ボタニカル♪ラブ

ハーブ・生薬・スパイス…植物のチカラで日々を素敵に

イチョウ葉/ギンコウ茶
健康茶と期待される効果効能紹介

血液循環改善・認知症予防などの働きが注目される

街路樹としてお馴染みのイチョウ。ドイツを中心として様々な働きを持つ可能性が報告されており、規格を満たすイチョウ葉エキスは医薬品にも取り入れられています。日本でもフラボノイドが豊富に含まれていることやギンコライドによる血流改善効果などが報じられ、血液循環サポートとして冷え性ほか血行不良による諸症状の軽減に取り入れられています。また認知症予防効果なども報告されており、現在も様々な方面で研究が進められています。

画像:イチョウ(Ginkgo)

 

銀杏(イチョウ/ギンコウ)について

植物紹介:イチョウ

私達日本人にとっては街路樹としてもお馴染みで、秋には“黄金の葉”と称される黄色に紅葉することで目を楽しませてくれるイチョウ。漢字で書くと銀杏となり、同じ字で呼び方を変えたギンナンと呼ばれる種子(仁)はモチモチとした食感があり茶碗蒸しなどの具材や酒の肴にも使われていますね。秋になるとイチョウ並木の紅葉を見に行く・銀杏拾いに行くという方もいらっしゃるのではないでしょうか。至る所でイチョウの木を見ることが出来る私達にとっては珍しい植物という認識は少ないですが、実は中生代に繁栄したとされるイチョウ綱に属す植物の中で唯一現存する種。このことから現在まで生き残っているイチョウは「生きた化石」とも呼ばれており、絶滅危惧IB類にも指定されいます。

イチョウの原産は中国とされており、諸説ありますが11世紀頃に植林され広められていったのではないかと考えられています。1159年に出版された『紹興本草』にも紹介されているそう。また14世紀頃になるとギンナンが食用として親しまれ、15世紀にはギンナンの持つ薬効や毒性についてもある程度認識されるようになっていきます。また明の時代に記された本草書の中にはイチョウの葉の薬効について記されたものもあるそうですが、後に発刊された諸本草書を集成・増補した『本草綱目』には記載が無いため、葉の使用はあまりポピュラーではなかったようです。

日本にいつからイチョウの木があったかは分かっていません。日本でもイチョウ類の化石は発見されていますが平安期頃までそれと見られる記述がないこともあり、鎌倉~室町時代頃に中国から生薬の一種として伝えられたという説が有力となっています。イチョウという呼称の由来もまた定かではなく、葉がカモの足に似ている事から中国で「鴨脚(ヤーチャオ)樹」と呼ばれていたものが訛った・葉を蝶に見立てて一蝶と呼んでいたものが変化したなどの説があります。別名に公孫樹という呼び名もありますが、こちらは公(父)が植えたら孫の代で実がなるという意味から。

ヨーロッパではイチョウ綱の植物は既に絶滅していましたが、1692年に『日本誌』の著者であるケンペルが長崎から種子を持ち帰り、それを元に栽培されるようになったと言われています。学名や英名で使われるGinkgo(ギンコウ)という言葉は、銀杏(ギンキョウ)と書くところを誤って書いたのが定着してしまったのだとか。その他にヨーロッパでは葉のまっすぐな葉脈が乙女の髪のようだとしてMaidenhair Tree(メイデンヘア・ツリー)とも呼ばれていたそう。

日本や中国ではギンナンの利用が主体でしたが、ドイツのシュワーベ社がイチョウ葉の研究に着手し、1966年に大脳の血流改善剤としてイチョウ葉薬品「テボニン」を医薬品登録・販売したことで欧米でイチョウ葉に含まれる成分への注目が高まります。1994年にはドイツでイチョウ葉エキス製剤「EGb761」が認知症治療薬として承認されるなど、現在でもドイツやフランスでは医薬品として、アメリカでは代替医療でのハーブサプリメントとして研究が進められています。日本でも健康食品として見かけることがありますね。イチョウの葉については日本産が高品質であるとされていますが、世界的に脚光を浴びたこと・需要が増えた事で価格が高騰しヨーロッパや中国でもイチョウの栽培・採取が行われるようになっています。

基本データ

通称
銀杏(イチョウ)
別名
Ginkgo(ギンコウ)、公孫樹(コウソンジュ)、Maidenhair Tree、鴨脚樹
学名
Ginkgo biloba
科名/種類
イチョウ科イチョウ属/落葉高木
花言葉
荘厳、鎮魂、しとやか、長寿
誕生花
10月26・29日、11月21日、11月30日
使用部位
代表成分
フラボノイド類(プロアントシアニジン、カテキン、ルチン、クエルシトリンなど)、テルペンラクトン(ギンコライド、ビロバリド)、ギンコール酸
代表効果
抗酸化、血管拡張・血流改善、毛細血管強化、アレルギー抑制、収斂
こんな時に
老化(酸化)予防、血行不良、生活習慣病(高血圧・動脈硬化・脳梗塞など)予防、冷え性、血行不良による頭痛・めまい・肩こり・腰痛等、花粉症などのアレルギー軽減、むくみ、便秘、美肌
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーバルバス、ハーブチンキ、湿布、手作り化粧品
※種子は食材ギンナン(銀杏)として利用
お茶の味
薬草もしくは漢方薬のような風味、やや苦味が強く舌に残る
カフェインの有無
ノンカフェイン

銀杏の栄養・成分・期待できる効果

イチョウ葉茶(ギンコウティー)

抗酸化・血流改善サポート

血液・血流を整える

イチョウ葉の代表成分とされるテルペンラクトン(ギンコライド)には、血管や気管支を収縮させる物質であるトロンボキサンA2の働きを抑制して血管を拡張させる働きが報告されています。また血小板を凝集させる物質であるPAF(血小板活性化因子)を抑制する働きを持つ可能性も報告されています、PAFは血液中の水分を血管から外に染み出させるという働きを持つため、血液中の水分減少によって血液が濃くなりすぎて粘度が上がる=血液が流れにくい状態をイチョウ葉テルペンラクトン(ギンコライド)は軽減する働きも期待されています。

加えてイチョウの青葉には13種類のフラボノイドが含まれていることが認められており抗酸化作用を持つこと、またフラボノイドの中にはルチンやケルセチンなど毛細血管を保護する働きのある成分も含まれていることから、イチョウ葉は血管をしなやかに保つ働きも期待されています。このことからイチョウ葉は血管収縮を抑制する・血液を流れやすい状態に保つ・毛細血管を丈夫に保つという3つの方面からスムーズな血液循環をサポートする働きを持つと考えられています。血液サラサラ効果を持つと紹介されるのも血小板凝集抑制作用と抗酸化作用によるものでしょう。

日本では医薬品扱いの成分として認可されていませんが、ヨーロッパなどでは血液・血流の改善に役立つ健康茶として用いられるほか、規格を通ったイチョウ葉抽出エキスは医療用にも応用されています。ただしヨーロッパで認可されているのもイチョウ葉そのものではなく抽出物ですから、ハーブティー・健康茶として飲む場合の効果については保証されていません。あくまでの食品の一つですから健康維持・血流を整える手助けをしてくれる可能性があるかもしれない飲み物と考えるようにしましょう。


老化・生活習慣病予防

イチョウ葉には様々なフラボノイド系ポリフェノールが含まれていることから、高い抗酸化作用が期待できるハーブとしても注目されています。抗酸化物質は加齢やストレス・喫煙・激しい運動などによって過剰に発生した活性酸素を抑制することで細胞の酸化を防ぎ、筋肉や内臓など体の様々な機能が正常に働けるよう保護してくれます。本来人の体にはこの酸化を抑制する酵素が備わっていますが、加齢と共に減少してしまうため抗酸化物質を補給することで健康維持をサポートしてくれると考えられています。

活性酸素は老化ほか筆頭に様々な病気のリスクを高める因子と考えられています。中でも活性酸素が血中脂質・悪玉(LDL)コレステロールを酸化させて出来た過酸化脂質が血管壁に蓄積し、血管を狭めてしまうことで起こる動脈硬化や心筋梗塞などは代表格として挙げられています。ケルセチンなどいくつかのフラボノイドには血中コレステロール・悪玉コレステロールの低下作用を持つ可能性も報告されていますから、抗酸化作用と相乗して血栓・動脈硬化ほか生活習慣病の予防にも期待されています。血液循環を整える手助けをしてくれると考えられますから、高血圧予防に繋がるという説もあります。

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血行不良・冷えによる不調軽減

生活習慣病や血圧・コレステロールなどの数値が気にならない方であっても、血行不良は様々な不快感・不調の原因となる場合があります。女性に多いとされる冷え性はもちろんのこと、血流が滞ることによって筋肉がこわばり肩こりや腰痛などの痛みの原因となる・女性の場合は血行不良によって体が冷えて生理痛が重くなるなとの可能性も指摘されています。また頭痛・めまい・耳鳴り・手先のしびれなども血行不良が原因のケースが少なくないそう。

このため血流改善作用を持つとされるイチョウ葉茶の摂取は、こうした血行不良に起因する様々な不調軽減にも繋がると考えられています。ホットのお茶として飲むことで直接体の内側から温めることにもなりますから、相乗して冷え性の軽減にも役立ってくれるでしょう。上記でご紹介した以外にも血行不良や体の冷えは免疫力の低下を起こして風邪をひきやすくなるほか、内臓機能低下によるむくみ・便秘、自律神経の乱れなどの原因となると考えられています。はっきりした理由や原因のない「不定愁訴」と言われるような不調のある方、疲労感やだるさなどの不快感がある方も取り入れてみると良いかもしれません。


そのほか期待される作用

アレルギー症状の軽減

血小板を凝集させる物質であるPAF(血小板活性化因子)ですが、それ以外に知覚神経刺激・白血球の活性化などを誘導する働きも持ち合わせていることから炎症誘発因子ともされています。このためイチョウ葉テルペンラクトン(ギンコライド)の持つPAF活性抑制作用は花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー反応の抑制・軽減にも繋がるのではないかと期待されています。2008年にミシガン州立大学らによってイチョウ抽出物に選択的に炎症性タンパク質に関わるCOX酵素を阻害する作用が見られたとの報告もなされています。

お茶としての摂取量でギンコライドによるPAF活性抑制作用を得られるかは分かっていませんが、イチョウ葉には抗酸化作用を持つフラボノイド類が含まれています。このため炎症部に発生する活性酸素を抑制することからも症状軽減が期待できますし、フラボノイドの一種であるケルセチンには抗ヒスタミン作用も報告されています。こうしたことからまだ不明瞭な点も多いイチョウ葉茶ですが、アレルギー対策として取り入れられることも増えているようです。


デトックス・肥満予防

イチョウ葉由来テルペンラクトン(ギンコライド)の働きによって血流が良くなると考えられること・ルチンやケルセチンの働きによって毛細血管を健康に保つ働きが期待されていることから、イチョウ葉茶はむくみ軽減をサポートしてくれる可能性もあります。発汗作用がある・便通改善に良いとする説もありますが、こちらも直接的な働きかけを持つ成分が含まれているというより血行促進によるところが大きいと考えられます。

また血液循環が良くなることは老廃物の回収・分解がスムーズになることにも繋がりますので、抗酸化物質の補給と合わせてデトックスサポートにも役立ってくれるでしょう。イチョウ葉の成分に直接的な抗肥満作用を持つ可能性が報告されているものはありませんが、抗酸化作用を持つ成分が多く含まれていること・ギンコライドによる血流改善効果が期待できることから、代謝低下予防・基礎代謝向上に繋がる可能性もあります。


美肌サポートにも期待

イチョウ葉茶(ギンコウティー)はヨーロッパなどでは美容面のサポートに役立つハーブティーとしても親しまれているそうです。成分的にも13種類のフラボノイド類による高い抗酸化作用が期待できますから、活性酸素によって細胞が傷つけられて出来るシワ・たるみなどの肌老化予防に役立ってくれるでしょう。また大人ニキビの原因となる過酸化脂質の生成を防ぐ働きも期待できますし、紫外線ダメージから肌を守る働きがある可能性も報告されています。

抗酸化作用に加えてルチンやケルセチンなどのフラボノイドはビタミンCと共に毛細血管を保護・修復してくれますし、ギンコライドによって血液循環を促す働きも期待できます。こうした働きから肌に酸素や栄養がしっかりと行き渡るようになることからも、血行不良によるクマやくすみの軽減、肌荒れ予防や改善促進、肌のアンチエイジングなどに繋がると考えられます。肌荒れが気になる方はリラックス効果が期待できるパッションフラワーやリンデンフラワーと組み合わせて取り入れてみると良いかもしれません。


認知症予防について

イチョウ葉エキス製剤「EGb761」が医薬品として用いられていることから、イチョウ葉茶も認知症予防に役立つのではないかと期待されています。認知症はかつて日本で痴呆症とも呼ばれていたもので、後天的な脳の器質的障害によって脳機能・知能が低下することで様々な障害が起こる状態を指します。認知症の種類にはいくつかの種類がありますが、アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症の2つが代表的です。

このうち脳血管性認知症は文字通り脳の血管障害などによって脳の一部が壊死することで発症します。このため血小板活性因子拮抗作用・血流改善効果を持つとされるイチョウ葉エキスは、脳梗塞や脳出血を予防することから脳血管性認知症の予防に役立つと考えられています。また脳への血流を促すことから脳細胞の減少を抑制したり、脳機能を高めることで記憶力や集中力を高める働きも期待されています。

アルツハイマー型認知症が発症する原因は未だハッキリと解明されていませんが、アミロイドβ-ペプチドというたんぱく質の一種が脳内に蓄積することが関係しているのではないかと考えられています。イチョウ葉に含まれているギンコライドなどの成分にはアミロイド-βの蓄積を妨げる働きがあると考えられており、現在もアルツハイマー型認知症に対する研究が行われています。そのほか動物実験ではイチョウ葉由来テルペンラクトン(ビロバライド,ギンコライド)を投与すると酸化ストレスによる脳のダメージが優位に抑制されたという報告もなされています。

イチョウ葉茶がボケ防止に良いなどと報道されるケースもありますが、認知症や記憶力の改善に対する有効性の報告は医薬品規格を満たすイチョウ葉エキスを使用したもの。日本で食品として扱われているサプリメント類やお茶として飲む場合についての有効性はヨーロッパでも認められていませんので注意が必要です。

ギンコール酸について

イチョウ葉にはギンコール酸というアレルギー物質が含まれています。イチョウ葉を集めてイチョウ葉茶を手作りする方法が紹介されているものもありますが、自作したお茶の場合は多量のギンコール酸が含まれると考えられることが国立健康・栄養研究所より警告されています。イチョウ葉茶やサプリメントは安心できるメーカーのもの・ギンコール酸が除去されたもの購入するようにし、お茶の場合は長時間に詰めないように注意しましょう。

またイチョウ葉製剤は頭痛・腹痛・下痢・発疹などの副作用を起こすことが報告されています。症状はギンコール酸の摂取量だけではなく個人の体質・感度によるところもあり、お茶の場合も同様の症状を起こす可能性がありますので、体調の悪化を感じた場合は使用を中止して下さい。重い症状であれば病院で診察を受けましょう。

お茶以外の使い方について

スキンケア・入浴剤として

商業ベースで利用されているイチョウ葉エキス(抽出物)には保水・保湿効果や皮膚柔軟化効果があるとされています。このため皮膚を潤して肌を柔らかい状態に整える働きが期待出来る成分として、ローションなどの化粧品や入浴剤に配合されています。そのほか血行促進作用が期待できることから育毛剤に、抗酸化物質が多いことからエイジングケア系化粧品に取り入れられている場合もあるそう。

抽出されたイチョウ葉エキスほどの働きは期待できませんが、ご自宅で使用する場合でもハーブチンキを作って化粧水に加える・乾燥イチョウ葉やイチョウ茶を入浴剤として利用すると、乾燥肌やゴワゴワ肌対策に役立ってくれると言われています。人により肌に合わなかったりアレルギーを起こす可能性もあるため注意が必要ですが、基礎化粧品を手作りしている方などは加えてみても良いかもしれませんね。

銀杏(イチョウ/ギンコウ)の注意事項

  • 妊娠中・授乳中の方、子どもの使用は避けましょう。
  • 医薬品との相互作用が多く報告されていますので、服用中の薬がある方は併用を避けるか医師・薬剤師に相談のうえ利用するようにしましょう。
  • インスリン分泌に影響を与えるという説があります。糖尿病患者は摂取を控えるか医師に相談して摂取するようにしてください。
  • マンゴーなどウルシ科植物にアレルギーのある方はイチョウに対してもアレルギーを起こす可能性が高いことが指摘されています。それ以外でもアレルギーがある方は使用に注意が必要です。

健康茶

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