ルイボス
ハーブティーと期待される効果効能紹介

ミネラルが豊富で、アンチエイジングやダイエットにも期待

SOD様酵素などの抗酸化物質を含むことから老化予防やアレルギー緩和効果などが期待されるルイボスティー。若々しい肌の維持やダイエット、便秘やむくみ改善に役立つことから女性に広く支持されている身近な健康茶の一つでもあります。ノンカフェイン・低タンニンで妊娠中の方や赤ちゃんでも利用できるのも嬉しいポイント。

画像:ルイボスティー

 

ルイボスについて

植物紹介:ルイボス

妊娠中の方や赤ちゃんでも飲めるお茶として、美容に嬉しいお茶として、日本でも人気の高い健康茶「ルイボスティー」。紅茶の一種と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、ルイボスは南アフリカ共和国のセダルバーグ山脈にのみ自生するマメ亜科の植物です。乾燥した30度以上の温度差の高い場所を好むことから、栽培も限られた地域でしか行うことが出来ません。

南アフリカの先住民コイサン人は古くからルイボスが優れた薬草であることを語り継いできました。茎や葉を叩き、発酵させたものをお湯で浸出してお茶は“不老長寿の飲み物”や“奇跡のお茶”と言われ、日常的に健康維持のため飲まれ続けてきた存在です。ヨーロッパ人による侵入・植民地化が起こると、ケープ地方に入植したオランダ移民によってルイボスは紅茶の代用品として利用されるようになります。

1904年になるとベンジャミン・ギンズバーグがルイボスを研究し、健康茶としてヨーロッパへの輸出を開始します。1954年以降は国営事業として計画栽培・製造が行われるようになり、植物療法や健康意識が強いドイツを筆頭に世界的に評価される存在となります。1980年には日本で医学博士の丹羽靱負氏・農学博士の岡村一弘氏らの研究によりルイボスティーのSOD様作用が発見され、日本でも優れた健康茶として認知されるようになりました。

SOD様物質による抗酸化作用からアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー体質の改善にも効果が期待できることから、健康維持・美容(アンチエイジング・ダイエットなど)と老若男女を問わずに愛されています。自動販売機のペットボトル飲料などでも見かける、非常に身近な健康茶の1つと言えるでしょう。カフェインを含まず、タンニン濃度もごく低いことから妊娠中の方や小さなお子様でも飲めるもの支持されるポイントですね。

ちなみに「ルイボス」という呼び名はアフリカーンス語で赤を意味する“rooi”と藪を意味する“bos”に由来しているそう。このためイギリスではredbush teaやSouth African red tea、生薬名では紅灌木と意訳的な呼称が付けられています。針葉樹のような細かな葉を発酵乾燥させて茶葉を作っています。近年は緑茶やグリーンマテ茶のような非発酵茶「グリーンルイボス」も若干流通していますが、こちらは2000年頃に初めて製造が行われるようになったもの。グリーンルイボスはやや価格が高めで味もクセが強いですが、レッドルイボスよりも抗酸化作用に優れていることから注目を集めています。

基本データ

通称
ルイボス(Rooibos)
別名
レッドブッシュティー(Redbush tea)、紅灌木(コウカンボク)
学名
Aspalathus linearis
科名/種類
マメ科アスパラトゥス属/常緑潅木
花言葉
誕生花
使用部位
代表成分
SOD様酵素/ポリフェノール(イソビテキシン・アスパラチン・ルチン・ケルセチンなどのフラボノイド類、タンニンなど)、配糖体(アスパラシン)、ミネラル類
代表効果
強壮、抗アレルギー、抗酸化、代謝促進、発汗、利尿、鎮静、鎮痙、収斂
こんな時に
アンチエイジング、生活習慣病予防、貧血、冷え性、むくみ、便秘、ダイエット、アトピー性皮膚炎、花粉症、ニキビ・肌荒れ、肌老化予防、不眠、生理痛、ホルモンバランスの乱れ、妊活
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーバルバス、ハーブチンキ、湿布、手作り化粧品、料理用ハーブ
ハーブティーの味
微かに甘みがあるスッキリとした味
カフェインの有無
ノンカフェイン

ルイボスの栄養・成分・期待できる効果

ルイボスティー

老化防止や体質改善に

抗酸化・抗糖化

ルイボスティーにはポリフェノールの一種であるフラボノイド類、活性酸素分解作用がある酵素「スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)」とよく似た働きを持つ抗酸化物質=SOD様酵素(イソビテキシン、ビテキシン、アスパラチンなど)が含まれています。SOD様酵素には強い抗酸化作用があることから、活性酸素によって細胞が酸化して起こる老化・損傷を抑制する効果があると考えられています。

またフラボノイドの中でもルイボス特有の成分とされる「アスパラチン」には強い抗酸化作用があるほか、血糖値の上昇を抑制する働きも報告されています。このアスパラチンの働きによってタンパク質と糖質が結びつくことで出来るAGEs(終末糖化産物)の生成を抑制することで“糖化”を抑える働きも期待されています。


美肌・肌のアンチエイジングに

ルイボスの持つSOD様酵素などによる強力な抗酸化・抗糖化作用は肌のアンチエイジング、つまりシミやシワ・タルミ・くすみなどの予防改善においても高い効果が期待されています。酸化ダメージによって起こる肌荒れ予防、過酸化脂質の生成を抑制する事でニキビ予防、抗糖化による肌の黄ぐすみ対策などにも役立ってくれるでしょう。

抗酸化と抗糖化両方の作用を持ち合わせることから、ルイボスティーは若々しい肌を維持するためのアンチエイジングティーとして美容と健康維持のために世界中で親しまれています。ルイボスに含まれるフラボノイドの一種ケルセチンはビタミンCの吸収を助ける性質がありますから、柿の葉茶ローズヒップティーとブレンドすると美肌維持により高い効果が期待できます。また美白であればヒース(ヘザーフラワー)、ニキビや肌トラブルであればカモミールジャーマンなどとのブレンドもオススメです。


生活習慣病の予防

ルイボスティーは高い抗酸化作用を持つことから、中性脂肪やコレステロールが活性酸素と結合して増加する過酸化脂質の生成抑制、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の低減などの働きが期待されています。これらは動脈の内壁に付着することで血管の柔軟性を損なう・血流を妨げることで、高脂血症・動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞などの原因となると考えられています。

そのほかに血圧上昇酵素であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)の働きを阻害することによる血圧降下作用、アスパラチンの働きで血糖値の上昇を抑制することで糖尿病の原因となる高血糖の予防効果があることも報告されています。これらの働きから生活習慣病の予防にもルイボスティーは役立つと考えられています。


加齢臭予防

加齢臭の原因として、過酸化脂質が脂肪酸と結合して出来る「ノネナール」という物質が発生することが挙げられます。ルイボスティーは強い抗酸化作用によって過酸化脂質の生成を抑制することで、ノネナールの発生を抑えて加齢臭を和らげる働きが期待出来ます。


アレルギー疾患の緩和・改善

ルイボスティーはアトピー性皮膚炎をはじめ、花粉症・アレルギー性鼻炎・喘息など様々なアレルギー性疾患の症状緩和・改善に効果が期待されています。実際のところアレルギー性疾患にルイボスの成分がどう作用するのかはハッキリと分かっていませんが、現在有力な説を紹介させていただきます。

活性酸素は老化の原因物質として知られていますが、その他にも体に備わっている抵抗力を弱め免疫力を低下させるなどの弊害があります。ルイボスに含まれている抗酸化物質によって免疫力が正常化すること、過酸化脂質によるアトピー肌の悪化を防ぐ働きが期待できます。加えてSOD様酵素には抗酸化作用以外にアレルギー反応を抑制することで炎症を抑える働きがあるとする説もあります。

つまりルイボスティーは抗酸化作用によって免疫力回復・炎症の悪化防止を防ぐとともに、アレルギー症状を緩和するのではないかと考えられています。そのほかにルイボスはミネラルが人間の体液と近い比率で含まれており、適切なミネラル補給によって体の細胞を活性化する=皮膚の修復促進が期待できるという点もアトピー性皮膚炎の改善に注目されています。


二日酔いの緩和

二日酔いは摂取したアルコールが体内で毒性を持つアセトアルデヒドに変換させることで起こります。またアルコールを分解する際に水分やミネラルが使われ、共に排泄されてしまうことから肝機能の低下を引き起こし、アセトアルデヒドの分解(無毒化)能力を低下させてしまうことで二日酔いを起こしやすくなる・いつまでも回復できないなどの状態に陥ります。

ルイボスティーには肝臓の働きを助けるミネラルが含まれていますし、アルコールがアセトアルデヒドに分解される際に発生する活性酸素を抑制する働きもあります。このため二日酔いの予防や緩和にも役立つと考えられます。吐き気・胸焼けがある時はカモミールペパーミントなどと合わせて飲むと良いでしょう。


スタイル維持・ダイエットサポート

貧血・冷え性の改善に

ルイボスティーに豊富に含まれるミネラルには鉄分や亜鉛など造血に必要とされる成分も含まれています。中でもヘモグロビンの生成に必要不可欠な鉄分が100gあたり約10mgと言われるほど豊富で、鉄分の吸収を阻害するタンニンが少ないため鉄欠乏性貧血の予防・緩和に優れたお茶とされています。ミネラルの吸収を高めるローズヒップハイビスカスティーとブレンドすることで効率よく栄養成分を摂取できるでしょう。

またルイボスティーには代謝に関わるミネラルやビタミンが豊富なため代謝向上による体温上昇にも役立つと考えられています。マグネシウムなどのミネラルには補助酵素として血液・リンパの巡りをスムーズに促す働き、SOD様酵素などの抗酸化物質による血液サラサラ効果などによって巡りを良くする働きも期待できます。血液の補充・代謝向上・巡り改善という3つの働きが期待できることから、冷え性の改善としてもルイボスティー取り入れられています。


便秘の予防・解消

ルイボスティーは便通改善に役立つのではないかという説もあります。便通改善に繋がる可能性の推測としては単に水分補給になるというものから、カリウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富である・抗酸化物質が腸内の悪玉菌もしくは悪玉菌代謝物(有毒物質)を抑制するなど様々。しかし飲んだ方のレビューなどでお通じが良くなったという記載が多いことから、体質・生活習慣等にもよりますが何らかの形でお腹の調子を整えてくれているのではないかという見解が多いようです。

ただし有効性を示唆する報告はあるものの、便秘改善についての有効性は証明されておらず曖昧な点も多いそう。お腹がゆるくなった・便秘に良いと効いて飲んだけど効果はなかったなど人によって感じ方も様々なので、ご自身の体調・お腹の調子を確認しながら飲むようにして下さい。医薬品ではなく食品(健康茶)ですから飲んだその日に…という劇的な働きは期待しないほうが良いでしょう。


むくみケアに

ルイボスティーには体内のナトリウム量や水分バランス調整・血液やリンパの循環をサポートするカリウムやマグネシウムなどのミネラルも含まれています。また抗酸化作用によって各臓器の機能低下が改善されること、腸内フローラの改善から代謝が向上することなどにより腎臓・尿路系機能の改善にも役立つと考えられています。このため余分な水分の排泄サポート・むくみ改善にも効果が期待されます。


ダイエットサポート

便秘改善や毒素排泄促進(デトックス)効果、腸内フローラが改善することで代謝の向上や善玉菌によるビタミンなどの合成促進効果が期待できます。また亜鉛などのミネラルも代謝に欠かせない栄養素ですし、貧血の改善や血流改善からも代謝向上が期待できますから、ルイボスティーは痩せやすい体へ体質改善のサポートに役立つと言えます。加えてアスパラチンの働きで血糖値の上昇が抑制されるとインスリンの分泌が穏やかになる=糖が脂肪として蓄えられにくくなるという効果も期待できます。

そのほかにアスパラチンには代謝向上や血行促進効果が期待されていますし、ルイボスティーはミネラル・フラボノイドが豊富なことからダイエット中のストレスやイライラの緩和などにも役立つと考えられています。


女性の体への働き

生理痛の緩和に

生理痛を引き起こす原因としてプロスタグランジン、厳密に言えば子宮を収縮させることで経血を押し出すプロスタグランジンE2という物質が挙げられます。体が冷え血行が悪い状態の場合は子宮の収縮が上手く行えず、経血を押し出すためにより多くのプロスタグランジンE2が分泌されることとなります。

プロスタグランジンの働きで子宮が過剰に収縮することから痛みは起こりますが、一緒に活性酸素も発生することで余計に痛みを悪化させていると考えられています。ルイボスティーはSOD様酵素による活性酸素を抑制する働きが期待できますし、新陳代謝や血流を改善することでプロスタグランジンの過剰分泌を改善する働きも期待できます。カルシウムやマグネシウムなど不足することで生理痛を重くするとされるミネラルも含まれています。


月経トラブル・更年期障害緩和

ルイボスティーはホルモンの分泌に関わる亜鉛を含んでいます。亜鉛は女性ホルモン(黄体ホルモン・卵胞ホルモン)の分泌にも必要なミネラルで、不足した場合はホルモンバランスの乱れを引き起こすことで生理不順・無月経などの原因ともなります。月のリズムだけではなくPMS(月経前症候群)や更年期障害の緩和においても亜鉛は摂取したい栄養素の1つとされています。お茶部分に全て溶け出すものではありませんのでルイボスティーだけで不足分を補うわけにはいきませんが、補給のサポートとして役立ってくれるでしょう。

加えてSOD様酵素によるストレス緩和・抗酸化作用などもホルモンバランスの乱れを予防・緩和する働きが期待できます。直接的に女性ホルモンへの働きかけはありませんが、様々な成分・働きが複合することでホルモンバランスを整える手助けをしてくれると考えられます。

妊活のサポートとして

不足しがちなミネラルの補給に役立つこと、ホルモンバランスを整える働きが期待できること、ノンカフェイン・低タンニンの飲み物であることなどから、ルイボスティーは妊娠に向けた体つくりにも適したお茶と考えられています。強い抗酸化作用によって卵子の老化を食い止め受精しやすくするという説もあるようです。


そのほか期待される作用

不眠の緩和

ルイボスティーに含まれているフラボノイド系ポリフェノールのうち、ビテキシンとイソビテキシンの2つには高いストレス軽減効果があるとされ、海外ではストレス対策・リラックス用の薬に配合されているそう。ストレスを和らげることで神経の興奮を鎮静させ、安眠へ導く働きもあると考えられています。

またミネラルやビタミンを含むルイボスティーを飲むと体内のエネルギー代謝が活発になり、体が温まることからも眠りに就きやすい状態を作ってくれます。ルイボスティーはノンカフェインなので眠りにつく前に飲んだとしても目が冴える心配はありません。リラックス効果の高いラベンダーエルダーフラワーなどとブレンドすると相乗効果も期待できるでしょう。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

スキンケアに

肌につける場合でもルイボスに含まれるSOD様酵素などによる高い抗酸化作用があります。抗酸化作用によるシワ・タルミ・シミ予防(美白作用)が期待出来ますし、収斂作用もあることから脂性肌やニキビ肌のケアにも適しています。

またルイボスにはAHA(アルファハイドロキシ酸)、フルーツ酸と呼ばれる成分が含まれています。AHAはピーシング系の石鹸等にもよく使われており、古くなった角質の除去しターンオーバーを正常化させる働きが期待できます。抗酸化作用と相乗してお肌のコンディションを整えてくれる働きが期待できるでしょう。

原産地である南アフリカではルイボスを活用した化粧品もたくさんあるそうですし、日本でも少量ながら「ルイボスエキス配合」の化粧品が販売されています。ご自宅でも即時使いきりであればハーブティーをそのまま化粧水として利用できますし、他のハーブなどと合わせてオリジナルの手作り化粧品を作るのもオススメです。


ハーブバスとして

より手軽な肌ケアの方法としてルイボスティーを使った入浴があります。スキンケアと同じく抗酸化作用によるアンチエイジング効果、AHAによる古い角質の除去・ターンオーバー促進作用などが期待できます。
アトピー性皮膚炎や痒みを伴う皮膚炎症、その他ニキビなどの肌トラブルのある方に、ルイボスティーを入浴剤代わりにしたお風呂に入ってもらうと症状に改善が見られたという報告もなされているそうです。

入浴剤として利用する場合は、布袋などに入れたルイボスを15分程度煮出し浴槽にティーパックごと入れると良いでしょう。ただしタオル等に着色する可能性がありますので入浴時には注意が必要です。低刺激と言われていますが、敏感肌・アトピー肌の方などはルイボスティーを希釈したものでパッチテストを行った後に入浴するようにしてください。


臭み消し・消臭剤として

ルイボスティーにお肉や魚を数時間浸しておくと臭みを取ってくれます。またさほどクセがないのでお米を炊くときのお水やスープのベースなどに使う方もいらっしゃるそうです。ルイボスティーをシングルで飲むのが苦手な方・お茶を飲む習慣がなくて取り入れにくい方などは、料理用に使ってみても良いかもしれません。

またティーを浸出した後の茶殻も消臭剤として働くほか、油汚れを落とすのにも役立つようです。飲み終わった後すぐに捨てずに、消臭剤としてキッチンの隅に置いておく→お掃除時に使うなど使い回ししていくとルイボスの恵みを余すところ無く使えますし、家計も助けてくれそうですね。

ルイボスの注意事項

    お茶として通常量を摂取する場合は特に問題はないとされています。

  • ルイボスに含まれるビテキシンという成分にはヨード吸収阻害作用があり、大量摂取はヨード欠乏症状を引き起こす可能性が示唆されています。過剰飲用は避け、甲状腺関係の持病がある方は医師に相談の上利用してください。