オリーブリーフ
ハーブティーと期待される効果効能紹介

高い殺菌・抗酸化作用により健康維持やアンチエイジング効果が期待

オリーブオイルは健康メリットの高い油として注目されているものの、日本ではあまり馴染みのないオリーブの葉。しかし抗酸化成分を豊富に含むことが報告されており、代表成分であるオレウロペインは「自然の抗生物質」と言われるほど優れた抗菌・抗ウィルス作用があるとされています。近年は花粉症などのアレルギー緩和に対してや、抗酸化+コラーゲン生成促進効果による美肌効果など美容面でも注目されています。

画像:オリーブリーフ(オリーブの葉)

 

オリーブについて

植物紹介:オリーブ

健康維持に役立つ油ブームの引き金になったとも言われるオリーブ。古い時代の地中海沿岸地域では油=オリーブオイルのことだったそう。オイル(oil)という言葉もオリーブ(olive)が語源で、ギリシア語やラテン語の油も同様にオリーブから派生した言葉が用いられているそうです。日本ではオリーブオイルやオリーブ漬け(ピクルス)など果実部分の利用がほとんどですが、近年の研究でオリーブの葉に果実よりも多くのポリフェノールが含まれていることから注目度が高まり「葉」をお茶にしたり、サプリメントとしての流通も増えていますね。

オリーブは中近東・地中海沿岸辺りが原産とされ、紀元前4000年頃には現在のトルコ・シリア近辺で栽培が行われていたと考えられています。5000年前のものとみられる圧搾機がパレスチナで発見されており、オリーブオイルは“人類が初めて手にしたオイル”とも言われています。食用油としては勿論ですが、照明用や日焼け止めなどにも利用されていたようです。古代エジプトでも紀元前1500年頃にはオリーブの栽培・採油が行われていましたし、紀元前14世紀~12世紀頃にはギリシアでも盛んに栽培が行われるようになります。

紀元前4世紀頃にはギリシャの重要な産業としてその反映を支えたと言われており、オリーブに関わる法律は非常に厳しいものであった事が分かっています。オリーブの葉の利用は私達日本人からすると“新しい”と感じますが、実は地中海沿岸地域では紀元前からオリーブの葉を煎じたものを薬として利用し続けてきたそうです。古くは健康増進や鎮静剤・解熱剤として、時代ともに殺菌作用や抗炎症作用から傷や皮膚炎症に対する外用薬など、現在で言う抗生物質のような感覚で利用されるようになっていきます。マラリアの治療などに取り入れられた時期もあるようです。

またオリーブの実や葉は様々なことに利用されましたが、オリーブそのものも宗教的に重要な木であると考えられていました。古代エジプトではイシスの神の贈り物、古代キリシアでは女神アテナ・古代ローマでは女神ミネルヴァが「最も人々の役に立つ贈り物」として作り出した木と考えられていたのだとか。古代オリンピックでは優勝者に勝利と栄光の象徴としてオリーブの葉冠を贈る習慣があったこともよく知られています。旧約聖書の中では『ノアの箱舟』の一説で、大洪水が終わったことが鳩がオリーブの小枝を加えて戻ってくるシーンで表現されていますね。こうした関係からオリーブは平和の象徴としても愛され、現在でも国連や世界保健機の旗や国旗などに平和の象徴として採用されています。

19世紀頃からは科学的にオリーブの葉の成分分析が行われるようになり、ラテン語で“Oleuropein(オーレユーロペン/オレウロペイン)”と名付けられたフェノール物質に抗菌作用があることが発見されます。1908年に初めて単離されてから現代に至るまでオリーブ葉エキスの抽出方法や作用についての研究が行われており、様々な健康メリットが期待されています。

基本データ

通称
オリーブの葉(Olive Leaf)
別名
コモンオリーブリーフ、洋橄欖(ヨウカンラン)
学名
Olea europaea
科名/種類
モクセイ科オリーブ属/常緑高木
花言葉
平和、知恵、勝利
誕生花
5月26・30日、10月27日、12月23日
使用部位
代表成分
ポリフェノール(オーレユーロペン、ヒドロキシチロソールなど)、ミネラル類、ビタミン類、オレイン酸、エレノール酸
代表効果
殺菌、抗菌、抗ウィルス、解熱、抗酸化、血圧降下、血糖値降下、利尿、緩下
こんな時に
風邪やインフルエンザの予防・回復、アレルギー軽減(花粉症・アトピー性皮膚炎など)、高血圧・生活習慣病予防、胃酸過多、胃潰瘍、便秘、むくみ、血行不良、冷え性、アンチエイジング、美肌、ニキビ予防
おすすめ利用法
ハーブティー(飲用)、料理用ハーブ、手作り化粧品
ハーブティーの味
微かにオリーブの香り、味は薄めだが後味に渋さがある
カフェインの有無
ノンカフェイン

オリーブの葉の栄養・成分・期待できる効果

オリーブリーフティー

健康増進用に

風邪・インフルエンザ予防に

オリーブの葉に含まれているポリフェノールの一種「オレウロペイン(オーレユーロペン)」には抗菌・抗ウィルス作用が認められています。加えてヒドロキシチロシルというポリフェノールにも殺菌作用や解熱作用があるとされていますから、相乗して風邪やインフルエンザ予防・治癒促進に役立つと考えられています。風邪のケアとしてはエキナセアや生姜などとブレンドして飲むとより高い効果が期待できるでしょう。

製薬会社による研究ではヘルペスやオレウロペインが149種類のウイルスや細菌に対し効果があったことも報告されていますし、オレウロペインの抗生物質であるエレノール酸にはバクテリアやウィルスの生成を抑制し免疫力を高める働きが報告されています。このためオリーブの葉抽出エキスはカンジダやヘルペスをはじめ、HIV(ヒト免疫不全/エイズウイルス)の予防・緩和、ガン抑制薬などへの応用も期待されているそうです。


花粉症・アレルギー軽減に

オリーブの葉に含まれているオレウロペインにはアレルゲンと結合することでヒスタミンなどの炎症物質を放出させる「IgE抗体」の量を減らす働きがあることが報告されています。IgE抗体の生成が抑制されることでヒスタミンの放出量が減少しアレルギー反応を起こしにくくなると考えられる他、ヒドロキシチロシルには強い抗炎症作用があるとされ症状自体の軽減効果も期待されています。このためオリーブリーフは花粉症やアレルギー性鼻炎などの予防・軽減に役立つのではないかと注目されています。

またアレルギー反応により炎症をおこした部位には活性酸素が発生し、より症状を悪化させるという説もあります。オリーブリーフは抗酸化物質を豊富に含んでいますから、活性酸素抑制・アトピー性皮膚炎の悪化要因とされるか酸化し汁の生成抑制にも役立ってくれるでしょう。オレウロペインの抗菌・抗ウィルス作用は炎症を起こす原因となる菌類の抑制にも繋がります。上記の抗アレルギー作用・抗炎症作用にと合わせて、オリーブリーフはアトピー性皮膚炎・接触皮膚炎などの皮膚炎症改善にも役立つと考えられています。


抗酸化・老化予防に

抗菌・抗ウイルス作用が高いことから様々な働きが期待されているオレウロペインですが、ポリフェノールの一種であり抗酸化物質としても健康増進に対しての効果が期待されています。オリーブリーフにはオレウロペイン以外にもヒドロキシチロシルやフラボノイド類(ルテオリン・ケセルチン・アピゲニン等)など抗酸化物質が豊富に含まれています。またヒドロキシチロシルにはDNA損傷を防止して病気を予防する働きがあるのではないかとも考えられています。

活性酸素は細菌など有害物質を攻撃するために必要な物質ですが、過剰となると健康な細胞まで酸化させ劣化や機能低下を引き起こしてしまします。若ければ体内で抗酸化処理を行うSOD酵素などの分泌が盛んですが、年齢とともに体の持つ抗酸化力は衰えていきます。このため酸化=老化の引き金とも言われており、肌のシワをはじめ白内障や認知症・生活習慣病などあらゆる病気の原因となりうると考えられています。現代は精神面・環境面など様々なストレスで活性酸素過多状態と言われていますから、老若問わずに抗酸化物質の摂取が老化予防や健康維持に役立ってくれるでしょう。


高血圧・生活習慣病予防に

オリーブに含まれるオレウロペインには血管を拡張して血圧を下げる働きや、コレステロール値の改善効果などが報告されています。またオリーブオイルの健康増進に役立つ脂質として知られるオレイン酸は悪玉(LDL)コレステロールを低減させ、善玉(HDL)コレステロールを増加させる働きがあると考えられています。加えてオリーブリーフはポリフェノール類による高い抗酸化作用がありますから、高脂血症・動脈硬化を始めとした生活習慣病予防効果が期待できます。

またオリーブ葉抽出物を10日間投与し空腹時血糖を調べた実験では、何も投与されていないグルーブに対し、オリーブ葉抽出物を投与されたグループに有意な血糖値低下効果が見られたことも報告されています。


胃腸の不調緩和に

オリーブに含まれているオレイン酸には胃酸の分泌をコントロールして胃酸過多や胃潰瘍を防ぐ働きがあると考えられています。加えてオレウロペインの殺菌効果によってピロリ菌・ブドウ球菌などの抑制にも役立つと考えられるため、胃腸の健康維持にも役立つと考えられています。


美容・女性に嬉しい働き

便秘改善

不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸は腸を穏やかに刺激することで蠕動運動を促す働きがあると考えられています。加えて油脂は便に混じることで便を柔らかっくする・腸内壁と便の間で潤滑油のように働くことでスムーズな排便をサポートしてくれる存在でもあります。オレイン酸というオリーブオイルのイメージが有りますが、オリーブの葉部分にも少量含まれています。

オリーブリーフ抽出エキスではなくお茶の場合はどの程度オレイン酸が浸出されるかは疑問が残ります。しかしオレウロペインによる腸内悪玉菌の抑制効果・便の酸化によるフリーラジカル生成抑制効果などもオリーブリーフティーには期待されています。腸内環境の改善にも繋がりますから、便通の改善や大腸ガン予防などに有効と考えられています。


むくみ・冷え性の改善に

ポリフェノール類による抗酸化作用はドロドロ血液をサラサラにしてくれます。この結果として血液循環の改善が期待できます。夕方頃に足など下半身にむくみが出るのは血液が重力に負けて下半身に溜まることが原因とされていますから、血液循環が良くなることでむくみの予防・軽減になります。

またポリフェノール血行促進によって血液循環が良くなるのはむくみの改善だけではなく、冷え性の改善・筋肉のこわばりによる肩こりや腰痛などの改善にも役立ってくれるでしょう。むくみが気になる方はリンデンウッド明日葉、冷えや血行不良が気になる方はヨモギ茶イチョウ葉茶などとブレンドして利用すると相乗効果が期待できます。


肌のアンチエイジングに

ポリフェノールのを豊富に含み高い抗酸化作用が期待されるオリーブの葉は、活性酸素によって皮膚細胞が傷つけられることで起こる肌の老化(シワ・シミ・たるみなど)の抑制にも有効と考えられています。またオレウロペインは体内のコラーゲン生成をサポートする働きがあるとされています。コラーゲンを傾向摂取しても体内で分解され目的の部位(肌)に対する効果はほとんど期待できないと言われていますが、体内でのコラーゲン合成をサポートする成分と合わせて摂取することで利用率の向上が期待できます。

抗酸化作用とコラーゲン生成促進作用が相乗して働くことで、オリーブリーフティーやオリーブの葉抽出エキスなどはハリと潤いのあるプルプル肌維持・回復効にも役立ちます。抗酸化作用によって血液が綺麗になり酸素や栄養素がしっかりと行き届くことで、クマやくすみの改善、肌の透明感・キメの向上などに繋がります。肌老化予防というより全体的な美肌効果も期待できると言えるでしょう。ビタミンCが豊富な緑茶柿の葉茶とブレンドのもオススメです。


ニキビや肌トラブルに

オレウロペインのもつ優れた抗菌作用はニキビの原因菌とされるアクネ菌抑制にも有効とされています。他抗酸化物質にを合わせて大人ニキビの原因となる過酸化脂質の生成抑制効果にも役立ちますから、オリーブの葉はニキビ予防・改善に役立つと考えられています。

またニキビと間違いやすいブツブツにマラセチアという真菌(カビ)によるマラセチア毛包炎などもあります。アクネ菌ケア商品は抗真菌作用がないものが多く改善が見られないと言われていますが、オレウロペインは真菌感染症にも有効とされています。加えてヒドロキシチロシルには強い抗炎症作用があり、より直接的な赤みなどの炎症緩和にも役立ってくれると考えられています。これらのことからオリーブリーフは幅広い皮膚トラブルに対し改善効果が期待されています。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

口腔・喉のケアに

オレウロペインの優れた殺菌効果から、オリーブリーフティーはマウスウォッシュやうがい薬として利用することで喉の痛み・不快感・咳の緩和などに役立つと言われています。炎症を抑える働きも期待できますから口内炎などの緩和にも効果が期待できるでしょう。そのほか薬会社アプジョーンズ社研究所の研究結果では、実験した全てのウィルスや細菌に対して効果があったと言われていますから虫歯・歯周病などの原因菌抑制や口臭対策効果も期待できるとする説もあります。

ちなみにインド伝統医療アーユルヴェーダーの健康法『ガンンドゥーシャ』(植物油のうがい療法)から考案され「オイルプリング」ではオリーブオイルも適した油とされており、20分位口に含んでクチュクチュしていると歯のホワイトニングなどにもなると言われています。


スキンケアに

スキンケアやマッサージなどにはオリーブオイルがよく使用されていますが、抗酸化物質が豊富なことなどからオリーブリーフも外側からのケアに有効であると考えられています。化粧品原料としてオリーブ葉抽出液(オリーブリーフエキス)は細胞賦活・抗炎症作用や抗酸化・細胞賦活作用などがあるとされ、化粧水などの基礎化粧品のほか、ファンデーションや日焼け止めなどにも配合されているようです。

オリーブの葉から自分でお茶・チンキを浸出したものが抗菌・抗炎症作用によってニキビなどのケアに役立つとする説もあります。古い時代から皮膚用塗り薬などに利用されてきた歴史がありますが、日本人の実践者や安全性のデータが少ないためあまりおすすめは出来ません。

オリーブリーフの注意事項

  • 低血圧の方・血圧降下剤を服用中の方は利用に注意が必要です。
  • 妊娠中・授乳中は利用を控えた方が無難です。