ゴールデンロッド
ハーブティーと期待される効果効能紹介

風邪の症状や泌尿器系トラブルの軽減に

ヨーロッパやアメリカでは古くから様々に利用されてきたハーブ、ゴールデンロッド。泌尿器トラブルや呼吸器系の不調軽減やデトックス用として取り入れられています。日本では近縁種であるアキノキリンソウやセイタカアワダチソウなど“悪者植物”という印象を持たれることも多かったものの、近年は花粉症予防に役立つのではないかとして見直されてきているほか、浸出油や入浴剤としても少しずつ活用されるようになっています。

画像:ゴールデンロッド(Golden Rod)

 

ゴールデンロッドについて

植物紹介:ゴールデンロッド

ゴールデンロットはキク科アキノキリンソウ(ソリダゴ)属に分類される植物で、小ぶりな黄色い花を沢山咲かせるのが特徴です。園芸植物としても親しまれており様々な亜種・品種がありますが、ハーブとして主に使われているのは基本亜種とされるヨウシュアキノキリンソウ(S.virgaurea subsp. Virgaurea)・別名“European goldenrod”と呼ばれる品種。そのほか日本に自生している亜種のアキノキリンソウ(S.virgaurea var. asiatica)などの亜種も若葉を食用にしたり、乾燥させて薬用植物として利用されていますし、漢方の生薬“一枝黄花(いっしこうか)”は同じく亜種のミヤマアキノキリンソウ(S.virgaurea subsp. leipcarpa)が用いられているようです。

ヨーロッパでゴールデンロッドは伝統医学において風邪・インフルエンザや咳をはじめ腎臓トラブル・皮膚疾患・傷のケアなど幅広く利用されてきた存在。薬草としてだけではなく、観賞用としてやハチミツを採取するための蜜源植物・草木染めの原料など様々に活用されてきた歴史があるようです。お家の周りに咲くと良いことがある・持っていると運命の人と会えるというような言い伝えもあるのだとか。また亜種にはなりますがアメリカ大陸でもネイティブアメリカンが解熱剤としてや、蛇に噛まれた時などに軟膏代わりに利用していたと伝えられています。

現在でもアメリカの幾つかの州では州花として指定されていますし、競馬の“ゴールデンロッドステークス”もよく知られていますね。近年はアロマテラピーで使うエッセンシャルオイル、フラワーエッセンスなどでも見かける存在ですね。ちなみにちなみにゴールデンロッド(goldenrod)=黄金の鞭という命名は美称であり、属名のSolidagoも癒やす・修復するという意味を持っているそうです。英名で言うとハーブ(薬用植物)というイメージがある一方で、日本の近縁種アキノキリンソウやセタカアワダチソウなど名前を見ると花粉症などのアレルゲン・侵略的外来種ワースト100に含まれるなどマイナスなイメージが浮かぶ方も少なくないでしょう。日本では手に入れやすく有益なハーブと言うよりは、繁殖力が強い厄介な雑草・アレルギー性植物として嫌われている存在と言っても過言ではないかもしれません。

花粉症の原因と言われ続けてきましたが、ゴールデンロッドは風媒花ではなく虫媒花であるため直接的な花粉症の原因(アレルゲン)とはなりにくいことが認められています。自然療法では花粉症予防にお茶やチンキを少量飲む・アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブル軽減用として入浴剤として取り入れられることもあるようです。ちなみにゴールデンロッド単体でティーにして飲むと苦さが強いため、お茶としては風邪や尿トラブルなどの予防やデトックスティーなどにブレンド要因として活用されています。

基本データ

通称
ゴールデンロッド(Golden Rod)
別名
ヨウシュアキノキリンソウ(洋種秋の麒麟草)、アワダチソウ(泡立草)、woundwort
学名
Solidago virgaurea
科名/種類
キク科アキノキリンソウ属/多年草
花言葉
警戒、用心、予防、安心、幸せな人生
誕生花
8月19日、10月19日
使用部位
地上部
代表成分
サポニン、タンニン、フラボノイド、精油成分、苦味質
代表効果
殺菌、抗菌、抗真菌、抗炎症、腎機能強化、利尿、結石予防、収斂、止血、発汗
こんな時に
尿道炎、膀胱炎、急性腎炎、デトックス、むくみ、咳、痰、喉の痛み、風邪予防・ケア、花粉症予防、関節痛・リウマチ・痛風予防
おすすめ利用法
食用、ハーブティー、ハーバルバス、ハーブチンキ、浸出油、精油
ハーブティーの味
グリーンさを持つハーブっぽい香り、味は苦みがある
カフェインの有無
ノンカフェイン

ゴールデンロッドの栄養・成分・期待できる効果

ゴールデンロッドティー

泌尿器系への働きかけ

泌尿器トラブルに

ゴールデンロッドはホーステールネトルなどと共に“キドニークレンジングハーブ”と呼ばれ、腎臓(キドニー)の働きを促す働きがあるハーブとして利用されています。腎機能が促されることで利尿に繋がると考えられますし、腎臓結石の予防にも効果が期待されているのだとか。加えてサポニンやタンニンによる抗菌作用や消炎作用も期待できるため、膀胱炎や尿道炎などの泌尿器トラブルの予防・軽減に役立つと考えられています。

ちなみにドイツのコミッションE(薬用植物を医薬品として利用する場合の効果・安全性の評価委員会)においても、ゴールデンロッドは泌尿生殖器関係の予防・治療に対しての有効性が認められています。またゴールデンロッドに含まれているエステルサポニンはカンジダ菌の増加抑制効果も報告されているようです。


むくみ緩和・デトックスに

腎臓は血液を濾過するフィルターのような働きを担っている器のため、ゴールデンロッドは腎機能を高めることで老廃物の排出を促す=デトックスハーブとしても取り入れられています。腎臓で除去された老廃物や有毒物質は尿として排出されますから、腎機能を高めることで排尿が促される・血液が綺麗になって血行が正常になることでむくみの軽減にも良いと考えられています。またデトックスや血液浄化に役立つことから、肌荒れやくすみ対策としても効果が期待されています。


風邪・呼吸器系の不調に

喉・鼻の不調・風邪のケアに

抗菌作用や抗炎症・収斂作用などが期待できることから、ゴールデンロッドは呼吸器(鼻・喉)の炎症軽減に対しても効果が期待されています。咳・痰・喉の痛みの軽減や鼻詰まりの軽減に役立つ他、殺菌作用があるため蒸気を吸い込むようにしたりうがい薬代わりに利用することで風邪予防にも効果が期待できます。

喉の痛みなどのケアとしては免疫保護作用に優れるとされるマーシュマロウと、風邪やインフルエンザの予防としては免疫力サポートする働きが期待できるエキナセア緑茶などとブレンドして利用されることが多いようです。ゴールデンロッドは苦味がありやや飲みにくい味をしていますので緑茶ベースで使ううことで、飲みやすさという点でもメリットが有るでしょう。


花粉症の予防に

ゴールデンロッド花粉は虫が運ぶため花粉症の原因とはなりにくいと言われていますが、花粉そのものがアレルゲンであることは間違いありません。この性質からネトルなどと同様に、花粉症の開始時期の2~3ヶ月前から少量ずつ摂取して身体を慣らすことでアレルギー反応を起こしにくく出来るでは?という説があります。

ただしアレルギーを起こしてしまう・悪化させてしまう可能性があるので、専門家のアドバイス等がない場合であれば摂取は極少量に留めるようにした方が良いでしょう。元々キク科植物にアレルギーがある方・小さいお子さんの場合は利用を避けたほうが無難でしょう。飲む前にティーとして浸出したものをコットンなどに付けて皮膚でパッチテストを行うのも、アレルギーを起こすかどうかの見極めとして使えます。


そのほか期待される作用

関節痛やリウマチの軽減に

ゴールデンロッドは腎臓の機能を活発にして老廃物や尿酸の排出を促すことで、関節痛・リウマチ・痛風などの予防にも役立つと考えられています。血液が綺麗になることに加え抗炎症作用も期待できますから、軽度の炎症であれば軽減に役立つという説もあります。


下痢止めとして

ゴールデンロッドは抗炎症作用や収斂作用を持つことから、整腸剤・穏やかな下痢止めとしても役立つのではないかと考えられています。犬がゴールデンロッド(アワダチソウ)を食べるのも、整腸作用がある・毛玉を吐き出すためなどという説があるそう。作用についてははっきりと分かっていませんが、ネイティブアメリカンも整腸剤として利用していたと伝えられて居るようです。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

入浴剤として

ゴールデンロッドや日本の路肩などに自生している近縁種のセイタカアワダチソウ(学名:Solidago canadensis var. scabra)は入浴剤として利用することでもデトックス効果が期待されています。ゴールデンロッドの茶葉もしくは空気の綺麗なところに生えているセイタカアワダチソウの花穂部分を摘み取り乾燥させたものを、布袋に入れて浴槽に浮かべるだけで良いので手軽でもありますね。

期待できる働きとしては抗菌・抗真菌作用が期待できますのでニキビや湿疹に良いと言われています。また解毒・抗炎症効果があることから民間療法としてアトピー性皮膚炎などのケアにも利用されているようです。ただしゴールデンロッド(アキノキリンソウ属の植物)がアレルゲンともなりますので予めパッチテストを行い、肌や体調に違和感があればすぐに洗い流すようにしましょう。

ゴールデンロッドの注意事項

  • 慢性の腎臓疾患がある方は利用できません。
  • キク科アレルギーがある方は使用に注意が必要です。
  • 妊娠中・授乳中の方・小さいお子さんへの利用は避け、それ以外であっても長期間の継続服用は控えましょう。