グァバ/シジュウム
健康茶と期待される効果効能紹介

花粉症ケアから糖尿病予防・ダイエットなど様々な効果が期待

暖かい地域のフルーツとして知られる“グァバ”の葉を主原料としたグァバ茶はポリフェノールとビタミンCを豊富に含み、健康面でも美容面でも様々な効果が期待される健康茶の一つです。抗酸化作用が高いことからアンチエイジングや免疫能正常化に繋がると考えられていますし、糖の吸収を抑制する働きが報告されているため糖尿病予防やダイエットサポートなどにも取り入れられています。

画像:グァバ(シジュウム)

 

グァバについて

植物紹介:グァバ(シジュウム)

トロピカルフルーツの一つとして知られているグァバ。台湾やタイ・ベトナムなどの露店ではメジャーな果物の一つとして親しまれていますし、国内であれば沖縄県でも食べることが出来ます。実際に果物を口にしたことはなくても、ジュースやお菓子のフレーバーとして見かけることもありますね。果実のグァバもビタミン含有量が多く、特にビタミンCについてはアセロラに次ぐ含有量であることから美容フルーツとして注目されています。また「葉」の部分もポリフェノールやビタミンが豊富に含まれており、お茶として飲むことで生活習慣病予防や美白など様々な健康効果が期待されています。ウコン茶クミスクチン茶と共に沖縄三大薬草茶にも数えられています。

ちなみにグアバの和名は“蕃石榴(バンジロウ)”というのが正式なようですが、生薬としては同じ漢字で“バンセキリュウ”と読まれています。沖縄県ではバンシルーやバンチュルなどと呼ぶようですが、現在は全国的に「グァバ」と呼ぶのが一般的になっています。植物分類としてはフトモモ科バンジロウ属に分類されています。身近なところであればティーツリーなどと同科に当たるためか、お茶の香りがティーツリーに似ていると感じる方も多いのだとか。

グァバとシジュウムの違いについて

ドラッグストアなどで販売されている商品にも「シジュウムグァバ茶」という様な表記をされている商品もありますし、書籍や健康茶紹介サイトなどでもシジュウム(グァバ)茶と同一のもの・別名として扱われていることが多いかと思います。反面全く別の植物であるとしている販売社さんもあり、曖昧な点が多い存在。

植物分類での呼び名から考えると「ジジュウム」という呼び名は学名のバンジロウ属“Psidium”をカタカナで書いたものですから、グァバ茶もシジュウム茶に含まれるというのは間違いないことでしょう。同じPsidium属には100以上の種類があるとされていますし、wikipediaによるとPsidium属の植物を総称して「グァバ」と呼ぶこともあるようなのでグァバ茶=シジュウム茶で概ね間違いは無いと言えます。

グァバではないとしている「シジュウム」のはコモングァバ(Psidium guajava)ではないPsidium属の植物を利用していると考えられますが、原材料植物として学名の表記まではなされていないものが多いためハッキリしない点もあります。健康茶として期待されている働きについてもグァバが良い・ジジュウムが良いなど諸説ありますが、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー対策・血糖値上昇抑制などに役立つとされるタンニンやケルセチンなどのポリフェノールはどちらにも含まれています。健康茶(食品)ですからそこまで気にする必要は無いのではないかと思います。

基本データ

通称
グァバ(Guava)
別名
ジジュウム(Psidium)、蕃石榴(バンジロウ/バンザクロ/バンセキリュウ)、蕃石榴葉(バンセキリョウヨウ)、Common guava(コモン・グァバ)
学名
Psidium guajava
科名/種類
フトモモ科バンジロウ属/常緑高木
花言葉
強健
誕生花
7月8日
使用部位
葉(※実を加えるものも有)
代表成分
ポリフェノール類(タンニン・ケルセチンなど)、ビタミン類、カリウム、精油成分(シネオール、リモネンなど)
代表効果
抗酸化、血圧降下、利尿、血糖値上昇抑制、鎮静、収斂、抗菌、抗アレルギー、抗炎症
こんな時に
生活習慣病(高血圧・動脈硬化・糖尿病など)予防、ストレス軽減、整腸、下痢止め、アレルギー(花粉症・鼻炎・アトピー性皮膚炎など)、風邪・インフルエンザ予防、肥満予防、ダイエットサポート、肌荒れ予防、アンチエイジング
おすすめ利用法
食用(果実)、健康茶、入浴剤
お茶の味
微かに青臭さと清涼感がある香り、味はやや苦味があるが薄口
カフェインの有無
ノンカフェイン

グァバの栄養・成分・期待できる効果

グァバ茶(シジュウム茶)

生活習慣病予防に

動脈硬化予防に

グァバ茶にはタンニンやケルセチンなどのポリフェノールが豊富に含まれています。ポリフェノールは活性酸素による酸化を防ぐ働きが期待できますし、グァバには同じく抗酸化作用を持つビタミンであるビタミンCも含まれています。これら抗酸化成分の働きによって血中脂質・コレステロールの酸化によるドロドロ血液を予防する血液サラサラ茶として紹介されることも多く、LDLコレステロールが酸化して血管の内側に蓄積し血管が狭められることで起こる動脈硬化血栓の予防に効果が期待されています。

またケルセチンは“ビタミンP”と呼ばれるビタミンCの働きを助ける成分でもあります。ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートする働きがある成分として美肌用として取り入れられることが多いですが、血管の結合にもコラーゲンが使われており血管のしなやかさ・強度を保持しています。グァバ茶には血管状態を保持するビタミンCとケルセチンが含まれていますから、抗酸化作用と相乗して動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞など血流関係の予防に効果的だと考えられています。


高血圧予防に

高血圧の原因の一つとして「ナトリウム過剰」が挙げられます。ナトリウムは身体の維持に必要なミネラルでもありますが過剰に摂取すると悪影響を与える成分でもあるため、血中ナトリウム濃度が上昇すると身体は水分を取り込みナトリウム濃度を低下させようとします。この際に水分(体液)量が増えることでむくみが起こったり、増えた体液で血管が圧迫されて血圧が高くなるなどの減少が起こります。高血圧予防や改善に減塩が挙げられるのもこのためです。

ナトリウムと体内でバランスを取り合っているミネラルとして“カリウム”があります。カリウムはナトリウムの排出を促す作用もあるため塩辛い食事の後のむくみ対策、高血圧予防に有効とされています。グァバは葉・果実共にこのカリウムが多く含まれていいるほか、血管や血液の状態をサポートしてくれるケルセチンやビタミンCも含まれているため高血圧予防に役立つと考えられています。


血糖値上昇抑制に

グァバの葉に含まれているポリフェノールは糖質をブドウ糖に分解する酵素(アミラーゼ)の働きを抑える働きがあり、小腸でのブドウ糖吸収率を抑える=血糖値の上昇を抑える働きがあることが報告されています。血糖値が急激に上昇するとインスリン分泌量も増えてしまうため、血糖値の急激な上昇を抑えることで糖尿病予防効果が期待されています。このためグァバ茶は血糖値が気になる方のサポート茶としても取り入れられており、特定保健用食品(トクホ)に承認されている商品もあります。


日々の健康維持に

ストレス対策に

グァバはビタミンCが豊富な果実の一つに数えられていますが、実は“葉”にもビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCはストレスを感じた時にストレス対策として分泌される副腎皮質ホルモンの合成・ドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の合成をサポートする働きも担っています。ピタミンC自体にストレス軽減・リラックス効果があるという訳ではありませんが、ビタミンCが不足することでイライラしやすいなど情緒不安定になったり、ストレス抵抗力が低下すると考えられています。

ビタミンCはストレスや喫煙などによって消費される成分ですし、摂取して2~3時間で尿中に排泄されると言われており体内に留めておけるものでもありません。そのためサプリメントなどで一度に多くの量を摂取するよりも、こまめに補給したほうが効果的であると考えられています。グァバ茶はビタミンCの手軽な補給源として役立ちますし、ハッカに似た清涼感がある香り(精油成分)にもリラックス効果があるとされていますから、より直接的なリラックス効果も期待できるでしょう。


お腹の調子を整える

グァバ茶に含まれているタンニンは抗酸化作用以外に組織を収縮させる収斂作用があります。またタンニンには抗菌作用もあり、腸内の悪玉菌のみを減らすことで善玉菌の活動を助ける=腸内環境を整える働きも期待されています。グァバ茶には善玉菌のエサとなることで腸内環境を整える働きがあるビタミンCも含まれていますから、相乗して便秘や下痢などお腹の不調改善に役立つとされています。ただし便を固める作用があるため多量飲料した場合・元々便秘気味の方の場合は摂取量に注意するようにしましょう。


アレルギー軽減に

グァバ茶に期待される働きとして“アレルギー軽減に役立つ”ということも、生活習慣病予防と並んでよく取り上げられています。アトピー性皮膚炎の軽減や花粉症対策としてグァバ茶を取り入れている方も多いようで、特に花粉症対策の民間療法として“グァバ茶”は人気トップクラスとも言われています。

グァバ茶が花粉症などのアレルギー軽減に役立つと考えられている理由として、タンニンなどのポリフェノール類・ビタミンCの抗酸化作用によって体内の活性酸素が減少し、過剰な免疫反応(アレルギー)を起こしにくくなるという事が挙げられます。ケルセチンは抗炎症作用が、タンニンには抗炎症作用や免疫力向上効果が期待されていまし、グァバ茶はヒスタミン放出を抑制するという説もあります。花粉症対策としてはミントティーネトル・甜茶などとのブレンドにもよく使われています。


風邪などの感染症予防に

グァバに豊富に含まれているビタミンCは白血球の活発化・インターフェロンの生成促進など免疫力を高める働きが認められており、抗酸化に働くことからも免疫力の低下を防ぐと考えられています。またポリフェノール類にも抗酸化作用がありますし、タンニンによる抗菌作用などと相乗して免疫力を高め、風邪やインフルエンザ予防にも役立つと考えられています。実験では食中毒菌や大腸菌などへの抗菌作用も報告されており、様々な感染症予防効果も期待されています。


美容面への働きかけ

肥満予防・スタイル維持に

食事などで糖質(炭水化物)を多く摂取した場合、血中の余剰な糖はインスリンによって脂肪として蓄積されます。血糖値を急激に上昇させなければ糖が脂肪として蓄積されにくくなりますから、ブドウ糖の吸収を抑えることで血糖値を上げにくくするグァバ茶は肥満予防に効果が期待されています。ダイエット中の方は食事と合わせてグァバ茶を飲んでみると良いかもしれません。

またケルセチンやビタミンCなどの抗酸化物質の働きにより、血液循環の改善も期待できます。血行が促されることで代謝アップに繋がりますし、豊富なカリウムと合わせてむくみ解消にも役立ってくれるでしょう。加えてタンニンやビタミンCの働きは腸内フローラの改善にも繋がりますから、間接的にではありますがデトックス・代謝アップにも効果が期待できます。


美肌・美白に

グァバ茶のポリフェノールはレスベラトロールの約4倍とも言われるほど高い抗酸化作用があると言われています。加えてグァバには抗酸化作用を持つビタミン類も豊富に含まれています。お茶にした場合は脂溶性であるビタミンA(βカロテン)やビタミンEの摂取量は微量となりますが、ビタミンCの補給源としては役立ってくれるでしょう。

抗酸化作用に加え、ビタミンCはコラーゲンの生成促進やメラニン色素生成抑制による美白・シミ予防効果なども認められています。グァバ茶にはビタミンCを安定させ働きを助けてくれるケルセチンも含まれていますから、抗酸化作用と合わせて肌のハリ保持・シミ予防など肌のアンチエイジング効果が期待できます。
タンニンなどによる抗炎症作用から肌荒れや火照りの改善、腸内環境改善・血液が綺麗になり循環が良くなることからも肌荒・クマやくす改善効果が期待できます。アンチエイジングだけではなく美肌作りのお茶としても役立ってくれるでしょう。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

入浴剤として

グァバに含まれているタンニンには抗菌・抗炎症作用や収斂作用があるため、グァバ茶を入浴剤として利用することで肌荒れやニキビ予防などに役立つと考えられます。また抗炎症作用があるため軽度のアトピーの方であれば炎症・痒みの軽減にも効果が期待されています。

グァバエキス配合の入浴剤も販売されていますから、茶葉用のグァバ葉を鍋で煮出して浴槽のお湯と混ぜ合わせて利用することも出来ます。グァバ茶そのものにも好き嫌いがありますし、メーカーによってもかなり風味が違いますのでお口に合わなかった場合の消費にも良いですね。一度お茶を出した後の茶葉(出がらし)を再利用するのもオススメです。

グァバ(シジュウム)の注意事項

  • 妊娠中の方(特に初期の方)は利用を控えましょう。
  • 低血圧・貧血の方、胃弱の方は飲用量に注意が必要です。
  • タンニンによる鉄分吸収阻害作用が考えられるため、増血剤(鉄剤)を処方されている方は医師・薬剤師に相談の上利用してください。