パパイアリーフティー/パパイヤ葉茶
健康茶と期待される効果効能紹介

酵素と抗酸化物質を豊富に含む健康茶として注目

パパイン酵素やキモパパイン・カルパインなどの酵素類を含み消化を助ける働きが高いと考えられているパパイア。葉を原料とするパパイアリーフティーも消化サポートに有効とされる他、ポリフェノール・β-クリプトキサンチン・イソチオシアネートなどの抗酸化物質も豊富に含むことから様々な健康効果が期待されています。免疫機能を整える働きや生活習慣病・ガンなどに対する有効性も研究されています。

画像:パパイア

 

パパイアについて

植物紹介:パパイア(葉)

トロピカルフルーツの一つとして知られるパパイア。原産地はメキシコ南部から西インド諸島にかけての熱帯アメリカと考えられています。16世紀にヨーロッパ人によって発見された後にフィリピンやインドへと伝播していき、東南アジアでも広く親しまれる存在となりました。日本にも18世紀には導入されていたのではないかと考えられており、沖縄県や奄美大島など温暖な地域での栽培が行われています。

パパイアは甘く濃厚ではあるものの、独特の香気があり果物としては好き嫌いの別れる部類。栽培地域が限られていることもあり日本では果物としてポピュラーとは言い難いポジションです。しかし近年は沖縄料理では未完熟の“青パパイア”をサラダや炒め物などに野菜として用いる方が多いこと・青パパイアの方が抗酸化物質や酵素が豊富であることなどが注目され野菜的な利用法が少しずつ広がっています。ちなみに沖縄と同じくタイなどの東南アジアでも同様に青パパイアを野菜として用いることが多く、またパパイヤの葉を煎じたものは民間医薬としても取り入れられているそうです。

近代の医療の中でもパイアから抽出された“パパイン酵素”の作用が認められ医薬品として指定されています。このためサプリメントなどでは使用を禁止されているため、ダイエットサプリなどはパパインではなくパパイア粉末が使われているようです。余談ですが、医薬品として用いられているパパインは強力なので置いておくとして、産地である沖縄県でも青パパイヤの多食・常食はあまりよろしく無いことと伝えられているのだとか。摂取するもの以外では洗顔料や抑毛ローション等の化粧品類、掃除用洗剤などにも幅広く利用されています。

日本ではパパイヤもしくは青パパイヤそのものは流通量が少ないため、パパイアそのものを食べるというよりも化粧品や健康食品の成分として目にすることの方が多いかもしれません。そのほか保存が効き手軽に摂取できる方法として、乾燥や焙煎工程を経た健康茶も注目されています。パパイン含有量は低いですがその分副作用の心配が低く、他の栄養素を補えるのも嬉しいところですね。パパイヤ茶にはパパイヤの葉を原料としたパパイアリーフティー・青パパイアを原料としたパパイヤ果実茶・葉と果実をブレンドしたものの3タイプがありますが、このページは「パパイアリーフ(パパイヤ葉)」を原料としたものについてご紹介します。

基本データ

通称
パパイアリーフ(Papaya leaf)
別名
パパイヤ、乳瓜木(ちちうりのき)、木瓜(モッカ)、万寿瓜(マンジュマイ)
学名
Carica papaya
科名/種類
パパイア科パパイア属/常緑小高木
花言葉
燃える思い、純愛
誕生花
使用部位
代表成分
フラボノイド類、カロテノイド類(β‐クリプトキサンチン)、パパイン酵素、ビタミン類、ペクチン
代表効果
消化促進、食欲増進、殺菌、抗酸化、免疫機能調整、整腸
こんな時に
消化不良、食欲不振、便秘、アンチエイジング(抗酸化)、生活習慣病予防、風邪予防、血行不良、肌荒れ
おすすめ利用法
健康茶、入浴剤、手作り化粧品
お茶の味
やや香ばしくグリーンな香り、漢方薬を思わせる苦味がある
カフェインの有無
ノンカフェイン

パパイアリーフの栄養・成分・期待できる効果

パパイヤ葉茶

抗酸化・健康維持に

消化機能サポートに

パパイヤの成分として代表的なものにパパイン酵素やキモパパイン・カルパインなどの酵素類が挙げられます。パパイヤリーフにもこうした酵素が含まれており、三大栄養素(タンパク質・脂質・糖質)の分解をサポートする働きがあるとされています。またパパイン酵素やカルパインなどはピロリ菌など胃腸にダメージを与える細菌類に対し殺菌作用を持つ可能性も報告されており、消化器官の健康を維持するという面でも効果が期待されています。

このためパパイヤリーフティーは消化不良や食欲不振・胸焼けなど、消化器系の機能低下による不調軽減に役立つと考えられています。消化不良の改善から腹部膨満感や過敏性腸症候群の予防に、酵素類による消化負担軽減から逆流性胃炎などに対する有効性も期待されているそう。実験にはパパイン酵素やパパイヤ葉“抽出物”などが使われているものもありますから一杯のパパイヤリーフティーに全てが当てはまるかは疑問ですが、胃腸の健康サポートとしては役立ってくれる可能性が高いでしょう。


抗酸化サポートに

パパイヤだけではなくパパイヤリーフ(葉部)にもポリフェノールが豊富に含まれていることが分かっており、ポリフェノール含有量は赤ワインの約7.5倍とも称されています。またポリフェノール以外にもビタミンCやβ-クリプトキサンチンなどの抗酸化物質も多く、その抗酸化能はノニジュースやプロポリスの数十倍という説もあるほど。この高い抗酸化作用からパパイヤリーフティーは活性酸素の増加を抑え、活性酸素が引き金となって起こる老化現象や動脈硬化・高血圧などの予防に役立つと考えられています。


栄養補給・疲労回復に

パパイヤの葉には抗酸化物質以外にビタミンやミネラル類が幅広く含まれています。加えてパパイン酵素などが消化機能を助けることで栄養吸収をサポートしてくれると考えられるため、栄養補給やそのサポートとしても効果が期待できます。滋養強壮や貧血予防に良いと言われるのも様々な栄養素を含み、かつ三大栄養素の消化をサポートしてくれるという点が大きいでしょう。

また代謝に関わるビタミンB群やクエン酸回路(TCAサイクル)の活性化が期待されるリンゴ酸などの有機酸類が含まれていること、ビタミンCやポリフェノールなどの抗酸化作用などから、栄養補給と合わせて疲労・疲労感の軽減にも繋がると考えられます。アミノ酸が豊富で筋肉作りや運動後の疲労回復・筋肉痛予防に良いという説もあります。


免疫機能向上・風邪予防

パパイヤ茶に含まれているカロテノイドやフラボノイドなどの抗酸化物質は、免疫力の低下を防ぐ働きも期待されています。また2010年に医学誌『Journal of Ethnopharmacology』に掲載されたフロリダ大学と日本チームによる共同研究では、パパイア葉の抽出エキスにTh1型サイトカインの生成を促し免疫系の調整を助けている可能性があるという見解も報告されています。

上記の報告は研究段階で可能性を示唆したものではありますが、パパイヤリーフには免疫機能を助ける働きがあるとされるビタミンCを筆頭としたビタミン類やミネラル類なども含まれています。こうした様々な成分を補い体を丈夫に保つことからも免疫力の正常化・向上のサポートが期待できるでしょう。アレルギー軽減や風邪予防などにもパパイア茶は取り入れられているようです。


美容面に関わる働きかけ

冷え性・むくみ軽減に

パパイアリーフティーは冷え性の軽減にも良いと言われています。これは体を温める成分が含まれているというよりも、抗酸化物質が豊富でスムーズな血液循環をサポートしてくれることに起因していると考えられます。また代謝に関わる成分も含まれていますので、抗酸化作用による血流改善と合わせて冷えの軽減にも効果が期待できるでしょう。カリウムなどは含まれているものの利尿作用を持つ成分もさほど多くはないと考えられますが、血液循環が良くなることからむくみの改善を感じる方もいらっしゃるようです。


便秘・肥満予防に

パパイヤの葉は食物繊維を非常に多く含む部位でもあります。お茶として抽出されるのはペクチンなどの水溶性食物繊維のみとなるため便の硬さを調節する=整腸作用が期待されています。便秘にも下痢にも良いと言われるのはこのためですね。抗酸化作用による細胞劣化抑制や血流改善も腸の刺激を高めることになりますし、パパインなどの消化酵素が消化を高めてくれることも期待できますから、お腹の調子を整えるのにも役立ってくれるでしょう。

またパパイン酵素はタンパク質分解を助けることで新陳代謝を高める働きもあると考えられています。そのほかパパイアの種に最も多く含まれているとは言われるものの、パパイヤリーフにも代謝を活性化させる“イソチオシアネート”が若干含まれています。パパインなどの酵素・抗酸化作用・腸内環境を整える働きなどと合わせて代謝をサポートし、肥満予防やダイエット促進にも役立つのではないかと期待されています。


肌老化・肌荒れ予防に

ノニジュースやプロポリスの数十倍とも言われるほど高い抗酸化力が期待されているパパイアリーフティーは、肌のアンチエイジング(抗酸化)にも注目されています。ポリフェノールやβ‐クリプトキサンチン・イソチオシアネートなどが複合して働くことで、活性酸素によって細胞が傷つけられて出来るシワ・たるみなどの予防に役立ってくれるでしょう。また大人ニキビの原因となる過酸化脂質の生成を防ぐ働きも期待できます。

パパイヤの葉には皮膚炎予防因子として発見され、タンパク質や抗炎症物質を生成する働きが報告されているビオチンも含まれています。抗酸化以外にコラーゲン生成を助けたりメラニン色素生成抑制などの働きを持つビタミンCも含まれていますから、老化以外にも様々な肌トラブルの予防や改善に効果が期待出来るでしょう。ビオチンを含むことに加え免疫機能の調整をサポートする働きが期待できることから、民間療法の中ではアトピー性皮膚炎の軽減用としても取り入れられています。


そのほか期待される作用

生理痛などの女性トラブルに

パパイヤリーフティーは生理痛や更年期障害など、女性特有の不調軽減に良いと紹介されてることもある健康茶。根拠はハッキリと記載されていないものが多く不明点も多いですが、パパイアに含まれているベンジルイソチオシアネートは男女ともにホルモンバランスを整える働きがあるのではないかと言われています。また抗酸化物質が多いこと・血流を良くする働きが期待できることなども関係しているのではないかと考えられます。


小麦グルテン対策に

グルテンアレルギーやグルテン不耐性の対策として、また健康維持やダイエットなどの目的でグルテンフリーを目指す方などからもパパイヤリーフティーは注目されています。これはパパイヤに含まれている消化酵素類が小麦製品に含まれているグルテン(タンパク質)の分解を助けてくれる働きがあるとされているため。ただしアレルギーがある方やグルテン不耐性の方の場合は体調を崩してしまう危険性もありますから、自己判断ではなく専門医などと相談して取り入れるようにしましょう。


糖尿病・糖尿病合併症予防に

パパイヤ葉抽出物を用いた実験では血糖降下作用が見られたという報告があることから、パパイアリーフにはインスリン感受性を改善する働きが期待されています。加えて抗酸化物質が多く含まれているため、酸化ストレスを抑制することで糖尿病の二次的合併症予防としても注目されています。


がん予防に対する研究も…

パパイアリーフティーは抗癌作用が期待できるお茶として伝統医学・民間療法で取り入れられてきた存在でもあります。近年でも各研究機関でも様々な研究がなされており、2010年『Journal of Ethnopharmacology』に日米共同研究で“パパイア葉エキスと葉茶に著しい抗がん特性が認められた”という報告が掲載されたことも話題になりました。ポリフェノールやβ‐クリプトキサンチン・イソチオシアネート・カルバインなどの様々な成分が複合的に作用しているのではないかと考えられています。

とは言えパパイヤリーフが抗癌作用を持つ可能性についての報告は動物実験や培養細胞を用いた実験のみで、人体に生じたガンに対する臨床試験での有効性はありません。がん治療への応用が期待され研究が進められているそうですが、現時点で「抗癌作用を持つ」と言い切れるものではありません。民間療法の一つとして試してみるのは自由ですが、過度な煽り文句には注意するようにしましょう。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

スキンケアに

パパイン酵素は消毒作用を持つ成分としてニキビや虫刺されなどのケアに、また分解酵素として古い細胞(角質)・毛穴に詰まった皮脂などの分解に用いられています。抽出されたパパイン酵素と比べると作用は弱いと考えられますが、パパイヤリーフティーにも同様の働きが期待できるためニキビ予防などに取り入れられています。

外用として一度使ったパパイヤリーフティーのティーパックを入浴代わりに再利用する・茶葉を粉末にして小麦粉と練り合わせパックにするなどの方法が考案されています。ただし肌質等によっては合わない可能性があるため注意が必要。パパイン酵素を配合した化粧品もアレルギーを起こす可能性が指摘されていますから、パッチテストを行った後に肌の状況をきちんと判断しながら取り入れる必要があります。

パパイアリーフの注意事項

    お茶として通常量を摂取する場合は特に問題はないとされています。ただし使用の歴史が浅く不明点も多いので、持病のある方・医薬品を服用中の方は医師に相談の上取り入れるようにすると良いでしょう。違和感を感じた場合は飲用を中止して下さい。