スターアニス/八角
ハーブティーと期待される効果効能紹介

消化器系の不調緩和、冷えの改善にも期待

中華料理に使う香辛料「八角(ハッカク)」としても知られるスターアニスは、フェンネルやアニスと似た甘い芳香が特徴のハーブ。味は苦味と刺激があるので、ハーブティーとして使用する場合はブレンド用として甘い香りをプラスする感覚で使用されるのが主となっています。成分としてはアネトールなどの精油成分によって消化器系の不調改善、口臭軽減効果が期待されていますよ。また体を温める働きがあるとして風邪のケアに用いられたり、精油は女性特有の不調軽減に取り入れられる場合もあります。

画像:スターアニス(八角)

 

スターアニス/八角について

植物紹介:スターアニス/八角

日本では八角とも呼ばれれているスターアニスはモクレン科シキミ属の常緑高木である唐樒(トウシキミ)の果実部分の呼び名です。八角という名前のとおり8つの角を持った形状をしており、英名“Star anise”は8つの角が星のような形をしていることとアニスに似た香りを持つことから、別名の八角茴香や大茴香というのは茴香(フェンネル)に似た香りであることが由来となっています。見た目が可愛らしいことからリースや置物などオーナメント用ハーブとしても人気があります。

ちなみに日本のお寺などでよく見かける樒(シキミ)と実の形状・香りがよく似ていますが、樒の実は猛毒成分アニサチンを含むため注意が必要です。またインフルエンザ薬(タミフル)の原料として用いられたことが知られていますが、直接果実を食べてもインフルエンザ治療効果はありませんし、スパイスとして少量使用する程度であれば副作用等の心配もありません。

スターアニスの原産地は中国やベトナム辺りと考えられています。古くから中華・アジア料理の香辛料として用いられており「八角を加えれば中華料理になる」と言われるほどで、メイン料理からデザートまで広く用いられています。中国の代表的なミックススパイス「五香粉」にも配合されています。そのほか生薬としてや、香りが良いことからお香や匂い袋などにも利用されています。日本でも戦国時代には武士が出陣前に兜に八角の香を焚き込めていたと伝えられています。

16世紀末にイギリスの船乗りによってヨーロッパへともたらされ、当時高級品であったアニスの代用品として用いられました。スターアニス(八角)と言うと日本では中華料理のイメージが強いですが、アニスやフェンネルの代わりとしてスープ・サラダ・クッキーなど洋食系のレシピにも利用できます。ただしスターアニスの方が香りが強いので、使用料は3分の1以下に届けておくと良いでしょう。ハーブティーとしても利用されていますが、味にクセがあるためシングルティーとしてよりは粉末スターアニスをコーヒーや紅茶に加える・ブレンドティーを作るときの香り付けとしての利用がオススメです。

基本データ

通称
スターアニス(Star anise)
別名
八角(ハッカク)、唐樒(トウシキミ)、大茴香(ダイウイキョウ)、 八角茴香(ハッカクウイキョウ)
学名
Illicium verum
科名/種類
マツブサ科シキミ属/常緑高木
花言葉
誕生花
使用部位
種、袋果
代表成分
精油(アネトール、リモネン、ピネンなど)、シキミ酸
代表効果
消化促進、駆風、制吐、鎮痛、抗真菌、殺菌、保温
こんな時に
吐き気、腹痛、消化不良、冷え性、風邪の初期症状
おすすめ利用法
ハーブティー、料理用ハーブ(香辛料)、精油
ハーブティーの味
甘い漢方薬の香り、味は苦味が強いが辛味・甘味もある
カフェインの有無
ノンカフェイン

スターアニス/八角の栄養・成分・期待できる効果

スターアニスティー(八角茶)

消化器系への働きかけ

スターアニスな中国医学(漢方)で芳香性健胃剤や体を温める目的で生薬としても利用されています(ただし小茴香よりも効能は劣ると言われています)。

胃腸の調子を整える

スターアニスに含まれている精油成分の働きにより、胃腸の働きを活発にし新陳代謝を高める効果が期待出来ると言われています。また消化活動を活発化し唾液分泌を促進させることから食欲増進剤としても利用されています。

吐き気を抑える・鼓脹(腹部膨満感)の改善、蠕動運動促進による便秘解消効果などもあるとされていますから、胃腸の働きが良くないと感じたときはもちろんのこと、夏バテ時などにも役立ってくれるでしょう。


口臭予防に

消化器官の働きを高めることからスターアニスは口臭予防にも有効とされています。アニスシードやフェンネルと同様に、精油成分が直接的な消臭効果をもたらすとも考えられています。口臭が気になるときやお食事後はキャラウェイペパーミントと組み合わせると良いでしょう。


そのほか期待される作用

体を温める

スターアニスは体を温める働きがあるとされ、消化器系機能改善作用と合わせて冷えから起こる腹痛や下痢などの改善にも用いられています。体を温める働きと消化吸収を高めることから風邪の引きはじめのケアにも適しています。

ハーブティーとしては冷え性対策のブレンドにも配合されています。体を温める目的であればジンジャーカルダモンなどと相性がよく、ジンジャーの苦味ある香りも少量スターアニスを加えることで優しくなります。


咳・喉の不快感に

漢方で大茴香(スターアニス)は理気作用がある生薬とされ、消化促進・健胃など消化器系への使用のほか「咳止め」にも有効であると考えられています。ハチミツと組み合わせて利用すると良いと言われています。


スターアニスティーの淹れ方

ホールハーブ(星型のもの)をそのまま熱湯で蒸らしても利用できますが、細かく砕く・潰すなどした方が香りや成分を浸出することができます。カップ1杯に対し小さじ1程度の量が目安とされています。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

ハーブバスに

成分や健康効果は分かりませんが、甘い香りからオーガニック系のバスアロマや入浴剤に芳香成分としても配合されています。精油は刺激が強く扱いが難しいので煮出したハーブティーを利用するようにしましょう。スターアニスを入浴剤として利用すると金運・健康運がアップするという伝承もあるようですよ。


スターアニス精油に期待される作用

精油の経口摂取(飲用など)は出来ません。また、スターアニスの精油は刺激が強いため、一般的に販売・利用されていることが少ない精油です。希釈濃度や使用時間に注意が必要ですし、皮膚刺激が強いためマッサージやスキンケアなど皮膚へ直接付けることは控えましょう。

心への作用

神経への刺激作用があり、気持ちを高めて元気を取り戻す働きがあると言われています。また精神的ショックやダメージから心を守る・精神を強壮するとも言われており、ストレス対策として有効と考えられています。


体への作用

ハーブ・スパイスとしてと同じく消化器系への働きかけに優れており、消化不良・胃もたれや吐き気・腹部膨満感・便秘などの緩和に有効とされています。利尿効果があることからむくみ解消、膀胱炎や尿路感感染症への効果も期待されています。

また精油の場合はフェンネルなどに含まれている「トランスアネトール」という成分が非常に多く含まれています。トランスアネトールは女性ホルモン(エストロゲン様)作用がありホルモンバランスを整える働きが期待出来ます。ただし月経痛や月経不順、月経前症候群(PMS)、更年期障害など女性特有の症状の緩和に有効とされていますが、刺激性の問題からアロマテラピーではフェンネル・スイートの精油を用いるのが一般的です。

スターアニス/八角の注意事項

    スパイス・ハーブティーとして通常量使用する場合は特に問題はないとされています。

  • 精油は妊娠中・授乳中の方、お子様への利用は避けましょう。
  • 高濃度・長時間の精油の使用は控えてください。