ジャーマンカモミール
ハーブティー・精油と期待される効果効能紹介

様々な効果が期待される西洋の万能薬「母の薬草」

ノンカフェインであり、甘酸っぱいようなフルーティーな香りからファンの多いカモミールティー。カモミールと呼ばれる植物にはいくつか種類がありますが、ハーブティーとして一般的に使われているのはジャーマンカモミールです。アピゲニンによって気持ちを落ち着ける働きや心地よい眠りをサポートしてくれる可能性があることが報告されていることもあり、リラックスティーとしても親しまれていますね。近年はルテオリンやアズレン誘導体(カマズレン)の働きからアレルギー対策としても注目されています。

画像:ジャーマンカモミール

 

ジャーマンカモミールについて

植物紹介:カモミール

ノンカフェインであり、甘酸っぱいようなフルーティーな香りにもファンが多いカモミールティー。自然療法や民間療法的な働きを求めて取り入れると言うよりは、カモミールティーの優しい風味を味わうことでリラックスしたいという方のほうが多いのでは無いでしょうか。欧米のようにハーブティーを飲む習慣がないと言われている日本でも、ラベンダーと同じか、ハーブティーとしてはそれ以上に親しみのある存在と言えますね。ヨーロッパでは更にポピュラーで、小さい子供からお年寄りまで飲めるなハーブティーの一つとして愛されているのだとか。余談ですが、動物達のキャラクターが可愛らしいビアトリクス・ポターの児童書『ピーターラビット』にもお母さんウサギがカモミールティーを淹れる場面がありますよ。

そんなカモミールは“ヨーロッパで最も歴史のある民間薬”とも称されるように、非常に古くから人々に利用されてきたハーブの一つでもあります。ところでハーブとして利用される、(薬用)カモミールと呼ばれる植物にはジャーマンカモミールとローマンカモミールの二種類があります。この二つは風味や用途・植物としての外見も似た存在ですが、同じキク科ではあるもののジャーマンカモミールはMatricaria属(シカギク属)、ローマンカモミールはAnthemis属と別属であり近縁種と言えるほど近い種でもありません。

ハーブティーで単に「カモミールティー」と呼ぶ場合には“青りんごのような”と称される風味を持ち、苦味の少ないジャーマンカモミールの花を原料としたものを指すのが一般的です。ローマンカモミールを原料としたハーブティー(カモミールティー)も存在していますが、こちらは香りに若干のクセがあり、苦味も強いためお茶としては人を選ぶ存在。しかしアロマテラピーなどで使われる花を原料に抽出された「精油」となると、逆にローマンカモミールの方が“青りんごのような”香りを持つ香料としてポピュラーです。ジャーマンカモミールの場合は煮詰めた薬草のような独特の香りあり人を選びますが、精油に含まれているアズレンと呼ばれる青い炭化水素が抗炎症作用を持つとして一定の人気がありますよ。またジャーマンカモミールは薬用植物を医薬品として利用する場合の効果・安全性の評価を行っているドイツのコミッションEにおいて治療目的での使用が承認されていますが、ローマンカモミールは未承認ハーブとして記載されています。

同じく「カモミール」と呼ばれるジャーマンカモミールとローマンカモミールには他にも違いはありますが、ここでは「カモミールティー」として一般的に使われているジャーマンカモミールの方を中心にご紹介させていただきます。ローマンカモミールの方は16世紀以降に使用や栽培が広まったと考えられていますので、断定はされていませんが4000年以上も昔の古バビロニアで薬草として用いられていた、クレオパトラが安眠の薬として利用していたという伝承もジャーマンカモミールを指している可能性が高いでしょう。古代エジプトでは高貴な女性が美容用として用いていた・癒やしの力が強いことから太陽に捧げるハーブとしいたとも伝えられています。またタイムやフェンネルと共に、古代アングロ・サクソン民族が「9つの聖なるハーブ(Nine Sacred Herbs)」として重用したハーブの一つでもあつと考えられています。

ジャーマンカモミールが属すシカギク属の属名Matricariaというのも、子宮を意味するラテン語“matrix”が語源であると考えられています。古代ギリシアの医師が婦人病に処方していたという話もありますし、古くは家庭でも月経痛などの女性特有の症状緩和に良いハーブとして用いられていたそう。このためかカモミールは「Mothers Herb(母の薬草)」と称されることもあるようですよ。ちなみにカモミールという呼び名の方は古代ギリシア語で“大地のりんご”を意味するChamomaela(シャモネラ/カマイメーロン)という言葉が語源とされ、和名の加密列はオランダ語のkamille(カーミレ)が日本に伝わってカミッレ→カミツレという変化して定着したと言われています。

基本データ

通称
ジャーマンカモミール(German chamomile)
別名
カモマイル、カモミーユ、加密列(カミツレ/カミルレ)、母菊(ハハギク)、西洋甘菊(セイヨウカンギク)
学名
Matricaria recutita
科名/種類
キク科シカギク属/1年草
花言葉
親交、仲直り、逆境に負けない、逆境の中の活力
誕生花
4月27日
使用部位
代表成分
フポリフェノール(アピゲニン、ルテオリン、カマメロサイドなど)、精油(マトリシン/アズレン誘導体、ビサボール、ファルネセンなど)、クマリン類、タンニン
代表効果
鎮静、催眠、筋肉弛緩、鎮痙、抗炎症、抗酸化、抗糖化、抗菌、免疫機能向上、抗アレルギー、治癒促進
こんな時に
ストレス、不安、緊張、不眠、更年期・PMS(月経前症候群)による気分変動、過敏性腸症候群、胃痛・胃炎、腹部膨満感、アンチエイジング、風邪・インフルエンザ予防、花粉症などのアレルギー症状緩和、肌荒れ
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーバルバス、ハーブチンキ、浸出油、湿布、スチーム吸引、手作り化粧品、精油
ハーブティーの味
青りんごをフローラルにしたような甘めの香り、味はサッパリめ
カフェインの有無
ノンカフェイン

ジャーマンカモミールの栄養・成分・期待できる効果

カモミールティー

リラックスティーとして

気持ちを落ち着ける手助けに

フローラルな香りをベースにちょっぴり甘くフルーティーな雰囲気もある、優しげな香りのカモミールティー。ふわりとした優しい風味のジャーマンカモミールは古くから気持ちを落ち着かせる作用があると考えられており、経験的にリラックスティーや民間医療における鎮静剤として利用されてきた歴史があります。このため現在でもストレスや不安を感じている時に“心”を宥めてくれるハーブティーとしてカモミールが親しまれているようです。

近代の研究でもカモミールに含まれているフラボノイドの一つで、香りの構成物質でもある“アピゲニン(Apigenin)”には興奮性神経伝達物質やホルモンの心身への影響を軽減する働きがあると考えられていますし、交感神経の興奮を鎮める働きがあるとも言われています。実験でもドーパミンとセロトニンの作用を調節する可能性が示唆されているため、カモミールティーは抑鬱状態の軽減、ストレスや不安・緊張・イライラなどの精神的不快感緩和効果が期待できるハーブティーとして広く親しまれています。

こうしたジャーマンカモミール・カモミールティーの作用については十分な根拠がないこともあり、有効であると断定されているものではありません。しかし心地よい香りと味を楽しめるハーブティーでもありますから、リンデンフラワーレモンバーベナなど柔らかい香り、かつリラックス効果が期待できるハーブティーと組み合わせて取り入れてみても良いでしょう。心の疲労を感じている時などにリラックスタイムへの切り替えを手助けしてくれるかも知れません。また生理前・生理中のイライラが気になる女性などでも、薬ほど強いものでは無いため気軽に取り入れやすいというメリットがありますね。

ちなみに、ちょっと変わったカモミールの話。17世紀イギリスで活躍した薬剤師(ハーバリスト)のニコラス・カルペパーがハーブと12星座を結びつけた際に、カモミールを“太陽のハーブ”として明るさや自分らしさを取り戻したい時に良いと考えていたなんて逸話もありますよ。


安眠のサポートとして

カモミールティーは寝付きが悪い時のサポートとしても親しまれている存在。カモミールが安眠のサポーターとして優れていると言われているのは、フラボノイドの一つである“アピゲニン”が脳や神経の興奮を鎮めてくれると考えられていること・ベンゾジアゼピン様催眠活性を示すためであるという見解が主流となっています2005年に行われた睡眠障害ラットを使った実験でもベンゾジアゼピン様催眠活性を有するハーブであるという報告がなされています。

よくカモミールは催眠作用=眠りを誘う作用を持つハーブであると紹介されますが、これは上記のベンゾジアゼピン様催眠活性と呼ばれる働きを指していると考えられます。ベンゾジアゼピン様というのはGABAの脳内作用を高めて脳に鎮静効果をもたらすことを指していますが、カモミール抽出物の場合はベンゾジアゼピン系抗不安薬・ベンゾジアゼピン系睡眠薬のような依存性がないということもメリットと言えるのだとか。産後睡眠に不調を抱える女性80名を対象に行なった台湾の実験では産後の女性のうつ病の症状・睡眠の質を高める可能も示唆されています。

カモミールが不眠症に対して有効であるというには証拠が不十分とされてはいますが、現在も各国でその有効性が研究され続けている有望ハーブではあります。また子供にも利用できると言われる作用の穏やかさ・伝統的に安眠のハーブとして利用されてきたこともあり、現在でも一時的な睡眠トラブル対策として取り入れる方が多いようです。カモミールティーに限ったことではありませんが、カフェインが含まれていないというのも睡眠前に摂取する飲み物として評価されている理由と言えますね。


身体のリラックスにも

カモミールティーは気持ちを落ち着けるだけではなく、神経や筋肉の緊張を解す働きも期待されています。こちらもフラボノイドの“アピゲニン”による鎮静作用によって交感神経の過剰な興奮が抑えられる=筋肉や血管もリラックスした状態になるからであると言われています。またアピゲニンや、同じくカモミールの香りを形成する精油成分であるα-ビサボロールには鎮痙作用と呼ばれる、痙攣を抑える作用があるとも言われています。こうした成分の働きと合わせて緊張によって起こる手足の震え・ストレス性の胃痛などの軽減に良いという説もありますよ。


身体の健康維持のサポートにも

胃腸トラブルの軽減に

カモミールは鎮静を持つアピゲニンに加えて、α-ビサボロールやルテオリン、アズレン誘導体(カマズレン)など抗炎症作用を持つと考えられる成分が含まれていることから胃腸トラブルの軽減にも利用されています。ちなみにカマズレンは植物そのままの状態ではほとんど含まれておらず、セスキテルペンラクトンの“マトリシン(matricin)”という形で含まれています。これが水蒸気蒸留される過程でカマズレンへと変化することが認められています。ジャーマンカモミールティーの水色は薄茶色をしていますが、精油はインクを溶いたような青色をしているのも、マトリシンからカマズレンへの変化によるものです。

花を乾燥したハーブティーにはアズレン誘導体(カマズレン)はほとんど含まれていないと考えられますが、微量のアズレン誘導体が含まれているので何らかの働きを持つという説もあります。カマズレンだけではなくα-ビサボロールやルテオリンによる抗炎症作用があるため消炎効果を発揮するのだ、という見解もありますが、実のところ作用秩序や人に対しての有効性は分かっていないというのが現状です。それでもカモミールが胃腸ケアに用いられているのは伝統的に「お腹の不調に良いハーブ」として使われてきたことや、ラットを使った実験ではカモミール抽出物の投与で抗下痢や胃潰瘍・消化性潰瘍の抑制効果が見られたという報告がなされているためでしょう。

こうした実験の結果からカモミールは胃炎や胃潰瘍の炎症を鎮める・胃腸の粘膜修復に役立つ可能性があるハーブであると考えられ、消化器系の不調全般に用いられています。特に過敏性腸症候群(IBS)や胃痛などストレスが起因となる不調に用いられることが多いものの、吐き気・胃もたれ・腹部膨満感・乗り物酔い・下痢などストレス性以外の症状にも広く使われています。乗り物酔いの時はペパーミント・神経性の胃痛や胃炎予防にはレモンバームなど、お悩みに合わせてブレンドしやすいのも嬉しいポイントですね。


アンチエイジング(抗酸化・抗糖化)に

カモミールに含まれているアピゲニンやルテオリンというのは、フラボノイド系ポリフェノールに分類される成分でもあります。こうしたフラボノイドは上記でご紹介した特徴的な作用を持つ可能性が期待されているだけではなく、抗酸化物質として働くことで私達の身体を活性酸素などのフリーラジカルから守ってくれる働きも持ち合わせています。細胞の酸化は様々な機能の低下・老化の原因になることが指摘されていますから、カモミールティーはアンチエイジングにも一役買ってくれるハーブティーと言えますね。加えて近年はカモミールに含まれている「カマメロサイド」というポリフェノールに、抗酸化作用だけではなく抗糖化作用が見られたという報告がなされたことからも注目を集めています。

糖化というのは酸化と同等以上に老化の原因になると考えられている現象で、摂取した糖が余剰な場合にタンパク質と結びつき変性することを指します。この変性物質はAGEs(Advanced glycation end products/終末糖化産物)と呼ばれており、酸化が“身体のサビつき”と表現されるのに対して、糖化は“身体のコゲつき”と表現されています。臓器やコラーゲンなど肌の成分まで様々な部分にタンパク質は含まれています。糖化によってこうしたタンパク質が変性すれば組織が脆くなりトラブルの発症リスクを高めますし、美容面でもタンパク質が焦げ付く=茶褐色がかることで肌が黄ばんだようなくすみを起こすことが指摘されています。カモミールの摂取はこうした糖化反応の一部を予防してくれると考えられることから、内側からのアンチエイジングサポートにも効果が期待されています。


心疾患・糖尿病予防に

カモミールの持つ抗酸化作用や抗糖化作用は細胞を若々しく健康に保つサポートをしてくれることから、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防にも繋がる可能性があります。また、いくつかの動物実験ではカモミールティーに血糖値の上昇を抑える可能性があることも報告されています。2型糖尿病64人を対象におこなった実験でも8週間食事の直後にカモミールティーを摂取したグループは、水を摂取したグループに比べて総コレステロール・悪玉(LDL)コレステロール・血清インスリン値などに改善が見られたことが報告されています。


免疫サポート・風邪予防に

ヨーロッパで古くからカモミールティーは風邪予防、特に子供の風邪対策に民間薬として用いられてきました。カモミールティーが風邪予防に良いとされる理由としては抗菌作用を持つ成分が多く含まれていることが第一に挙げられますが、そのほかにもフラボノイドの抗酸化作用による免疫機能正常化・ルテオリンなどによる抗炎症作用も関係しているのではないかと考えられています。

ただし風邪予防や症状軽減効果については根拠不足であるという指摘も多くありますし、免疫力向上作用や風邪予防に対しての有効性は分かっていません。ヨーロッパの民間療法ではカモミールティーを作ってその蒸気を吸い込むようにすると喉の痛み・鼻詰まり・鼻水などの軽減に良いとされていますが、こちらについても効果を実感するかどうかは個人差があるでしょう。風邪やインフルエンザが気になる時期にはエキナセアヤローなどとブレンドして用いられることも少なくありませんが、過信は避けましょう。


そのほか期待される作用

アレルギー軽減に

ジャーマンカモミールに含まれているアピゲニンやルテオリンなどのフラボノイドは、アレルゲンに対する免疫応答を調節する働き=抗アレルギー作用を持つ可能性が報告されている成分でもあります。特にルテオリンはフラボノイドの中でも抗炎症・抗アレルギーに優れていると考えられており、アレルギー反応を引き起こす物質(酵素)「ロイコトリエン」の産生を抑える働きも認められています。このためカモミールティーの摂取も花粉症などのアレルギー軽減に繋がるのではないかと期待されています。

ただし人によってはカモミールにアレルギーを起こす場合があることも報告されており、特にブタクサなどキク科植物にアレルギーを持っている方はカモミールに対してもアレルギー反応を起こすことが多いことが認められています。米国食品医薬品局(FDA)では“GRAS(generally recognized as safe/一般に安全と認められる)”リストに含められていますが、アレルゲンとなり得る植物であるということも念頭に置いておくようにしましょう。


美肌作りのサポートに

抗酸化作用や抗糖化作用が報告されているカモミールは、お肌を若々しく綺麗に保つサポーターとしても取り入れられています。抗酸化・抗糖化作用によって肌のシワやたるみ・くすみなどの予防効果が期待できますし、ストレス対策や睡眠の質を高めてくれる働きからも肌荒れ予防に繋がるでしょう。カモミールとは別の方向から美肌にアプローチしてくれるローズヒップローズマリーなどと組み合わせた、美肌サポート系のブレントティーも販売されています。


生理痛軽減・体を温める働きも期待…

カモミールは生理痛の軽減に役立つハーブとして紹介されることもあります。生理痛の軽減に役立つとされるのはアピゲニンなどの働きで子宮周りの筋肉を弛緩させる(強張り・痙攣を軽減する)働きが期待できることと、体を温める作用があると考えられていることが大きいようです。この二つの働きから生理痛、特に冷えによって重くなる生理痛や月経不順の軽減に役立つとも言われています。

しかし「カモミールティーには体を温める作用がある」という主張の根拠はハッキリしていません。おそらくフラボノイドなどの抗酸化物質によって血流が良くなること・交感神経の緊張を鎮めることと関連していると推測されますが、何らかの実験などで体温向上が報告されている形跡もありません。民間医療の中で培われた経験的なものである可能性が高いため、過度な期待は避けたほうが良いでしょう。ただしリラックス効果が期待できるティーであり、鎮痙・抗炎症作用を持つ成分も含まれていますから、月経前後や更年期障害に伴う膨満感・不安・不眠・気分変動などの女性特有の不調軽減に役立つ可能性はあります。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

髪・肌のサポーターとして

後記のアズレン誘導体(カマズレン)を多く含む精油の方が効果は高いと考えられていますが、カモミールジャーマンのティーやチンキにも若干の抗炎症作用があると言われています。加えて抗菌作用を持つ成分が含まれていることからニキビ予防に効果が期待されていますし、かゆみを抑える働きを持つと考えられることから敏感肌やアトピー性皮膚炎用の入浴剤や化粧品にも原料成分の一つとして配合されています。

またジャーマンカモミールには抗酸化作用を持つポリフェノールが多く含まれています。このため外側から利用した場合でも肌のアンチエイジング・エイジングケアに役立つと考えられています。手作りチンキなど自身で抽出したものの有効性はあまり期待できませんが、カモミールエキスはメラニン色素生成を指示するエンドセリンの働きを抑制することから美白成分として医薬部外品の化粧品にも配合されていますよ。

こうした理由からジャーマンカモミールは何らかの形で美肌作りをサポートしてくれるハーブと考えられており、カモミールティーをそのまま化粧水として利用している方も多いようです。カモミールは伝統的に髪に艶を出す働きがあるハーブとしても用いられていたため、カモミールティーをリンス代わりに髪に付けるという方法もあります。抗炎症作用から頭皮のかゆみ・フケなどの予防に良いとも言われていますよ。


身体の痛み・コリのケアにも

カモミールの抗炎症作用は皮膚炎症だけではなく、関節炎やリウマチなど皮膚下の炎症を抑えるためにも活用されています。そのほか首や肩の凝り・腰痛・生理痛など様々な痛みの軽減に役立つと言われていますが、科学的な根拠や有効性を認める実験報告はほとんどどありません。民間療法の一つというところでしょうか。

精油を希釈したものを使った方が効果が高いという説もありますが、濃い目に煮出したハーブティーに布を浸して温湿布を作る方法がポピュラー。また一度ハーブティーを作るために使った“出涸らし(茶殻)”を捨てずに、お茶パックに入れて入浴剤として使うことも出来ます。どちらも一度ハーブティーを飲んだ後の茶殻を使うことが出来ますし、ふんわりと優しい香りによる癒やし効果も期待できますので、再利用法を兼ねて試してみても良いかも知れません。


カモミール・ジャーマン精油に期待される作用

浸出油の場合はそのまま利用することもできますが、精油をスキンケアやマッサージに利用する場合は必ず希釈して利用してください(協会によって精油希釈濃度の基準は異なりますが、肌に使用する場合は概ね1%以下が安全とされています)。精油の経口摂取は出来ません。

心への作用

精油の場合はローマンカモミールのほうがポピュラーであると言われるように、ジャーマンカモミールの香りはかなりクセがあります。薬草や漢方薬をイメージさせる独特の香りではありますが、こちらにも心を落ち着ける鎮静作用・安眠作用があると考えられています。イライラや興奮を落ち着けるのに適していると言われていますが、フルーティーで軽めのカモミール・ローマンにも同様の働きが期待されていますから、香りを楽しみたい場合はジャーマンに拘る必要はないでしょう。お好きな香りの方を選ぶようにして下さい。


体への作用

鎮痛作用を持つ精油と考えられており、胃痛や腹痛・消化不良による下痢など消化器関係のトラブル改善に有効とされています。また妊娠中の使用は禁忌とされていますが、反面通経作用(月経を促す作用)を持つ可能性があることから月経不順の緩和に良いという説もあります。鎮痛作用と合わせて生理痛軽減のマッサージに使用されることもあるそうです。そのほかジャーマンカモミールの精油には白血球の生産を促進して免疫力を高める=免疫力向上作用を持つとする説もあるため、風邪・インフルエンザなどの感染症予防に効果が期待できる精油の一つに数えられることもあります。


皮膚利用について

水蒸気蒸留されたジャーマンカモミールの精油はアズレン誘導体(カマズレン)を多く含むことが注目されています。マトリシンから蒸留の過程で変化する物質で、「アズレンブルー」や「カモミール・ブルー」と呼ばれる綺麗な青色の元となる成分ですね。このカマズレンは抗炎症作用・抗アレルギー作用・皮膚組織再生作用があると考えられており、湿疹などの様々な皮膚炎症やかゆみの軽減に効果が期待されています。

カモミール抽出物を用いた実験ではアトピー性湿疹の治療においての有効性を示すものもいくつかあり、かゆみを抑えてくれる働きがあることと合わせて、精油を使って保湿クリームなどに利用する方もいらっしゃいますね。しかし学術的研究は少なく、湿疹や皮膚ケアに対する有効性については十分な根拠がありません。またジャーマン・カモミールの精油は皮膚炎症抑制に良いと言われていますが、アレルギーを起こす原因ともなるため使用には注意が必要です。適切に希釈した場合でも、まずは炎症を起こしていない皮膚の厚い部分からパッチテストを行って下さい。

ジャーマンカモミールの注意事項

  • 疾患がある方・医薬品を服用中の方は自己判断での使用を避けましょう。
  • キク科植物にアレルギーがある方は使用に注意が必要です。
  • 妊娠中や授乳中にも飲用できるハーブティーとされていますが、妊娠中・授乳中・幼児への安全性は確立されていないため注意が必要です。精油の使用はしないでください。
  • 車の運転など集中力が必要なシーンでの使用は控えましょう。

参考元

Chamomile: A herbal medicine of the past with bright future
5 Ways Chamomile Tea Benefits Your Health