ノニジュースよりもかなり飲みやすく、健康維持や栄養補給に役立つ
ノニは「神からの贈り物」とも称される、140以上の成分を含み様々な健康効果が期待されるスーパーフルーツです。果実だけではなく葉にも豊富な栄養が含まれていますし、癖の強いノニジュースよりもさっぱりとして飲みやすいのがノニ茶の特徴と言えるでしょう。抗酸化物質を豊富に含むためアンチエイジングや生活習慣病予防効果に役立つと考えられているほか、冷え性やむくみの軽減・美肌サポートなど女性に嬉しい効果も期待されています。

ノニについて
植物紹介:ノニ
ジュースやサプリメントなど健康食品分野で目にする機会が多いノニ。140種類を超える成分を含み、健康で若々しい体の維持をサポートしてくれる食材として期待されている存在です。ここ最近はスーパーフード・スーパーフルーツ呼ばれる食材が注目を集めていますが、ノニもその豊富な成分からスーパーフルーツの一つに数えられています。
植物としては熱帯・亜熱帯地域を中心に自生するアカネ科の樹木で、ハワイ・フィリピン・オーストラリア・インドなど広い範囲に分布しています。ちなみに日本でもお馴染みとなった「ノニ」という呼称はハワイの現地語をそのまま使ったもので、和名はヤエヤマアオキ(八重山青木)と言います。和名の通り日本でも八重山諸島をはじめとする沖縄県や、小笠原諸島などで見ることが出来ます。一部地方の方以外は果実そのものを目にする機会はないかと思いますが、形状としては核果の集合果と呼ばれるもの。表面上は蓮の実に少し似ていますので、見る人によってはグロテスクに見えるかもしれません。
ノニには紀元前から食用とされており、栄養補給に優れた食材であるというだけではなく民間医薬のような形でも取り入れられていました。その優れた作用から万病に効くと考えられ、ポリネシア諸島などでは「驚異のフルーツ」や「神からの贈り物」とも呼ばれていたそう。葉も野菜感覚で食されたりお茶にされていたと考えられていますし、現代でもナシゴレンやトムヤンクンなどの東南アジア料理では使われています。沖縄(琉球王国)でも独特の風味から食用としてこそ利用されていたなかったものの、薬用や染料としては用いられていたそうです。
1700年台後期になるとイギリス海軍で探検家のキャプテン・ジェームズ・クックによって、タヒチ原住民がノニを食べていたことが記録されます。後にはフィジー島や東南アジア・オーストラリアなどでノニ食文化があることが報じられ、欧米でも徐々に知名度が高まっていったようです。EUではヨーロッパにおいて食経験のない食品・食品原料の安全性の基準が高いものを「ノベルフード(Novel Food)」として認定する試みが1997年から行われていますが、ノニ果実を原料とするノニジュース、乾燥もしくは焙煎したノニの葉が共に認定されています。
日本では1999年に国内でのノニジュース販売がスタートされています。スーパーフルーツとして様々な果物がメディアに取り上げられる機会が増えたのは2010年頃からですから、ノニは先駆け的な存在と言えるかもしれません。最初に紹介されたものでもありますし、両方としては果実を使った「ノニジュース」がよく知られていますが、かつて“ドブの味”と称されTVなどで罰ゲームに用いられていたりと、味に難があることもまた話題となっていた存在。近年は粉末化して固めた錠剤やカプセルタイプなど風味を気にせずに取り入れられる形状に加工された商品が流通していますし、ノニジュース以前よりは比較的飲みやすいものが増えているようです。
対してノニ茶はメーカーによって使用部位は異なりますが、果実だけではなく葉や茎を使ったものが多くなっています。味もやや紅茶のような渋味があるもののフルーティーさを含んでおり、またメーカーによってはジャスミンなどを加えて風味を整えたものもあり“飲みやすい”のが第一のメリットと言えるかもしれません。果実だけではなく葉などにも多くの健康成分が含まれていますし、他のお茶と組み合わせて使えること・乾燥されているので日持ちが比較的良いこともあり扱いやすい存在と言えます。ノニジュースのほうが脂溶性の栄養素を摂取するという点ではメリットがありますが、味が心配な方・ノニジュースに苦い経験がある方であればノニ茶の方が失敗は少ないでしょう。
基本データ
- 通称
- ノニ(Noni)
- 別名
- 八重山青(ヤエヤマアオキ)、モリンダ、Indian Mulberry、Great Morinda
- 学名
- Morinda citrifolia
- 科名/種類
- アカネ科ヤエヤマアオキ属/常緑小高木
- 花言葉
- –
- 誕生花
- –
- 使用部位
- 葉・茎(※果実も用いられる)
- 代表成分
- イリドイド配糖体、フラボノール配糖体、モリンジン/モリンドン、ビタミン類、ミネラル類、スコポレチンなど
- 代表効果
- 抗酸化、血圧降下、血管拡張、血糖値降下、免疫力向上、殺菌・抗菌、鎮痛、抗炎、抗アレルギー、抗ストレス
- こんな時に
- 老化予防、生活習慣病(高血圧・動脈硬化など)予防、むくみ、血行不良、冷え性・末端冷え性、風邪・インフルエンザ予防、肥満予防、神経痛、関節痛、リウマチ、アレルギー炎症(鼻炎・花粉症など)、ストレス、不眠
- おすすめ利用法
- 健康茶、ジュース(果実)
- お茶の味
- フルーティーな紅茶のような味、苦味はさほど無い
- カフェインの有無
- ノンカフェイン
ノニの栄養・成分・期待できる効果
ノニ茶(ノニリーフティー)
老化・生活習慣病予防に
アンチエイジングに
ノニにはビタミンCを始めとするビタミン類やフラボノイド配糖体・イリドイド配糖体など、抗酸化作用を持つフィトケミカルが豊富に含まれています。このためノニは加齢や様々なストレスによって発生する活性酸素の過剰増加を抑制し、細胞が酸化されることで起こる筋肉や内臓の機能低下・老化を予防する働きが期待されています。お茶の場合はβカロテンやビタミンEなどの脂溶性成分をしっかり摂取できるとは言い難いですが、それを除いたとしても抗酸化物質の補給源としてアンチエイジングのサポートに役立つ存在と考えられています。
高血圧・動脈硬化予防に
血中の脂質は活性酸素と結合して過酸化脂質に変化します。この過酸化脂質は血管壁に付着して血管を狭めたり血管の柔軟性を失わせてしまうことから、血栓や動脈硬化などの原因となります。また血流が滞ることで心臓に負担がかかり、高血圧のリスクも高めることに繋がると考えられます。抗酸化物質は過酸化脂質の生成抑制作用が期待できるでしょう。
またノニに含まれているクマリン類の一種スコポレチンには血圧降下作用や血管拡張・弾力機能保持などの働きも期待されています。カリウムによる血圧降下作用と合わせてスムーズな血液循環をサポートし、高血圧や動脈硬化予防に役立つのではないかと考えられています。お茶として飲む場合にどの程度摂取出来るかは曖昧ですが、ノニに含まれている不飽和脂肪酸や植物性ステロールにはコレステロール低減効果も報告されています。
糖尿病予防について
ノニに含まれているプロゼロニンという物質は体内でプロゼロネーゼと結合し“ゼロニン”という物質に変化し、細胞修復促進やインスリン分泌を調整することで血糖値を正常に保つ働きがあると言われています。しかしノニにゼロニン・プロゼロニン・プロゼロネーゼが含まれていることは確認できず科学的根拠のないものである、という報告もなされていますので血糖値上昇抑制については過信しないほうが無難でしょう。(参照:東京ノニ研究所)
インスリン分泌・血糖値変動などに対しての直接的な働きかけは期待できませんが、ノニは様々な抗酸化物質や栄養成分を含むことから新陳代謝促進による代謝向上などのサポートには役立ちます。血糖値上昇や糖尿病に伴う諸症状の原因としても活性酸素過剰が考えられていますから、全くの無意味というわけではないでしょう。ノニ茶もノニジュースも医薬品ではなく食品ですから、健康維持のサポート用としては心強い存在と言えそうです。
健康・美容サポートに
血行不良・むくみに
高血圧予防としても触れましたが、ノニにはカリウムが多く含まれています。カリウムは余剰ナトリウムの排出を促してくれる成分ですから、塩辛い食事などによってナトリウム過剰状態になっている際に蓄えたれた水分の排出を促す=むくみの改善にも効果が期待できます。加えて芳香成分(クマリン類)の一種であるスコポレチンも血管状態や血流を整える働きがあるとされていますから、血行不良や血管透過性などの問題から起こるむくみ軽減にも効果が期待されています。
スコポレチンや抗酸化物質は血液・血管をキレイな状態に保ってくれますし、ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートすることで血管、特に毛細血管を丈夫に保つという役割もあります。ノニは不足しがちな栄養素の補給にも役立ちますので新陳代謝の向上にも効果が期待できるでしょう。これらのことから血行不良やそれに起因する肩こりなどの改善のほか、冷え性や末端冷え性などの軽減にもノニは役立つと考えられています。
風邪などの感染症予防に
ノニに含まれている抗酸化物質は酸化による身体の機能低下を予防することで、免疫力低下を防ぐことにも役立つと考えられます。血行促進や代謝向上などの働きや、それによって体が温まることも免疫力向上に繋がりますね。またビタミンCは白血球の活性を高める・自身が細菌やウィルスを攻撃するなどより直接的な免疫機能のサポート効果も認められていますから、風邪やインフルエンザ予防にも役立ってくれるでしょう。そのほかノニの根部分に多く含まれている赤色(モリンジン)と黄色(モリンドン)の色素成分にも殺菌・抗菌作用があるとされ、ビタミンCなどと合わせて感染症予防効果が期待されています。
ダイエットサポートに
ノニそのものはビタミン・ミネラル・アミノ酸・脂肪酸など様々な栄養成分を含む食材であり、それらをバランスよく補給できることで代謝向上や脂肪燃焼促進に良いと言われています。お茶として飲む場合は摂取できる成分が制限されますが、ビタミンCなどの抗酸化物質・血行促進などの働きが期待されるスコポレチンなどが含まれていますから、代謝機能低下の予防もしくは機能改善のサポートとして役立つと考えられます。
加えて血行促進やカリウムの補給などでむくみ軽減にも効果が期待できますから、ダイエット中の方のサポートとしても心強い存在と言えるでしょう。味にクセがなく飲みやすいのでダイエットサポートとしてはサラシアやグァバ・菊芋茶と、むくみ対策としてはシトルリンティーやハトムギ茶など、様々なお茶とブレンドして取り入れてみても良いでしょう。
美白・美肌作りに
抗酸化成分を豊富に含むノニは体内だけではなく、お肌のアンチエイジングにも高い効果が期待されています。抗酸化作用やスコポレチンによる血行促進作用などから肌全体の透明感を高めトーンアップにも効果が期待できますし、メラニン色素の沈着予防や分解促進・コラーゲン生成促進など美肌・美白に関わりの深いビタミンCも豊富に含まれています。シミ予防だけではなく、肌全体のくすみや黒ずみが気になる方の場合でも嬉しい効果が期待できるでしょう。
加えて皮膚の保持や正常なターンオーバーに欠かせないミネラルやアミノ酸の補給にも役立つため、ノニは肌老化予防だけではなく美肌保持全般に役立つと考えられています。過酸化脂質が原因と考えられている大人ニキビ、栄養の偏りで起こる肌荒れ予防にも効果が期待できますね。内側からの紫外線対策・美肌サポートとして取り入れてみても良いかもしれません。美白用であれば韃靼蕎麦茶・アンチエイジングや皮膚の健康維持であればルイボスや緑茶など目的に合わせてブレンドしてみるのもおすすめです。
そのほか期待される作用
炎症・アレルギー軽減に
スコポチレンに抗アレルギー・炎症抑制作用があるとされ、成分としては抗ヒスタミン剤としても利用されています。このためスコポレチン含むノニも発熱・頭痛・リウマチや関節炎などの痛みや炎症軽減に役立つのではないかと考えられています。ちなみにプロキセロニンにもアレルギー抑制作用があると言われていますが、ノニに本当に含まれているかはハッキリしていませんので考えないようにした方が良いでしょう。
プロキセロニンを抜きにしてもスコポレチンによる炎症抑制作用に加え、抗酸化作用や血行が良くなり老廃物の排出が促されることも免疫力の正常化に繋がると考えられます。そのほか植物ステロールも免疫機能の正常化に関係すると考えられていることもあり、花粉症などのアレルギー症状軽減にも効果が期待されています。
ストレス軽減に
ビタミンCは副腎皮質ホルモンや神経伝達物質の合成をサポートすることで、ストレス耐性を高め精神安定をサポートしてくれます。加えてスコポレチンは脳内で松果腺を刺激しセロトニンやメラトニンの合成・分泌を調整する働きがあるのではないかと考えられていますし、そのほかにもノニには精神安定に役立つテルペン類などの芳香成分も含まれています。これらの成分が複合して働くことでノニはストレス軽減や精神安定効果が期待されています。ストレスを和らげること・メラトニンの分泌をサポートする働きが期待できることから、不眠軽減に役立つとする説もあります。
お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果
スキンケアに
手作りコスメ基材としてはあまり使われていませんが、ノニ果実・種子エキス、ヤエヤマアオキ葉汁などノニ由来抽出物は化粧品原料として利用されています。潤いやハリを高めるなど肌のコンディションを整える働きが期待されていますし、ノニの葉抽出物を塗布した実験では紫外線カット効果なども報告されているそうです。
身近なところではノニ茶やノニジュースを濾したものを化粧水代わりに使うとシミ取り・アンチエイジングに良いという説もありますが、肌荒れ等を起こすこともあるようなので使用には注意が必要です。そのほか優れた殺菌作用を持つモリンドン、モリンデンを含むことから、浸出液を塗ると水虫に良いとも言われています。
ノニの注意事項
- 医薬品を服用中の方は医師・薬剤師に確認のうえ飲用して下さい。
- カリウム含有量が高いため高カリウム血症・腎臓疾患のある方も医師に確認しましょう。
- 安全性が高いとは言われていますが、肝機能障害を引き起こしたという報告もなされています。他の肝毒性のあるハーブとの併用や、肝臓トラブルのある方は使用を避けたほうが無難でしょう。飲み過ぎないよう注意しましょう。