杜仲茶
健康茶と期待される効果効能紹介

ダイエット以外でも、健康維持やストレス対策として毎日飲みたい健康茶

むくみ改善や脂肪蓄積予防・代謝向上などの働きが期待され、ダイエット茶として人気を集めている杜仲茶。ゲニポシド酸には副交感神経を活性化させる働きもあるので、血行促進・冷え改善・ストレス緩和・自律神経のバランスを整えるなどの働きも期待できます。不足しがちなミネラルの補給源としても役立ちますし、生理痛の緩和などにも効果が期待できます。ノンカフェインで毎日いつでも飲めて取り入れやすいのもポイント。

 

杜仲茶について

植物紹介:杜仲

杜仲茶はその名の通り「杜仲(トチュウ)」の木の葉を利用して作ったお茶で、この杜仲という樹木はトチュウ目トチュウ科を構成する唯一の種です。というものトチュウ目の植物が繁栄したのは数千~数百万年前で、氷河期に仲間の植物は絶滅してしまったと考えられています。このため銀杏(イチョウ)やメタセコイヤと並び世界最古の樹木とされ「生きた化石植物」とも呼ばれています。

原産地である中国で杜仲は古くから薬効ある存在として珍重されてきました。中国最古の薬学書とされる『神農本草経』でも老いを防ぐ・精気を増すなどの効能が有り、常用しても副作用の心配がない生薬として上品に分類されています。漢方薬として利用する部位は杜仲の樹皮で、採取量に限りがあることから高級品としても珍重されていたそうです。現在でも杜仲は五大漢方薬(冬虫夏草、人参、鹿茸、芍薬、杜仲)の一つとして中国で大切にされています。
ちなみに「杜仲」という名前の由来と言われている伝説はいくつかありますが、『本草綱目』では樹皮を煎じて常飲していた“杜仲”という人が活力が高まり後に仙人という伝説が記されています。この本の中では杜仲の葉の食べ方なども記載されているのだとか。

日本にも奈良~平安時代頃に中国から生薬として伝来したと考えられています。採取量に限度がある上に輸入に頼っていたため杜仲は非常に高価な存在で、貴族たちに強壮強精剤として珍重されていたようです。江戸時代でもその価値は変わらず富裕層にしか手が届かない存在だったと言われています。
明治時代に試験栽培が行われたこともあるようですが、本格的な栽培が行われるようになったのは昭和50年代とごく最近のことです。桑に代わる作物として長野県で杜仲が注目され、樹皮よりも採取効率の良い杜仲の葉をお茶にすることが発案されます。動物実験では健康維持に役立つ作用があることも報告され健康茶として商品化されました。そのため杜仲茶は日本初の商品であるとも言われています。

1990年頃からは身近な缶・ペットボトル飲料としても販売され、栄養補給や健康・美容面に嬉しい働きが期待できることから健康茶の1つとして定着しました。ゲニポシド酸などの成分の働きが報告されるにつれ、メタボリックシンドローム予防やダイエットをサポートしてくれる働きが期待されるようになり「杜仲茶ダイエット」なども提唱されています。高血圧や生活習慣病が気になる方から、美容・スタイルに気を使う若い女性まで、老若男女問わず多くの方に愛されているお茶と言えるでしょう。ノンカフェインのため妊娠中の方にも支持されています。

基本データ

通称
杜仲(トチュウ)
学名
Eucommia ulmoides
別名
chinese gutta percha、eucommia leaf tea、Hardy rubber tree
科名/種類
トチュウ目トチュウ科/落葉高木
花言葉
誕生花
使用部位
代表成分
グッタペルカ イリノイド化合物(ゲニポシド酸)、リグナン化合物(ジグルコサイド、ピノレジノール)、ミネラル類、タンニン
代表効果
滋養強壮、血圧降下、コレステロール低下、中性脂肪低下、抗肥満、代謝向上、抗ストレス、抗酸化、鎮痛、抗炎症
こんな時に
高血圧・動脈硬化・生活習慣病予防、血行不良・冷え性、ストレス性の不調、脂肪蓄積予防、代謝向上、認知症予防、肌荒れ、アンチエイジング、関節炎、リウマチ、腰痛
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーバルバス
ハーブティーの味
香り味ともに青臭さと苦みあり、好き嫌いが別れる
カフェインの有無
ノンカフェイン

杜仲茶の栄養・成分・期待できる効果

杜仲茶

毎日の健康維持に

高血圧予防に

杜仲の葉に含まれれてい白い粘液の成分「グッタペルカ」には活性酸素除去作用があり、コレステロールの酸化等で粘ついた血液をサラサラにする働きが期待されています。また杜仲葉配糖体の中でも代表的な成分である「ゲニポシド酸」は副交感神経に作用し、動脈の平滑筋を弛緩させることで血管を広げる働きがあります。

血管内が狭い・血液の粘度が高いなどの問題で、血管壁に対して血液から大きな圧がかかることは血圧を高くする主要因の1つです。血液サラサラ効果が期待できるグッタペルカや血管拡張作用のあるゲニポシド酸を含む杜仲茶を飲用することで高血圧の予防・改善に役立つと考えられています。高血圧から起こるめまいや痺れなどの緩和にも良いとされています。


栄養補給・強壮に

杜仲茶というと今ではダイエット・美容などの働きが注目されていますが、平成初期までは“滋養豊富なお年寄り向けのお茶”というイメージの方が強かったそうです。滋養強壮に良いと認識されていた根底には鉄・亜鉛・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルが含まれていることが挙げられます。現在は年齢に関係なく不足しやすいミネラルを補給できるお茶として親しまれていますし、貧血気味の女性にも取り入れられています。

また杜仲葉配糖体(ゲニポシド酸など)の働きによる血行促進作用から、冷え性の緩和にも杜仲茶は役立つと考えられています。血液がスムーズに循環し体温が向上することで内臓機能や免疫力の向上も期待できますから、杜仲茶が滋養強壮に役立つお茶と言われていたのも納得ですね。


ストレス耐性アップに

ゲニポシド酸は副交感神経を活性化させる働きが期待できますし、杜仲茶は神経伝達物質の生成に関与するミネラルの補給にも役立ちます。そのためストレス耐性を高める働きも期待されており、ストレス性の不良や自律神経の乱れから起こる不調の緩和にも良いと言われています。


老化・生活習慣病予防に

杜仲茶はゲニポシド酸やリグナン化合物(ピノジェノール・ジグルコサイド)などを含み、高い抗酸化作用を持つお茶と考えられています。血流を改善することで高血圧や動脈硬化の予防に役立ちますし、ゲニポシド酸は肝機能を高めることでコレステロールや脂肪の低下作用も報告されています。

これらの働きから杜仲茶は生活習慣病の予防効果が期待できる健康茶とされていますし、肝機能を助けることからアルコールをよく飲まれる方の健康維持としても利用されています。老化予防にはローズマリーカモミール、生活習慣病予防にはプーアル茶大麦若葉茶などとブレンドして利用すると相乗効果が期待できます。


記憶力向上・認知症予防に

杜仲茶に含まれている「イリドイド」はポリフェノールやアルカロイドと並んで“食物栄養素”と呼ばれ、様々な健康メリットがあると考えられている存在です。その中には神経細胞の維持や活性化などに対しての働きも報告されており、脳機能を高めて集中力や記憶力向上・認知症の予防などに対しても効果が期待されています。

杜仲茶はイリドイド以外にも血流改善に役立つゲニポシド酸やグッタペルカなどが含まれていますから、脳梗塞等によって発症する脳血管性認知症の予防にも役立つと考えられます。タンニンやリグナンなど抗酸化作用を持つアルカロイド・ポリフェノールも含まれていますし、イリドイドにはAGE(終末糖化産物)値を低下させる抗糖化作用なども報告されていますから、多方面からの認知症予防サポートが期待できます。


美容サポートとして

むくみ・便秘改善

杜仲茶にはむくみ緩和に役立つとされるミネラル、カリウムが豊富に含まれています。カリウムはナトリウムとの相互作用で体液バランスを調整している存在で、不足するとナトリウム濃度を避けるため水分が必要以上に溜め込まれてしまいます。カリウムの補給によってミネラルバランスが整えば余剰水分は排泄されるため、むくみも改善します。またゲニポシド酸は腸の蠕動運動を促す働きがあるとされていますから、便秘の改善にも効果が期待できるでしょう。

また杜仲茶にはカリウム以外に、ピノレジノール・ジグルコサイドなど利尿作用を持つとされる成分を含んでいます。これらは尿と一緒に老廃物・有害物質の促進を促す働きもあると言われており、むくみの改善だけではなくデトックス効果もあると言われています。杜仲茶ダイエットなどで「飲んですぐに痩せた」と言われているのは、脂肪燃焼ではなく単にむくみや便秘の改善による減量の場合が多いようです。
独特の風味が気になる場合はコーン茶などとブレンドすると飲みやすくなります。


ダイエットのサポートに

杜仲茶に含まれる「アスペルロシド」という成分には胆汁酸の分泌促進・古くなった胆汁酸の排出を促進する働きが報告されています。胆汁酸は肝臓での代謝だけではなく、ホルモンのように働いて筋肉・褐色脂肪細胞での代謝を促進する働きがあり、ウォーキング1時間分の脂肪燃焼とも言われるほど高い代謝向上効果が期待されています。ヒトでの実験においてもアスペルロシド摂取による体脂肪・体重減少が報告されています。

また胆汁酸はアメリカで肥満治療などにも取り入れられていることから“痩せるホルモン”とも呼ばれている「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」という消化管ホルモンの分泌促進効果も報告されています。GLP-1は食べ物吸収速度を穏やかにする働きがあり糖質吸収抑制・血糖値上昇抑制効果が報告されている他、満腹中枢を刺激することと消化管移動速度を抑制することで食べ過ぎ防止・食欲抑制効果も期待されています。杜仲茶が食欲抑制に役立つと言われるもの胆汁酸分泌を促すことで、GLP-1の働きを高めるためだと考えられます。

そのほかにもゲニポシド酸は動物実験において血中脂質・内臓脂肪蓄積予防効果、インスリン抵抗性の正常化などの働きが認められていますし、グッタペルカにも余計な脂肪の排泄を促す働きがあるとされています。利尿作用や便秘の改善もデトックスになり、必要以上の脂肪蓄積・代謝低下の予防に繋がります。これらのことから杜仲茶は脂肪蓄積予防・基礎代謝向上・脂肪燃焼促進とダイエットに適した3つの働きが期待できる健康茶として、多くの方に支持されています。ダイエット中のストレス対策としても役立ってくれるでしょう。


美肌の維持に

不足しがちなミネラルの補給に役立ち、ジグルコサイド・ピノレジノールによる利尿作用やゲニポシド酸による蠕動運動促進作用などによるデットクス効果もあることから、杜仲茶はニキビや肌荒れ予防にも有効と考えられています。ゲニポシド酸による副交感神経活性化もありますから、ストレス性の肌荒れ緩和にも効果が期待できるでしょう。

杜仲茶には抗酸化物質も含まれていますし、近年はイリドイドの抗糖化作用・杜仲葉配糖体にコラーゲンの生成促進作用が報告されたこともあり、肌のアンチエイジングに役立つお茶としても注目されています。血流が改善されればお肌の新陳代謝も高まりますので、くすみやハリの低下が気になる方も改善が期待できるかもしれません。ダイエット&美容のため杜仲茶にレモン汁などを加えてゼラチン(コラーゲン)で固めた“杜仲茶ゼリー”などのレシピも女性に注目されています。


そのほか期待される作用

痛みの緩和に

杜仲茶は関節炎やリウマチなどの痛みの緩和にも効果が期待できるお茶と言われています。これは杜仲茶の代表成分と言えるゲニポシド酸やグッタペルカが血管拡張・コレステロール除去などに働きかけることで血液循環が改善し、血行不良から引き起こされる痛み(筋肉痛・関節痛・腰痛・リウマチ・神経痛・生理痛など)の緩和に繋がると考えられるためです。

加えてアルカロイドやタンニンにはより直接的な消炎・鎮痛作用も期待できますから、相乗して“痛み”を和らげると考えられています。高血圧や血行不良以外に起因する痛みの緩和にも効果が期待できます。中国では杜仲を鎮痛剤として利用することが認められているそうです。


糖尿病予防

GLP-1は食欲を抑えるなどダイエット面で取り上げられることが多いですが、血糖値が高い場合にのみインスリンの分泌を促進するという働きが主な作用です。そのほかに膵臓のβ細胞を増やす働き・摂取した食物の消化管移動速度を抑制する働きなども報告されており、糖尿病予防薬としても利用されています。

杜仲茶に含まれる「アスペルロシド」は胆汁酸を分泌を促進し、胆汁酸はGLP-1というホルモンの分泌を促すと考えられています。そのため杜仲茶にもインスリンの働きを高める・血糖値を降下させる効果が期待され、糖尿病予防にも役立つと考えられています。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

入浴剤として

何らかの効果を期待して杜仲茶をそのまま入浴剤として利用するというのではなく、お茶を煮だした後に茶葉の再利用として使われることが多いようです。杜仲茶を出した後の茶葉を再び乾燥させ、何パックか分を袋に入れ直して入浴剤にします。杜仲茶風呂はミネラルによる肌のキメ・滑らかさの向上、ビタミンCやタンニンなどによる皮脂分泌抑制作用などの美肌効果も期待できると考えられます。

杜仲茶の注意事項

    お茶として通常量を摂取する場合は特に問題はないとされています。