【小豆茶/あずき水】
健康茶に期待される効果効能

抗酸化・むくみ対策など美容サポーターとしても注目

むくみとりの民間療法として定番の小豆。近年はカテキングルコシドなどのポリフェノールが豊富なことからアンチエイジング用に、また韓国で流行した“あずき水ダイエット”などの影響もありダイエット用として小豆茶が注目されています。疲労回復・貧血予防・血流の改善に対しても効果が期待できますので、健康維持や冷え性の緩和などにも取り入れられていますし、イソフラボンを含むため女性特有の不調の緩和効果も期待されていますよ。

小豆のイメージ画像:ボタニカルラブ

小豆(アズキ)とは

植物紹介:小豆

お赤飯をはじめ、あんこなどの和菓子原料として知られている小豆。日本人にとっては馴染みある食材の一つでもあり、大豆と並んで代表的な「豆」の一つと言っても過言ではない存在です。小豆と言えばお汁粉やあんこなどの和菓子・和風スイーツに多用される印象がありますが、砂糖を入れて甘味として食べるのは日本を始めとした東アジア特有の文化なのだとか。近年では食のグローバル化によって知られてきたようですが、欧米ではシンブルに茹でてサラダ豆感覚で食べる事が多かったそう。ポリフェノールが豊富なことや、韓国でダイエット食材としてブームになったことなどもあって、世界的に美容や健康維持に役立つ食材としても注目されつつあります。

そんな小豆は東アジアが原産とされるマメ科ササゲ属の植物。日本伝来時期については諸説ありますが縄文遺跡からも発掘されていることから紀元前には存在していたと考えられています。中国では最古の薬学書である『神農本草経』に小豆の煮汁が解毒薬として利用されたことが記されており、かなり古い時代から薬効が認められ珍重された存在であったと考えられています。現代でも小豆は“赤小豆(セキショウズ)”として生薬として利水消腫など水分代謝を高める働きがあるとされている存在ですね。日本にも大陸から生薬の一つとして伝わり、古くは食材(薬)として高位の人々が小豆を摂取していたのではないか、なんていう説もあるほど。

また、中国・朝鮮半島・日本で赤色は太陽や血など“生命”を象徴する色とされ、赤い色をした小豆はおめでたい日や邪気払いに欠かせない存在としても大切にされていた存在です。古くは“正月十五日の供御の七種の粥料”として米・粟・黍子・薭子・葟子・胡麻・小豆の7つの穀物を使った粥を食していたことが『延喜式』に記されていますし、『土佐日記』には正月十五日に小豆粥を食べる風習があったことが記されています。現在でも15日の小豆粥は残っていますし、冬至かぼちゃを食べるのも“邪気を祓う”食材と考えられていた名残のようです。大昔には東西問わず宗教的思想と医学的思想の境界が曖昧だった部分もありますから、色だけではなく薬効があると考えられた食材類=魔除け・邪気払いに良いとされた側面もありそうですが。

さすがに現在は邪気払いを重視して小豆を食べるという方は少数でしょうが、民間療法としてや健康維持の手助けとなる食材としては親しまれている存在。ノンカフェインで食材としても利用され続けている存在で安心感があることや、血流促進効果などから母乳の出を良くする働きが期待できることなどから母乳育児のママさん達にも支持されています。最近は小豆茶や小豆水などが注目を集めていますが、作り方はどちらも“小豆の煮汁”とほぼ変わりません。小豆茶・小豆の煮汁の難点と言えば水戻しする時間がかかることですが、需要の高まりからか手軽に取り入れられるペットボトル飲料・お湯を注ぐだけでも飲めるティーパックタイプのものなども販売されています。

基本データ

通称
小豆(アズキ)
別名
赤小豆(セキショウズ)、紅小豆、azuki bean、red beans、red mung beanなど
学名
Vigna angularis
科名/種類
マメ科ササゲ属/一年草
花言葉
爽やか
誕生花
 -
使用部位
種子(豆)
代表成分
ポリフェノール(カテキン、カテキノピラノシアニジンなど)、ミネラル類(カリウム・鉄分など)、ビタミン類(ビタミンB群など)、サポニン、食物繊維
代表効果
肝機能向上、解毒、抗酸化、免疫力向上、女性ホルモン調整(エストロゲン様)、血行促進、利尿、緩下、血糖値上昇抑制、抗肥満
こんな時に
疲労回復、夏バテ、二日酔い、生活習慣病予防、風邪・インフルエンザ予防、更年期障害・PMS軽減、月経不順、骨粗鬆症予防、貧血、血行不良、冷え性、むくみ、便秘、デトックス、肥満予防、アンチエイジング
おすすめ利用法
食用、ハーブティー(飲用)、ホットパック、手作り化粧品など
お茶の味
小豆の茹で汁の味、小豆特有の香りと少しエグみがありやや飲みにくい
カフェインの有無
ノンカフェイン

小豆茶の成分と作用

小豆茶に期待される効果

>健康維持に

>疲労回復・二日酔いのケアに

小豆には糖質の代謝をサポートするビタミンB1、タンパク質の代謝に必要とされるビタミンB6を含んでいます。このため小豆茶は代謝を高め、疲労回復や筋肉痛などの緩和に役立つと考えられています。また、暑い季節にはビタミンB1の消費量や汗などによる流出が増え、不足することで糖代謝が低下して夏バテの原因となる説もあります。小豆茶は手軽なビタミンB1補給源となることから、夏バテ予防にも一役買ってくれる可能性がありそうですね。漢方的な考え方では「体の余分な熱をとる」働きがあるとも言われています。

加えてビタミンB1は糖質代謝の過程で酵素をサポートする“補酵素”として働くだけではなく、アルコールを分解する際に消費されるビタミンの一つでもあります。ビタミンB1はアルコールに含まれる糖分を分解するために消費されるほか、ALDH2(アセトアルデヒド脱水素酵素)とは別にビタミンB1を使用したアセトアルデヒド分解ルートもあるのだとか。小豆のエグみ成分と言われるサポニンにも肝機能をサポートする働きを持つ可能性が示唆されていますし、サポニンやカリウムなど水分排出を助ける成分も豊富なため、飲んだ翌日のむくみ対策としても期待できます。小豆茶・煮汁が二日酔い対策として古くから活用されていたのも納得ですね。


抗酸化・老化予防に

小豆にはシアニジンとカテキン、ルチン、レスベラトロール、フラボノールなど抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富に含まれていることが認められています。赤ワインを超えるほどポリフェノール含有量が高い食材と考えられており、抗酸化力は1.5倍~2倍という説もあるほど。2008年『Journal of Food Lipids』に掲載された研究でも、小豆には少なくとも29種類の抗酸化物質が含まれていることを示し、利用可能な抗酸化物質が最も多い食品としてカテゴライズされています。

抗酸化作用とは活性酸素・フリーラジカルの働きを抑制する働きです。この働きによって体内の脂質・タンパク質・DNAなどを保護し、細胞の劣化や機能低下を予防する=若々しさを保つ手助けをしてくれると考えられているわけです。小豆には抗酸化酵素の生成や活性に関わる亜鉛や銅などのミネラルも小豆には含まれていますから、小豆はアンチエイジングフードの一つとしても注目されています。


生活習慣病予防にも

小豆茶に豊富に含まれている抗酸化物質は中性脂肪や悪玉コレステロールが酸化することで出来る過酸化脂質の生成を抑制し、ドロドロ血液・血管の詰まりなどから起こる動脈硬化などを予防する働きが期待されています。2008年『Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition』に発表された日本の健康な若い女性を対象とした無作為化二重盲検並行群間試験では、小豆ジュースの摂取によって血清トリグリセリド濃度が見られたことが報告されています。この結果や小豆に含まれている各ポリフェノールに報告されている働きから、高トリグリセリド血症や脂質代謝異常症などの治療に小豆は役立つ可能性があるのではないかと期待されています。

加えてサポニンには抗酸化以外にも血小板凝集を抑えて血流をスムーズにする働きや、カリウムと相乗して高血圧予防にも効果が期待されています。カテキンには血糖値の上昇を抑える働きが、小豆に含まれているフラボノイド化合物には腸のα-グルコシダーゼの作用を阻害する可能性が報告されていることから、糖尿病予防についての研究も行われています。確証段階ではありませんが、れらの働きから小豆茶は高血圧・動脈硬化・糖尿病などの生活習慣病予防としても役立つと考えられています。


女性特有の不調・骨粗鬆症予防に

小豆には大豆と同じく女性ホルモンのエストロゲンと似た作用を持つとされるイソフラボン類が含まれているのではないかと考えられています。植物性のエストロゲン様物質=フィトエストロゲンはエストロゲンを補助する働きで作用すると考えられることから、小豆の摂取もめエストロゲンの急激な減少によって起こる更年期障害の緩和に繋がる可能性があるでしょう。加えてエストロゲンには骨からカルシウムが溶けだすのを抑える働きがありますから、イソフラボンは閉経後の骨粗鬆症予防にも役立つと考えられます。近畿大学の研究では小豆の煮汁い含まれるポリフェノール成分に骨を作る細胞(骨芽細胞)の活性化・骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きを抑える働きが見られた事も発表されています。

またフィトエストロゲン類は本来体内で分泌されるエストロゲンよりも作用が弱いという特徴があります。イソフラボンがエストロゲンレセプター(受容体)を埋めることで、エストロゲン分泌過多の場合はエストロゲン作用緩和に働き女性ホルモンのバランスを整えると考えられています。加えてホルモンを作る際に必要とされる亜鉛の補給源にもなることから、小豆は月経不順やPMS(月経前症候群)などホルモンバランスの乱れに起因する女性の不調全体に対しての軽減にも役立つと考えられています。


貧血予防・冷え性対策に

鉄分を比較的多く含む小豆は貧血の予防・改善に役立つと考えられています。加えてカテキングルコシドなどのポリフェノール類による抗酸化作用、ルチン(ビタミンP)による毛細血管の弾力性保持効果なども期待できますから、血流の改善に繋がる可能性もあるでしょう。貧血改善・血液が末端までスムーズに循環するようになれば、血行不良によるめまいや冷え性の緩和に役立ちますし、代謝アップによる熱生成量の増大・基礎体温アップにも期待できます。

ただし薬膳などで使われる五行の分類によれば小豆(赤小豆)は平性もしくは微寒性とされています(※陰陽の分類であれば陽性:体を温める食材に分類される)。おそらくカリウムを多く含むことなどが関係していると考えられますが、気になる方は生姜を加えたり、ドクダミ茶ルイボスティーで薄めて飲むようにすると良いでしょう。


小豆の色素成分について

長らく、小豆色とも称される特有の赤紫色はアントシアニン色素によるものだと考えられてきました。しかし
2019年、名古屋大学の吉田久美教授らの研究によって小豆の赤色はアントシアニンによるものではなく、カテキンとシアニジンが縮環した新規物質であることが発見され「カテキノピラノシアニジン」と命名されています。
このレポートの中でカテキノピラノシアニジン(AおよびB)は“単純なアントシアニジンと比較してまったく異なる化学的性質を示す”と紹介されています。

小豆はアントシアニンを含むと考えられたことから、眼精疲労や視力低下予防・内臓脂肪対策に役立つのではないかと考えられてきました。しかしアントシアニジン(アントシアニン)とは異なる化学的性質であると報告されたこともあり、アントシアニン類に期待されている働きが得られるかは不明瞭な部分があるようです。とは言えカテキノピラノシアニジンはカテキンとシアニジンの化合物ですし、小豆はフラボノールなど抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富であることがわかっています。フリーラジカル/酸化ストレスを軽減するという面から様々な健康メリットが期待できる点に変わりは無いでしょう。

美容サポートにも

小豆の煮汁や小豆茶・あずき水が長い間女性に支持されている理由として“むくみ改善に高い効果が期待できること”が挙げられます。近年はダイエット効果や抗酸化作用によるアンチエイジング効果なども報じられ、女性の美しさを支えてくれる存在としても注目されています。

むくみの予防・改善に

小豆は食材としてもカリウムを豊富に含み、利尿効果の高い食材として取り入れられています。この小豆に豊富に含まれているカリウムはナトリウムと対になって働くミネラルで、体内の水分バランスにも関係しています。ナトリウム濃度を一定に保つために私達の体は水分を取り込む仕組みがありますが、カリウムは多すぎるナトリウムの排出を促す働きがあるためナトリウム濃度を保つために蓄えていた水分の排出にも繋がるのです。このためカリウムの補給はむくみの緩和や高血圧予防などに役立つと考えられています。

ちなみに小豆(豆)100gあたりのカリウム含有量は乾燥状態1500mg、茹で小豆で460mgとなっています。お茶として浸出した部分のカリウム量はこれよりも減少しますが、それでも健康茶・ハーブティーの中ではカリウム補給源としてトップクラスに入るのではないかと言われるほど。加えて小豆の独特な渋み(苦味)の元となっているサポニン水分代謝を整える働きがあり、利尿作用を持つのではないかと考えられています。カリウム自体にも若干の利尿作用がありますが、どちらかと言えば塩分濃度の高い、しょっぱいものを食べた際などの調節役。対してサポニンは体内の巡り(循環機能)を高めることが得意なのではないかという声もありますよ。

小豆は両成分を豊富に含むことから、体内の水分代謝を整えてむくみ対策に役立つ食材として親しまれてきたのかもしれません。おばあちゃんの知恵袋でも「むくみにあずきの煮汁」が使われ続けてきたのは、漢方における効能のほか経験的な部分もあったのでしょう。むくみ対策についての有効性についても民間療法の域を出ないものではありますが、日本人の場合は古くから先祖が取り入れてきた食材であるという安心感がありますね。


便秘改善・デトックスに

豆として小豆そのものを食べる場合は食物繊維の補給源として優れた食材と言えます。しかし小豆に含まれている食物繊維は大半が水に溶けにくい性質のある“不溶性食物繊維”ですから、小豆茶やあずき水など飲料(浸出液)として飲む場合はさほどの量は期待できません。小豆茶を飲むとお通じが良くなると言われるのはサポニンの緩下作用によって便が柔らかくなり、スムーズに排泄しやすい状態になることが大きいでしょう。

サポニンは過酸化脂質の生成を抑制することで肝臓の負担を減らす働きもあります。結果として肝機能の向上=肝臓の解毒力を高める事になりますから、老廃物や有害物質の分解を促すことに繋がります。加えて小豆には血液をサラサラに保つ抗酸化物質、塩分排出を促すカリウムなどが含まれているため腎機能のサポートとしても役立つとされています。肝臓と腎臓どちらも老廃物の分解・排出に関わる臓器ですから、デトックス力向上にも効果が期待できます。


ダイエットのサポートに

むくみ改善やデトックス効果以外に、小豆にはより直接的な肥満予防効果が期待されています。小豆に含まれているサポニンやカテキンには血糖値の上昇を抑える働きを持つ可能性が報告されており、血糖値の変動が緩やかになることでインススリン分泌が減る=血中の糖分を脂肪として蓄えにくくなると考えられています。また小豆の2011年に『International Journal of Molecular Sciences』に掲載された中国の研究では、小豆のエタノール抽出物にαグルコシダーゼ阻害作用が見られたことも報告されています。まだ小豆・小豆茶の有効性について断定できる段階ではありませんが、血糖値コントロールの手助けをしてくれる可能性はあると言えるでしょう。

加えてカテキンには体脂肪を燃焼させる働きなども報告されていますし、サポニンには脂質の吸収を抑制する働きが期待されています。このため食事前に小豆茶を飲むことで食べたものを脂肪として吸収しにくくなる・運動時に体脂肪を燃えやすくするなどの働きでダイエットをサポートしてくれると考えられています。また間接的にではありますが抗酸化作用・血液サラサラ効果などから代謝アップも期待できます。


美肌作りのサポートに

カテキングルコシドを筆頭にポリフェノール類など抗酸化物質を多く含む小豆茶は、肌の酸化を抑制することでシワ・たるみなどを予防するアンチエイジングティーとしても役立ってくれます。メラニン色素は紫外線などの影響によって活性酸素が生じることで生成されますから、内側からの紫外線対策・シミ予防としても役立ってくれるでしょう。

貧血の改善や血行促進効果から肌のくすみの改善・透明度アップにも効果が期待されていますし、酸素と栄養がお肌の隅々まで行き渡ることで新陳代謝向上(ターンオーバー正常化)や乾燥肌改善などにも繋がります。出来てしまったシミの改善を促す働きも期待できるでしょう。ビタミンCが豊富に含まれている柿の葉茶で割ったり、美白効果が期待できるクコの実とブレンドすると相乗効果が期待できます。

小豆茶/あずき水の作り方と注意点

ペットボトル飲料やお湯を注ぐだけで出来るティーパックも販売されていますが、スーパーなどの豆コーナーで販売されている小豆を使って小豆茶を自作することも出来ます。やや手間はかかりますが、毎日継続して飲みたい場合はコスパがかなり良くなりますし、炒り方などで好みの味を作れるのも魅力ですね。

小豆茶の作り方

乾燥小豆を水でよく洗い、水気を拭き取った後フライパンなどで乾煎りします。乾煎りする時間は5分~10分以下くらい、香ばしさを重視するか小豆の風味を重視するか、お好みに合わせて調節してください。オーブンで焼くなどの方法もありますが、概ね焦げ付かせず表面の黒っぽさが増す程度が目安とされています。炒った小豆は熱をとって密閉容器に入れておけば1週間位保存できます。大量に作ってストックしたい場合は冷凍保存すると良いそう。

この炒り小豆を煮出せばお茶として飲める状態になります。煮出し時間については10分程度~30分以上とするものまでかなり差があります。こちらもお好みに合わせて調節するようにしてください。小豆の量はカップ一杯分に対して大さじ1~2杯位が目安です。茶葉のようにお湯を注いで蒸らすだけではほとんど浸出されないので注意しましょう。

※渋みが苦手な方は炒る前に水に晒すことでエグみ成分であるサポニンを抜くことが出来ますが、晒しすぎるとサポニンの作用が期待できなくなるため注意が必要です。煮出す際にアクをこまめにとるようにすると同様に渋みを緩和させることが出来ます。サポニンの摂り過ぎは甲状腺疾患のリスクを高める可能性がありますので、水には晒さない・短時間だけ晒すようにし、しっかりとアクを取るようにすると良いかもしれません。

あずき水の作り方

あずき水は小豆を綺麗に洗い、小豆1gに対して15mlの水を加えて(小豆のグラム数×15ml)10時間以上漬け置きます。こちらは日持ちがせず1日(24時間)以内に飲み切る必要がありますので、一度に作れる量は小豆30g(450ml)~40g(600ml)分程度が良いでしょう。10時間経ったら小豆と水をそのまま火にかけ強火で2~3分沸騰させます。その後は弱~中火に切り替え、アクを取りながら更に30分程度煮詰めます。出来上がったものは冷まし、冷蔵庫で保存します。ちなみに韓国スターが痩せたダイエット法として「あずき水ダイエット」と呼ばれている方法は、食事の30分前にコップ一杯(150ml~200ml)ずつ、計3回これを飲むというもの。

注意点

小豆茶・あずき水は両方共、傷みやすいため浸出したものは日持ちがしません。
またあずき水は“炒り”の工程が無いため小豆茶よりも味にクセが強い点も難点として挙げられます。「満腹感が得られるのではなく、不味さで食欲がなくなるだけでは?」という方もいるほど。面倒臭さと味の問題から一度作ってやめてしまう方も多いようです。製法的にも見て“小豆茶”と“あずき水”にさほど成分差があるとは考えにくいので、味の問題が気になるようであれば小豆茶・毎回に煮出すのは面倒という場合であればあずき水など好みや時間などで使い分けてください。

食物繊維や鉄分などは浸出させた水分ではなく出がらし(小豆部分)に多く残っていますから、栄養成分をしっかり摂りたいという場合は残った豆部分をご飯やスープなどに混ぜて食べる・あずき水の方法で煮た後にミキサーにかけてお粥状にするなどすると良いでしょう。ただしカロリーも高くなりますので、ダイエット目的の場合などは水分のみを飲むようにした方が無難です。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

毛穴・吹き出物ケアに

小豆に含まれているサポニンは界面活性作用があり、脂性汚れを浮かび上がらせてくれます。加えて食物繊維がスクラブのように汚れをかき出す役割を果たしてくれること・ナイアシンには肌代謝促進効果が期待できることなどから、毛穴よごれや角栓除去・保湿・肌のキメ向上などに役立つとしてパックに利用されています。小豆パックの方法はは小豆粉を水でペースト状になるように練り、肌に塗って数分置いた後淡い流すだけ。乾燥が気になる場合はキャリアオイルやヨーグルトで作ると良いようです。

ホットパックに

小豆の飲食以外の活用方法としてメジャーなのがホットパック(カイロ)による温熱療法。小豆は優れた吸湿放湿性があるため電子レンジなどで温めると内部の水分がじんわりと蒸気を出し、じんわりと体を温めう湿熱効果をもたらしてくれます。また、ホットパックとして利用されることが多いですが、冷蔵庫で冷やすと冷却アイテムとしても利用することが出来ます市販されている保冷剤ほどキンキンには冷えませんし水滴が付いたりもしないので、夏場の快眠用枕などに活用してみてください。

ちなみに小豆を使用したホットパックは繰り返し使えるエコアイテムとして商品化されているものもありますが、布を好きな大きさに縫って小豆を入れることでアイピロー・お腹用・肩用など目的と自分の体型に合ったオリジナル小豆カイロもしくは保冷剤を作ることも出来ます。縫い物をしなくても市販のお茶パックなどに小豆を入れてレンジで温める→アイピローや腹巻きに乗せるという方法もあります。中途半端に余った小豆や賞味期限の切れてしまった小豆などで試してみてはいかがでしょうか。

小豆の注意事項

  • 大豆アレルギーのある方は注意が必要です。
  • 小豆茶・あずき水ともに1日5~6杯程度を上限にしましょう。
  • サポニンの過剰摂取は甲状腺疾患のリスクを高める可能性があります。甲状腺疾患のある方は摂取に注意し、適度にアクを抜いてから摂取するようにしてください。

参考元

Adzuki Beans: Nutrition, Benefits and How to Cook ThemA Determination of Potential α-Glucosidase Inhibitors from Azuki Beans (Vigna angularis)Suppressive effect of extruded adzuki beans (Vigna angularis) on hyperglycemia after sucrose loading in rats