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ハーブ・生薬・スパイス…植物のチカラで日々を素敵に

セルフヒール/ヒールオール
ハーブティーと期待される効果効能紹介

むくみ・泌尿器ケアなどに役立つとされる

怪我をした時に自分で治せることが名前の由来とも言われるセルフヒール。古代ギリシア時代から薬草として用いられていたとも言われ、日本や中国でも近縁種であるツボクサは夏枯草という生薬として利用されています。利尿作用が期待できること・タンニンなどの殺菌消炎成分を含むことから排尿関係のトラブルにも効果が期待されています。また伝統的に肝臓に良いとされていたことと合わせてデトックス用として使われることもありますよ。

画像:セルフヒール(ヒールオール)

 

セルフヒール(ヒールオール)について

植物紹介:セイヨウウツボグサ

セルフヒールは別名ヒールオールとも呼ばれる、薬用として使われてきたことが分かる名前のハーブ。ブレンドティーやサプリメントのよう印象がありますが、シソ科ウツボグサ属に分類される多年草です。日本でも山野の草地などで見かけるウツボグサ(学名:Prunella vulgaris L. subsp. asiatica)とは近縁種にあたり、和名ではセイヨウウツボグサと呼ばれていますよ。ウツボグサとセイヨウウツボグサは植物としても非常に近い種とのため、ウツボグサの亜種・ヨーロッパのウツボクサとして紹介されることもあります。

セイヨウウツボグサ(セルフヒール)は外見もウツボクサと非常に良く似ています。どちらも茎の先端につく円筒形の花穂が特徴的で、春~夏にかけて紫色の花を咲かせます。違いとしては日本のウツボクサの方が花冠が15mm~20mmと長く、セイヨウウツボグサは10mm~15mmと短めで草丈も低めなのだそう。ただし個体差もありますから素人目には区別がつきにくいと言われるのも納得ですね。ちなみにウツボクサという和名も魚のウツボではなく、円錐形の花穂の形状が“靫(うつぼ)”と呼ばれる矢を携帯する細長い筒に似ていることが由来とされています。

セルフヒールを始めとするツボクサ類は古くからハーブ・生薬など医薬品として各地で利用されてきたと考えられています。ヨーロッパでは止血作用と治癒促進作用を持つとされ、葉の絞り汁や煎じ汁などは傷や打撲の手当にも利用されてきたと言われています。17世紀のハーバリストであるニコラス・カルペパーは「この草があれば怪我したとき自分で治せる」と言われていたことからSelf Heal(セルフヒール/自己治癒)が呼び名となったと紹介しており、傷口を閉じたいときに最適なハーブとその薬効を認めていたそうですよ。

現在ハーブ・ハーブティーとして利用されるのは主にセイヨウウツボグサの葉と茎部分ですが、古代ギリシアで活躍し薬理学と薬草学の父とも称されるペダニウス・ディオスコリデスは「花穂が人間の喉の形に似ているから、口内や喉の痛みに良い」ハーブとして処方したという伝承もあるそう。漢方ではウツボグサの花穂を乾燥した“夏枯草(カゴソウ)”が肝臓と胆嚢の働きを整える・利尿作用を持つ生薬として利用されており、日本薬局方にも生薬として収載されています。またセルフヒールはフラワーエッセンス(フラワーレメディ)としても使われており、自己治癒力のサポートなどに役立つとされているそう。

ちなみにツボクサやセイヨウツボクサは食べられる野草でもあり、セルフヒールはヨーロッパでサラダ・スープ・シチューなどに使われています。日本でもウツボクサは天ぷらやお浸し・和え物などにして食べられることがありますし、南アメリカではホウレンソウの代替物として食べられているようです。中国では水分補給・利尿による解熱作用が期待できることから夏場の暑気払いに良い健康茶として使われている地域もあるそうですよ。

基本データ

通称
セルフヒール(Self Heal)
別名
セイヨウウツボグサ(西洋靫草/空穂草)、ヒールオール(heal-all)、夏枯草(カゴソウ)、プルネラ(prunella)
学名
Prunella vulgaris(subsp. vulgaris)
科名/種類
シソ科ウツボグサ属/多年草
花言葉
協調性、優しく癒やす
誕生花
9月19日
使用部位
地上部
代表成分
ポリフェノール類(ルチン、ロスマリン酸など)、ビタミン類、ウルソール酸、プルネリン、塩化カリウム、タンニン
代表効果
利尿、抗菌、抗ウイルス、防腐、解熱、収斂、血圧降下、強壮、止血、抗炎症、創傷治癒
こんな時に
むくみ、尿道炎、膀胱炎、デトックス、夏バテ、疲労回復、風邪予防、免疫力正常化、高血圧、口内炎など
おすすめ利用法
食用、ハーブティー、ハーバルバス、ハーブチンキ
ハーブティーの味
ほのかに土っぽい香り、味は少し苦味・スパイシー感がある
カフェインの有無
ノンカフェイン

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セルフヒール(ヒールオール)の栄養・成分・期待できる効果

セルフヒールティー

デトックスサポートに

むくみの軽減に

セルフヒールや夏枯草は利尿作用をもつハーブとして利用されてきた存在で、現在でも塩化カリウムが多く含まれていることから余分な塩分や尿の排出を促す働きがあると考えられています。利尿作用を持つと考えられることからセルフヒールはむくみの軽減効果が期待できるハーブとして、ドクダミハトムギ茶などとブレンドして利用されています。利尿作用の高さから頻尿や残尿感など、排尿に違和感を感じる方に有効とする説もあります。


泌尿器感染症予防に

セルフヒールは利尿作用が期待できるハーブであることに加え、タンニンやウルソール酸など抗菌・抗炎症作用が報告されている成分も含まれています。このため腎臓炎・尿道炎・膀胱炎などの予防や改善に役立つハーブとしても取り入れられているようです。ただし現代であれば痛みなど何らかの症状を感じている場合、自己判断でセルフヒールを用いるよりも医療機関を受診することをおすすめします。セルフヒールを用いる場合は専門家の指示がある場合か、再発予防として取り入れるようにしましょう。


デトックスティーとしても

優れた利尿作用を持つハーブと考えられるセルフヒールは、尿の排出と共に体内の老廃物や毒素の排出を促すデトックス効果も期待されています。どの成分の働きによるものなのかは不明瞭ですが、便通を整えてくれるという説もあるようです。またほぼ同じ成分を含むとされている夏枯草は、漢方では肝臓や胆嚢をサポートしてくれる生薬として肝臓の機能低下や不調がある時にも用いられているそう。

肝臓は老廃物や有害物質の無毒化を担う臓器ですから、肝臓の解毒機能向上・血液を綺麗にすることに繋がる可能性もあるでしょう。ハーブティーとして飲まれているセルフヒールは葉や茎がメインなのに対し、夏枯草は花穂が用いられていますから、デトックス効果を期待する場合は花穂が主に使われているものを選んだ方が良いという見解もあります。


健康維持のサポートに

夏バテ・疲労回復に

セルフヒール(夏枯草)のハーブティーは中国では暑気払いとしても飲まれており、利尿作用によって体内に滞った熱の排出を助ける=解熱効果を持つと考えられています。中国では涼茶の中でもトップシェアの「王老吉(現在は加多宝)」に漢方成分として配合されており、夏バテ予防として広く取り入れられているそう。セルフヒールには夏場に汗と共に失われやすいミネラルとされるカリウムが含まれていますし、お茶を飲むことで水分と若干のビタミン類の補給にも繋がりますから、夏バテ対策として効果が期待できそうですね。加えてセルフヒール・ウツボグサ類は各地で強壮剤のような感覚で利用されてきたことから、疲労回復にも有効とされています。


風邪予防・アレルギー軽減に

セルフヒールにはタンニンやロスマリン酸を筆頭に抗菌・抗ウイルス作用を持つ成分が多く含まれています。このためお茶を飲むことで風邪やインフルエンザなどの感染症予防に繋がると考えられています。消炎作用も期待できるため喉のイガイガ感や痛みの軽減にも有効とされていますし、タンニンによる収斂作用から咳の軽減に繋がる可能性もあります。利尿・解熱効果も期待できるので風邪の初期症状ケアとしても役立ってくれるでしょう。

またロスマリン酸はヒスタミンの遊離放出を抑制する作用が報告されており、花粉症やアレルギー性鼻炎などのアレルギー症状軽減作用を持つ可能性が示唆されている成分でもあります。ロスマリン酸やタンニンは抗酸化作用を持つポリフェノールでもありますから、炎症部分に活性酸素が生じて起こる症状悪化を抑える事にも繋がります。ラットを使った実験ではアナフィラキシーの阻害を示したという報告もなされており、ウイルス感染および免疫学的障害の両方への有効性を持つ可能性があるハーブとしても研究が行われています。


生活習慣病予防にも…

セルフヒールは抗酸化作用を持つポリフェノール類が含まれています。活性酸素の過剰増加を抑えることは血中脂質の酸化抑制にも繋がりますから、高血圧や血栓・動脈硬化予防もサポートしてくれると考えられます。漢方もウツボグサ(夏枯草)は高血圧に良いとされています。中国医学では「肝機能低下による高血圧に良い」とされていますが、成分としても抗酸化物質の補給+塩化カリウムによるナトリウム排出効果が期待できますから血圧上昇の予防に役立つと考えられます。

加えて2007年に“Journal of Clinical Nutrition”に掲載された糖尿病誘発ラットを使った実験では、オールヒール抽出物を投与したラットに有意な血糖値上昇抑制効果が見られたことが報告されています。2012年にはアテローム性動脈硬化症の発症抑制に対する有効性があることも報告されており、抗糖尿病薬と組み合わせて摂取することで糖尿病の治療をサポートしてくれる可能性がある植物として注目されています。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

皮膚利用について

名前の由来が「この草があれば怪我したとき自分で治せる」であるとも言われるように、セルフヒール(ウツボグサ)は古くから止血用・怪我や火傷の治癒促進用として外用薬として利用されてきた歴史があります。現在でも殺菌作用や収斂・消炎作用が期待できるタンニンなどが含まれているため傷の手当にも有効とされていますが、ハーブティーや湿布を自作する場合には濃度や衛生面の問題もありますから医薬品を使用したほうが確実でしょう。

自己判断で使用すると逆にかぶれを起こしてしまったり、炎症を悪化させる危険性もあります。切り傷・火傷・炎症などに使用したい場合には、ある程度症状が落ち着いた際の治癒促進として取り入れてみるくらいの扱いがオススメです。また収斂作用によって皮脂分泌をコントロールする働きだけではなく、皮膚の水分を保護する働きもセルフヒールには期待されています。殺菌作用や消炎作用によって皮膚を健やかに保つ働きも期待できますので、入浴剤として使用されることもあります。


口腔ケアに

古代ギリシアではディオスコリデスが喉や扁桃の治療に用いていたと言われる通り、セルフヒールはうがい薬として利用することで口内炎や扁桃炎の軽減に有効とされています。チンキを水を加える・濃い目に煮出したハーブティーを使うと良いと言われています。また抗菌作用から歯肉炎や歯周病予防にも効果が期待されています。

セルフヒール(ヒールオール)の注意事項

  • 妊娠中・授乳中方や子供への安全性については十分なデータがないため使用を避けて下さい。
  • 疾患・服用中の医薬品がある方は医師に確認の上利用しましょう。
  • タンニンを多く含むため胃の弱い方は摂取に注意が必要です。また貧血気味で鉄錠などを飲んでいる場合は摂取する時間帯をずらすようにすると無難です。

参考元:The Benefits of Prunella VulgarisThe medicinal benefits of selfheal

ハーブティー

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