、イソフラボン類、クマリン、カルコン、アスパラギン、精油
代表効果
去痰、鎮咳、抗炎症、免疫賦活、抗ウィルス、抗アレルギー、副腎皮質刺激、ホルモン様、粘膜保護、解熱、利尿
こんな時に
咳、痰、喉の痛み、声がれ、風邪、気管支炎、喘息、花粉症、アレルギー症状、ストレス、胃腸炎、ストレス性潰瘍、肝機能向上、デトックス、更年期障害、ニキビ、肌荒れ、皮膚炎症
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーバルバス、ハーブチンキ、湿布、スチーム吸引、手作り化粧品、料理用ハーブ
ハーブティーの味
漢方薬系の独特の甘みが強く、香りもやや薬っぽい
カフェインの有無
ノンカフェイン

リコリスの栄養・成分・期待できる効果

リコリスティー/甘草茶

リコリスは様々な働きを持つと考えられていますが、その多くの働きに関係していている成分として甘さの元である「グリチルリチン」が挙げられます。効果効能として取り合えられるものの多くはグリチルリチンの働きとして期待されているものです。

体を整える

呼吸器系の不調へ

リコリス(甘草)は「喉の痛み・炎症を和らげる」薬草として、東西問わずに古くから喉の炎症を抑えて声がれ・喉の痛みなどの改善に用いられてきました。喉が痛いときによく利用される漢方に甘草湯がありますが、2000年近く昔に記された『傷寒論』にも“咽痛の者は甘草湯を与うべし”という記述があります。

成分的にもグリチルリチンには、免疫力を高める働きや鎮咳・去痰作用があることが認められています。これらの働きから風邪による不調はもちろん、乾燥や喉の酷使など様々な原因の呼吸器系の不調緩和にリコリスは役立つと考えられています。風邪気味の時にはエキナセア、声がれなど粘膜の機能が気になる場合はマーシュマロウなどとブレンドして摂取すると良いでしょう。


アレルギー・炎症の緩和

リコリスに含まれるグリチルリチンには強い抗ヒスタミン・抗アレルギー作用があるとされています。近年この働きから花粉症対策としてもリコリスが利用されています。喘息や気管支炎などの緩和にも効果が期待できるでしょう。そのほか抗炎症作用と合わせて関節炎やリウマチなどの緩和にも取り入れられています。

アレルギー反応を抑えるとともに免疫機能向上作用もあります。これは単に免疫機能を強めるというわけではなく正常な状態へと整える手助けをしてくれる働きですから、、風邪やインフルエンザの予防だけではなく、免疫過敏への緩和にも効果が期待できるでしょう。


胃腸・肝臓の保護に

グリチルリチン酸は優れた優れた強肝解毒作用を持つとされています。そのためグリチルリチンを含むリコリスも慢性肝炎やウイルス性肝炎の予防に効果が期待されています。

リコリスティーは胃酸の分泌を抑制する働き、粘膜の刺激を緩和する働きがあるとされています。胃潰瘍や十二指腸などの腫瘍、特にストレス性潰瘍の予防に役立つとされています。粘膜保護作用に加え強肝解毒作用があることから、薬理成分の刺激緩和・副作用予防効果も期待できます。漢方で“百薬の毒を解毒する”と言われることや、刺激緩和に利用されるのも納得ですね。

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そのほか期待される作用

ストレス対策

リコリス(甘草)に含まれるグリチルリチンはストレスや炎症に対抗する副腎皮質ホルモンの働きを高める作用があると考えられています。そのためストレスや緊張によるイライラや軽度の抑鬱(気持ちの落ち込み)の緩和にもリコリスは役立つと考えられています。


老化防止・更年期障害

リコリスにも多くのハーブと同様にポリフェノールの一種であるフラボノイドを豊富に含み、抗酸化作用による老化や生活習慣病予防効果が期待されています。

加えて女性ホルモンのエストロゲンと似た構造・働きをもつイソフラボンが含まれています。リコリス(甘草)に含まれるフィトエストロゲンは大豆イソフラボンよりも強い女性ホルモン様活性を示すとする説もあり、抗酸化作用と相乗することでには更年期障害の緩和にも効果が期待されています。


ダイエットサポートに

リコリス独特のクセが気にならない方であれば甘味料として利用することで摂取カロリーをカットすることが出来ます。また近年はリコリスに含まれるグラブラポリフェノールという成分に脂肪分解促進作用があることも報告されており、体脂肪や内臓脂肪が低下したという実験結果もあるそうです。

過剰摂取による副作用などが報告されていますから摂り過ぎには注意ですが、少量であれば甘いものが恋しいダイエット中の生活をサポートしてくれるでしょう。使用料を考えると料理に利用するなどよりは、苦味の強いハーブとのブレンド時お砂糖感覚で加える・清涼飲料水の代わりとして数杯摂取する程度の利用がオススメです。


美肌作り・美白に

リコリスに含まれているフラボノイドは抗酸化作用によるシワ・タルミ・角質化などの肌老化予防や、シミやそばかすの原因となるメラニン産生抑制に有効と考えられています。副次的な働きとしてはデトックス効果、グリチルリチンの抗炎症作用や効ストレス作用による肌荒れの改善、フィトエストロゲンによる保湿・肌の新陳代謝向上効果なども挙げられます。

外用(飲食以外)で期待できる効果

肌トラブルに

痔の激しい痛みや、接触性皮膚炎(かぶれ・湿疹)などによる痛みや痒み止めとしてリコリスは外用薬としても利用されてきました。現在でもリコリスに含まれているグリチルリチン(水溶性甘草エキス)は薬用成分として医薬品や薬用化粧品(医薬部外品)などに利用されています。抗アレルギー・抗炎症作用があり、ニキビケアを始めひび、あかぎれ、アレルギー性の皮膚炎症など幅広い肌荒れ・肌トラブルのケアに利用されています。

ただし甘草や天草から抽出されるグリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2k)はステロイド様作用を持つため、ショック症状やステロイド剤と同じようなリバウンド症状を引き起こす危険性が指摘されています。処方薬を始め市販されている化粧品や石鹸などは規定の濃度が決まっていますが、個人で利用する場合は濃度に注意して利用しましょう。


スキンケアについて

グリチルリチン(水溶性甘草エキス)はニキビケアや肌荒れ予防成分として、またグラブリジン(油溶性甘草エキス)はチロシナーゼの活性阻害作用や紫外線吸収作用から美白成分として、スキンケアにも利用されています。

しかし甘草や天草から抽出されるグリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2k)はステロイド様作用を持つため、ニキビケアや美白効果を持つ一方でショック症状やステロイド剤と同じようなリバウンド症状を引き起こす危険性が指摘されています。
手作りコスメ原料として甘草エキスを購入・好きな濃度で化粧品を作ることも出来ますが、顔の凹凸や黒ずみなどを引き起こす危険性がありますので、個人で利用する場合は美肌・美白目的ではなく“一時的な炎症止め”として利用することをお勧めします。


ハーブバスとして

消炎作用があることから甘草は多くの薬用入浴剤にも配合されています。アトピー性皮膚炎やあせも・湿疹・ニキビなどの緩和に有効とされれるほか、冷え性の緩和や湯冷め防止効果もあると言われています。

おそらくリコリスのハーブよりも“リコリス/甘草配合の入浴剤”の方が流通が多いため商品化されたものを利用される方が多いかと思いますが、煮だしたハーブティーを入浴剤として利用することも出来ます。こちらも葉の量や濃度に注意しましょう。

リコリス(甘草)の注意事項

  • 妊娠中・授乳中・小児への使用は避けましょう。
  • 臓器・甲状腺疾患のある方、高血圧の方、医薬品を服用中の方は医師にご確認ください。
  • 多量に長期間摂取した場合は副作用を起こすことが示唆されています(コミッションEでは医師の監督なしの場合、5~15gの摂取で使用期間を4~6週間内としています)。お茶など通常の食品量であれば長期間摂取でも比較的安全とされていますが、市販されている漢方薬などの使用時には用法用量を順守しましょう。

ハーブティー

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投稿日:2016年6月12日
更新日:
制作:ボタニカル♪ラブ

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