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ハーブ・生薬・スパイス…植物のチカラで日々を素敵に

マレイン
ハーブティーと期待される効果効能紹介

古代から呼吸器系に良いハーブとして利用され続けている存在

日本でも川べりや空き地などに自生しているマレイン。原産地であるヨーロッパでは古代ローマ時代から呼吸器系の不調に良いハーブとして利用されてきた存在で、ネイティブアメリカンもその有効性から治療薬として取り入れたと伝えられている存在です。現在でもインフルエンザや結核などに対しての有効性が報告されており、咳や痰を始め気管支炎・喘息・花粉症など様々な呼吸器系トラブルの改善に取り入れられています。

画像:マレイン(Mullein)

 

マレインについて

植物紹介:マレイン

マレインはヨーロッパ~アジアが原産とされています。現在はオーストラリア・ニュージーランド・ハワイなどかなり広範囲に帰化しており、世界各国で目にすることが出来る植物と言えるでしょう。和名に“ビロード”が付くように茎や葉の全体が灰白色の細かい毛に覆われているのが特徴で、世界中でこの毛にちなんだ別名があるそうです。
成長すると2m程度とかなり背丈があり、先端の方にあまり目立たない小ぶりな黄色い花を付けます。日本でも川原や線路脇などで見ることが出来ます。ハーブというよりも雑草という認識の方が強いかもしれません。背の高さや特長ある外見から観賞用としても栽培されていますが、みっしりと生えた毛に生理的嫌悪感を感じる方も多いようです。

マレインは古代から薬用植物して利用されてきた歴史のある植物です。薬理学・薬草学の父と言われる古代ギリシアのペダニウス・ディオスコリデスも呼吸器系疾患に対して推奨していることから、約2000年前くらいには呼吸器系によい薬草として知られていたと考えられています。それ以後ハーブティー(煎じ汁)は現代に至るまで咳・気管支炎・咽頭炎などに役立つハーブとして利用され続けています。薬用以外には葉はランプの灯芯・茎は脂を含ませて松明として、花は染料(染髪料)としても利用されていました。
また呪術・信仰とも結び付けられることが多く、古代ローマでマレインは最高神ユーピテルと関連する植物と考えられていたそうです。枕に詰めて寝ると悪夢を見ない・扉や窓際に吊るすと悪霊や呪いなどマイナスに作用するものから家庭を守るなどと言われていたほか、マレインを持っていると勇気が出る・異性にモテるなどの伝承もあったようです。

アメリカには18世紀初期に持ち込まれ、薬用としてほか毒流し漁にも利用されていました。アメリカ大陸の先住民であるインディオ達もマレインを咳の治療に使ったほか、葉を燃やして失神した人の意識回復にも利用していたと言われています。はじめは栽培されていたようですが、1818年にアメリカの植物学者が自生種と考えたほどの広がりを見せており、現在はアメリカ全州に自生しています。
日本では明治時代にニワタバコ(庭煙草)の名で観賞用として導入されました。マレインは喉に良いことから薬用タバコの原料としても利用されていましたが、庭煙草という呼び名は葉や全体の姿がタバコに似ているために命名されたのだそう。現在はアメリカと同様に各地に自生し、30以上の都道府県に分布していると言われています。

基本データ

通称
マレイン(Mullein)
別名
ビロードモウズイカ(天鵞絨網毛蕊花)、ニワタバコ、Great Mullein(グレート・マレイン)、Common Mullein(コモン・マレイン)、Adam’s flannel(アダムズ・フランネル)、Verbascum(バーバスカム)
学名
Verbascum thapsus
科名/種類
ゴマノハグサ科モウズイカ属/2年~多年草
花言葉
夏美人、気だての良さ、大器の風格
誕生花
7月22日
使用部位
花、葉
代表成分
サポニン、フラボノイド(アピゲニン)、イリドイド配糖体(アウクビン)、粘液質
代表効果
去痰、鎮咳、鎮痙、鎮痛、粘膜刺激緩和、抗炎症、抗カタル、抗菌、鎮静、創傷治癒
こんな時に
咳、乾いた咳、喉の痛み、声がれ、喘息、気管支炎、花粉症、風邪、インフルエンザ、不眠
【外用】リウマチ、関節痛、筋肉痛、傷、火傷
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーブチンキ、浸出油、湿布、手作り化粧品(ヘア)
ハーブティーの味
ほのかに甘みのある香りがあり、味はクセがなく烏龍茶に近い
カフェインの有無
ノンカフェイン

マレインの栄養・成分・期待できる効果

マレインティー

呼吸器系の不調に

マレインは呼吸器系の不調改善に幅広く役立つハーブと言われています。正確な作用メカニズムは解明されていませんが、アウグビンなどのイリノイド・アピゲニンなどのフラボノイド・サポニン・粘液質などが複合して働くことで不快感・不調の緩和に役立つのではないかと考えられています。ドイツのコミッションEやアメリカ・イギリスの医薬品集にも収録されており、医薬品としての利用もなされています。

咳・痰の改善に

マレインに含まれているサポニンは気管の分泌液の量を増やす働きがあり、気管・肺に侵入してきた異物(ゴミやウィルスなど)の排出を助ける働きがあります。一時的に痰が出ますが、痰の排泄により異物を洗い流せるので結果として咳止めや去痰に役立つと考えられています。

またサポニンは痰・咳のほかに喉の腫れや炎症を鎮める働きも期待されていますし、マレインに含まれている粘液質は粘膜保護作用が期待できますので、相乗して幅広い喉の不調改善に役立ってくれるでしょう。声がれや煙草の煙による喉の乾燥・イガイガ感、風邪やインフルエンザによる喉の不調や咳の改善にも利用できます。粘膜保護に役立つマーシュマロウなどとブレンドして利用するのもオススメです。


風邪・インフルエンザ予防に

マレインは呼吸器粘膜の保護や強化に役立つことから、ウィルスの侵入を防ぐ働きも期待されています。加えてサポニンには免疫細胞の一つであるナチュラルキラー細胞(NK細胞)を活性化する働きもあるとされています。NK細胞はウィルス感染等によって異常を起こした細胞を真っ先に攻撃する免疫機能の尖兵で、感染の拡大を防いでくれる働きがあります。
加えて直接的な予防効果ではありませんが、マレインに含まれているフラボノイド系ポリフェノールの「アピゲニン」は強い抗酸化作用を持つことが認められています。活性酸素などの影響で酸化した細胞は正常に機能しなくなり免疫力の低下を引き起こすこともありますので、酸化を予防することからも免疫力低下抑制・向上に繋がると考えられます。

マレインは風邪やインフルエンザで呼吸器系の不調があるときに良いハーブと言われていますが、これらの働きから免疫力低下が気になるときや初期症状時点でハーブティーを飲むことで、風邪やインフルエンザの予防・症状悪化防止に役立つと考えられます。風邪予防や回復促進には、体を温める作用も持つエルダーフラワーカモミールとブレンドすると良いでしょう。


喘息や花粉症の軽減に

マレインに含まれるイリノイド配糖体の一種「アウクビン」は抗炎症作用があることが報告されています。直接的な免疫直正常化や抗アレルギー作用はありませんが、アウグビンによる抗炎症作用、サポニンによる粘膜保護・正常化や咳止め、ポリフェノールによる抗酸化作用が複合して働くことで喘息・花粉症などによる呼吸器系のアレルギー症状緩和にも役立つと言われています。アレルギー軽減効果が期待できるネトル、免疫力向上に役立つとされるリコリスヒソップとブレンドすると相乗効果が期待できます。

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そのほか期待される作用

不眠の改善に

マレインには鎮静作用があるとされており、花のハーブティーは精神安定や不眠緩和などにも取り入れられています。ただし鎮静作用が強いというよりは呼吸を楽にすることで寝付きを良くする・咳などによって眠れないなど“呼吸器系疾患に伴う不眠”に対してのみ有効とする説もあります。精神面に起因するようなストレス性の不眠の場合であれば、リラックス効果が高いとされるラベンダーリンデン(フラワー)などを活用したほうが効果が期待できるでしょう。


その他

サポニンは体内のコレステロール除去・過酸化脂質の生成抑制作用などを持つことから、血液をサラサラにして血栓などを防ぎ血液循環をスムーズにする働きが期待されています。サポニン以外にも強い抗酸化作用を持つアピゲニンなどのポリフェノールが含まれていますから、相乗して過酸化脂質の生成を抑制して血行を良く保つ働きが期待できます。
またマレインは鎮痙作用があることから下痢や腹痛などの緩和にも有効とされています。


マレインティーを淹れる際の注意

マレインは葉の柔毛が細かいため、通常のティーポット・茶漉しを利用すると浸出液(お茶の部分)に毛が入ってチクチクと口内・喉を刺激する不快な飲み口になってしまうことがあります。確実な方法としてはコップ一杯につき大さじ1~1.5程度のマレインに熱湯を注いで蒸らし、できた浸出液を数回ペーパーフィルターで濾すことが推奨されています。面倒な方はなるべく細かいフィルターを選び、注ぐときにペーパーフィルターでろ過するだけでも大分軽減されるでしょう。

外用(飲食以外)で期待できる効果

ヘアケアに

花の浸出液には髪を艶やかにする作用があるとされ、リンス代わりに利用されています。またマレイン抽出エキスには毛母細胞の元になる細胞を増やす働きが報告されており、育毛剤などにも配合されています。


そのほか

マレインの煎じ汁や浸出油を使った湿布は、関節痛や筋肉痛などの痛みの緩和・傷や火傷の治癒促進などに利用されてきた歴史を持ちます。現代では傷の手当てに使うことはほとんどありませんが、筋肉痛などの痛みの改善用としては取り入れられています。またマレインの花をオリーブオイルに浸して作られた浸出油は、点耳すると中耳炎の改善に良いとされています。

マレインの注意事項

  • 妊婦・授乳中の方、12歳以下のお子さんへの利用は控えるようにしましょう。
  • 種子は有毒な成分(ロテノンなど)を含むため食用・飲用出来ません。

ハーブティー

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投稿日:2016年11月13日
更新日:
制作:ボタニカル♪ラブ

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