ジュニパーベリー
ハーブティー・精油と期待される効果効能紹介

むくみ解消やデトックスに役立つ「浄化のハーブ」

料理用ハーブとしても使用され、蒸留酒「ジン」の香りとしても知られるジュニパー。高い利尿作用、老廃物排泄促進作用を持つと考えられていことからむくみや水太りケアとしても支持されているハーブで、デトックス効果からダイエットブレンドなどにもよく配合されています。そのほかリフレッシュ・集中力向上などに効果が期待でき、お仕事中に飲むにも最適。胃腸の働きもサポートしてくれるので飲み過ぎ・食べ過ぎた後や辛い朝にも適しています。

画像:ジュニパーベリー(Juniper berry)

 

ジュニパーベリーについて

植物紹介:ジュニパー

ジュニパーはヒノキ科ビャクシン属の針葉樹で、和名は西洋杜松もしくは西洋柏槇と呼ばれています。ジュニパーベリーはその西洋杜松の実で、雌花が青っぽい色の肉質の液果となり、熟して黒茶色になるまでには2~3年もかかると言われています。ちなみにヒノキ科の植物で唯一食用になる果実のようです。

古代からジュニパーは各地の宗教的儀式において重要視されていました。古代ゲルマン民族はジュニパーを「生命の木(Tree of Life)」と考え、その香りは死者を天国へと導くと考えて死者の弔いに用いていましたし、古代ギリシアでは葬儀の際の悪霊除けとしてジュニパーを焚いたと言われています。また旧約聖書で預言者エリヤが眠った樹、新約聖書には聖母マリアがイエスを隠した樹がジュニパーではないかと言われており、中世のキリスト教社会でも「魔よけの力を秘めた木」として大切にされていました。

薬用植物としてもジュニパーベリーは古くから知られており、古代エジプトでは聖なる煙を意味する香料(薫香)「キフィ」に配合され、現代で言うところのリラックス・安眠用に利用されていました。古代ギリシャ、ローマ、アラブでは消毒薬として知られ、時代とともに伝染病予防や咬傷の治療などにも用いられるようになります。フランスの病院では、長い間ジュニパーとローズマリーの枝を燻煙して殺菌を行っていたそうです。

現在ジュニパーベリーの用途としては蒸留酒「ジン」の香りの元であることが有名です。ジンの独特なスパイシーな香りこそ、ジュニパーベリーの香りなのです。日本では料理用として使われることは少ないですが、ハムやベーコンのソミュール(漬け込み液)やレバーベースト・パテなど主に肉の臭み消しとしての利用、ドイツ料理のザワークラウト(キャベツの漬物)の香り付けなどに用いられてます。

基本データ

通称
ジュニパーベリー(Juniper berry)
別名
西洋杜松(セイヨウネズ)、西洋柏槇(セイヨウビャクシン)、コモン・ジュニパー(Common Juniper)、ワコルダー(Wacholder)、杜松子(トショウシ)
学名
Juniperus communis
科名/種類
ヒノキ科ビャクシン属/常緑高木
花言葉
保護、救い、思いやり
誕生花
使用部位
果実
代表成分
精油(α-ピネンボルネオール、シトロネロールなど)、フラボノイド類、タンニン、ビタミン類
代表効果
抗菌、利尿、尿路殺菌、発汗、健胃、消化促進、駆風、解毒、抗リウマチ、収斂、強壮
こんな時に
むくみ・水太り、デトックス、膀胱炎、尿道炎、関節炎、リマウチ、通風、食欲不振、消化不良、腹部膨満感、発熱、脂性肌、ニキビ
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーバルバス、ハーブチンキ、浸出油、湿布、スチーム吸引、手作り化粧品、料理用ハーブ(香辛料)、精油
ハーブティーの味
ウッディーでやや樹脂っぽさのある香り、味はややスパイシー感がある
カフェインの有無
ノンカフェイン

ジュニパーベリーの栄養・成分・期待できる効果

ジュニパーベリーティー

むくみ改善・デトックス

むくみ・泌尿器系トラブルに

ジュニパーは利尿・発汗作用から体内に貯留している余分な水分の排泄を促す働きに優れているとされ、むくみや水太りのケアに用いられています。ダンデライオンティー(タンポポ茶)とブレンドして利用されることが多いハーブです。むくみによる体の重さやだるさの改善にも効果が期待出来ます。

また利尿作用に加えて殺菌作用もあることから、膀胱炎、尿道炎などの尿路感染症の予防やケアにも用いられています。同じく利尿・殺菌作用のあるヤロウや、高い抗炎症作用が期待できるカモミールなどとブレンドして利用しても良いでしょう。尿路感染症のケアに用いるにしてもハーブティーは飲みすぎず、お水や白湯で水分をきちんと摂るようにしてください。


デトックス(老廃物促進)に

体内の老廃物や毒素を排出すると言われており、デトックスやアルコールを飲み過ぎたあとの二日酔い対策などにも役立ちます。またタンニンやフラボノイドなど抗酸化作用をもつポリフェノール類を含んでいますので、血中コレステロールの酸化を防ぎ血液をサラサラにして血行を改善してくれる効果も期待出来ます。

老廃物の排泄を促進するデトックス作用・血液循環をスムーズにする働き、むくみ解消効果が複合することで、代謝低下予防などダイエット面においても効果が期待されています。


循環不良による痛みに

尿酸や毒素の排泄を促すこと、抗酸化成分による血液サラサラ効果などからジュニパーベリーはリウマチ・痛風・関節炎などの改善にも役立つと考えられています。リウマチや痛風の緩和にはローズマリーメドウスイートなどとのブレンドもオススメです。


そのほか期待される作用

お腹の調子を整える

ジュニパーは胃健・消化促進など胃腸機能のサポートにも有効とされており、特に食べ過ぎ・油っぽい食事の後ににハーブティーを飲むと消化促進や胃もたれ予防に役立つと言われています。

胃腸機能の働きを高めることで食欲不振にの回復にも効果が期待できますし、ティー以外に実をワインに浸したものは食欲増進に役立つといわれています。また老廃物・毒素の排出を促す働きと合わせて腹部膨満感(腸内ガスによるお腹のハリ)の改善にも用いられています。


リフレッシュ・集中力に

ジュニパーベリーに含まれている芳香成分の主成分は森林浴効果・強壮作用があるとされる「α-ピネン」を筆頭としたモノテルペン炭化水素類です。清涼感ある香りで神経を強壮し、頭のモヤモヤをクリアにして集中力向上に有効とされています。

また精神疲労やストレスで落ち込んだ気分をリフレッシュさせることで、新しいことにチャレンジしたり前向きになることも助けてくれます。仕事中・勉強中など集中して頑張りたい時に適したハーブティーと言えるでしょう。


肌荒れ予防に

むくみ解消・血液を綺麗にして循環をスムーズにする働き・デトックス作用などからジュニパーベリーは肌荒れ予防にも効果が期待出来ます。またタンニンによる皮膚の保護作用や引き締め効果からニキビ予防、タンニン・フラボノイドなどのポリフェノール類の抗酸化作用による老化予防効果も期待出来ます。

ただしタンニンは摂りすぎると便秘になることや鉄分吸収を阻害するというデメリットもあります。ジュニパーベリーティーは長期利用を控えるべきハーブですが、一日に飲む量も過剰にならないように気をつけてください(~3杯程度)。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

スキンケアに

ジュニパーベリーには優れた殺菌作用があります。またタンニンを含んでいるため収斂作用(肌・毛穴を引き締める働き)や抗酸化力があり、メラニン産生による美白効果なども報告されています。これらの働きから脂性肌やニキビ予防・ケア、シミやたるみなどのエイジングケアにも効果が期待出来ます。

ニキビや水虫にはハーブティーをコットンなどに含ませたものを当てておくと良いと言われています。上記作用に加えデオドラント(消臭)作用もありますので、頭皮からボディまで全身のケアに役立ってくれるでしょう。


ハーブバスに

ジュニパーベリーのドライハーブや精油を入浴剤代わりに利用することで、入浴効果と相乗してむくみ解消・デトックス効果が期待でき、ダイエットにも役立ってくれるでしょう。デオドラントにも役立ちます。

また収斂作用や殺菌作用から脂性肌やニキビの予防に役立とされ、湿疹・吹き出物・水虫・痔などの改善にも効果が期待出来ます。ただし精油は高濃度だと皮膚刺激がある場合があるので入れすぎず、数滴、ふんわり香りがする程度にしましょう。


ジュニパーベリー精油に期待される作用

浸出油の場合はそのまま利用することもできますが、精油をスキンケアやマッサージに利用する場合は必ず希釈して利用してください(協会によって精油希釈濃度の基準は異なりますが、肌に使用する場合は概ね1%以下が安全とされています)。精油の経口摂取は出来ません。

心への作用

ジュニパーベリーの精油は「心を浄化する香り」とも称されるほど、ネガティブな感情や神経疲労などを洗い流す作用に優れています。リフレッシュ効果に優れており、冷静さ・集中力を高める働きも期待できますから、勉強中・仕事中など活動時にも役立つ香りと言えます。また気持ちを落ち着け心を強壮する働きがあり、困難を乗り越えるために踏ん張りたい時にも適しています。

ジュニパーベリーの精油は「ジンの香り」とは少々異なる、甘みのあるウッディーな香りが特徴で、男性用香水などにもよく用いられています。濃密なウッディー感ではなく爽やかでライトな香りですので女性のお部屋にもよく合います。対人関係におけるストレス・緊張・消耗などに対して効果を発揮すると言われていますから、ジュニパーベリーは現代人・社会人の心強い味方としても愛されていますよ。


体への作用

利尿・発汗・解毒(老廃物排泄促進)作用に優れ、デトックスに有効とされています。またジュニパーベリーの精油は血行促進作用から体を温める働きにも効果が期待されており、血液・リンパ液の循環を整えて冷え・むくみの解消にも役立つと考えられています。デトックス効果からダイエットサポートとしてもよく用いられます。

またヨーロッパの病院で使われていた歴史があるとおり、抗菌・抗感染作用などがあるためジュニパーベリーは風邪・インフルエンザ予防や初期症状のケアにも用いられています。精油の場合はアロマディフューザーなどでお部屋に拡散しやすいですし、TPOを選ばない香りですので空気浄化用には精油を用いた方が手軽です。

ジュニパーベリーの注意事項

  • 妊娠中・授乳中の使用は避けましょう。
  • 腎臓・肝臓疾患がある方は使用できません。
  • 一ヶ月以上の継続利用は控えるようにしてください。