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カリン/花梨茶
健康茶と期待される効果効能紹介

喉の不調のほか、疲労回復や風邪予防にも期待

フルーティーな香りと喉の不調に生薬として用いられることから、のど飴の成分としてもお馴染みのカリン。喉の炎症予防に良いとされるのはアミグダリンが加水分解されることで出来るベンズアルデヒドによる抗炎症作用や、タンニンや芳香成分に殺菌作用が期待できるためと言われています。そのほかにも疲労回復や冷え性改善、ビタミンCを含むことから美白や美肌サポートなど様々な効果が期待されている健康茶です。

画像:花梨(カリン)

 

カリン(花梨)について

植物紹介:カリン

のど飴の配合成分としてお馴染みのカリン(花梨)。そのままでは非常に固く渋味が強いことから、そのまま生で食べられない梨のような果物ということで「クワズナシ(食わず梨)」と呼ばれてもいるのだとか。しかし独特のフルーティーな香りがあること、加熱すると渋みがなくなることからジャム・果実酒・ゼリーなど加工品として利用されています。かりん酒も自作・商品ともによく知られていますね。

カリンの原産地は中国東部で、植物としてはバラ科カリン属に分類されています。かつてはボケ(木瓜)と同じくボケ族に分類されていたそうですが、現在は1属1種とする見做す方が主流だとか。外見・利用法共にカリンとよく似ているマルメロ(クインス)は別属ですから、近縁種と呼べるほど近い種はないのだそう。
中国では2000年位前から薬用植物や観賞植物として利用されてきたと伝えられています。後の1578年に完成したとされる薬学書『本草綱目』にもカリンには去痰・利尿作用、鎮痛作用があるという記述があるそう。中国では様々な効能を持つ果物と考えられており「杏一益・梨二益・花梨百益」という言い伝えもあるのだとか。

日本には平安時代に弘法大師が持ち帰ったと言われています。江戸時代頃になるとバラ科樹木であり可愛らしい花をつけることや秋に紅葉することから、庭木としても人気が高まり栽培が盛んになっていきます。縁起担ぎの語呂合わせで、庭の表にカリン・裏にカシノキを植えると「金は貸すが借りない」になり商売繁盛に良いとも言われていたそうですよ。
カリンの果実もそのままでこそ食べられないものの、家庭で砂糖と煮詰めたり酒に漬けたりして消費されていたと考えられます。生薬として喉の不調にも用いられてきた存在で民間療法の中でも使われてきましたが、昭和50年代頃にカリンが喉に良い果物として報じられたことで商品化が進んだと言われています。

かりん茶は細切りした花梨を天日干ししたものにお湯を注いで蒸らして飲むタイプ・砂糖や蜂蜜に漬け込んだものに湯を注いで飲むタイプと、大きく2つの飲み方があります。韓国伝統茶の“モグァ茶(모과차)”と呼ばれるものは後記のタイプですね。ハチミツなどに浸っているため糖質量やカロリーには注意が必要ですが、こちらのタイプの方が花梨の果実そのものを食べやすく、水に溶け出しにくい栄養価も補給できるというメリットがあります。料理の隠し味に使う・ジャム代わりに使うなどの使いまわしも出来ますよ

基本データ

通称
カリン(花梨/榠樝)
別名
安蘭樹(アンランジュ)、木瓜(モッカ)、Chinese quince(チャイニーズ・クインス)
学名
Pseudocydonia sinensis
科名/種類
バラ科カリン属/落葉高木
花言葉
豊麗、優雅、唯一の恋
誕生花
11月1日・11月21日
使用部位
果実
代表成分
リンゴ酸、クエン酸、ポリフェノール(タンニン)、ベンズアルデヒド、トリテルペン化合物、ビタミン類、食物繊維、サポニン
代表効果
血行促進、殺菌、免疫力向上、抗炎症、抗酸化、血圧降下、鎮咳
こんな時に
疲労回復、冷え性、風邪・インフルエンザ予防、高血圧・動脈硬化予防、咳、喘息、むくみ、便秘、美肌・美白
おすすめ利用法
食用、健康茶、薬酒、入浴剤
お茶の味
カリンのフルーティーな香り、単体だと味は酸味と苦味が少しある
カフェインの有無
ノンカフェイン

カリン(花梨)の栄養・成分・期待できる効果

カリン茶(花梨茶)

日々の健康維持に

疲労回復に

カリンにはクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が含まれています。クエン酸などの有機酸は、体内のエネルギー産生(代謝)において重要な「クエン酸回路(TCAサイクル)」の過程に関わる成分です。クエン酸などは代謝産物のため極端に不足するという事はありませんが、クエン酸を補うことでクエン酸回路を活性化出来るのではないかと考えられています。

このためカリンを摂取することでクエン酸回路が効率よく機能するし、エネルギー代謝が良くなる=疲労回復促進効果が期待されています。またカリンは生100gあたり25mgと比較的ビタミンCを多く含む果物。ビタミンCはエネルギー生産に関係するカルニチンの生成に必要な物質ですから、そちらからも直接的にではありませんが疲労回復サポートに繋がる可能性があるでしょう。


冷え性の軽減に

カリンに含まれているクエン酸は体内でアルカリ性として作用することから、血液のph値を酸性から弱アルカリ性に近付けることで血液サラサラ効果をもたらすと期待されています。ビタミンCも抗酸化作用によって血流の妨げとなる過酸化脂質の生成抑制や、コラーゲン生成を促すことで血管を丈夫に保つことでスムーズな血液循環をサポートしてくれると考えられます。このためカリン茶は血行不良や冷え性の軽減にも役立つと言われています。

冷え性ケアとしては同じくフルーティーなオレンジピールと組み合わせたり、ルイボスティーなどに香り付け感覚で加えてみても良いでしょう。特にハチミツ漬けタイプの“かりん茶”であれば生姜とも非常に相性が良いですよ。

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風邪・インフルエンザ予防に

カリンに含まれているアミグダリンという成分は加水分解されることでベンズアルデヒドという成分に変化します。このベンズアルデヒドという成分には殺菌作用や抗炎症作用があると考えられています。またタンニンなどのポリフェノール類や芳香の元となっているトリテルペン化合物にも殺菌作用が期待できることから、カリン茶は風邪などの感染症予防に有効とされています。またカリンに含まれるポリフェノールの一種にインフルエンザウイルス抑制作用が見られたという報告もなされています。

加えてビタミンCはコラーゲン生成を促すことで細胞の密度を高める・インターフェロンの生成促進など免疫力に関係する働きも認められています。ポリフェノール類などの抗酸作用も免疫システムの低下を予防することに繋がりますから、相乗して免疫力向上にも効果が期待されています。


生活習慣病予防に

ビタミンCやタンニンなどのカリンに含まれている成分は、血中脂質と活性酸素が結合してできる過酸化脂質の生成抑制・血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の減少が期待されている成分でもあります。このためカリン茶は過酸化脂質が血管の内壁に蓄積することで起こる動脈硬化や血栓の予防にも役立つと考えられます。

加えてカリンはミネラル類の中でカリウムを比較的多く含んでいます。カリウムはナトリウムの排泄を促すことで血液のバランスを保ち、心臓への負担を軽減することで高血圧予防に役立つとされている成分。抗酸化作用によって血流がスムーズになることも心臓にかかる負担を軽減することに繋がりますから、相乗して高血圧予防にも効果が期待できるでしょう。


ちょっとした不調のケアに

咳・喘息のケアに

カリンに含まれているアミグダリンから分解されるベンズアルデヒドは抗炎症作用を持つと考えられおり、咳や喘息など喉の炎症の緩和に効果が期待されています。またベンズアルデヒドの他タンニンやトリテルペン化合物にも殺菌作用があるとされており、抗炎症作用とともに喉の粘膜を綺麗に保つこで喉の不快感や痰などの軽減にも役立つと考えられています。

ベンズアルデヒドの元となるアミグダリンはカリンの種子に特に多く含まれているため、種子部分も民間医薬として用いられています。そのためかお茶やお酒を作る際に種子を入れる方も少なくありませんが、アミグダリンは加水分解により猛毒のシアン化水素も発生する危険な存在でもあります。国立健康・栄養研究所などから注意も出ている成分ですから、自作する場合などは使わないようにした方が無難でしょう。


むくみ・便秘の改善に

カリンに含まれているカリウムはナトリウムとバランスを取り合うミネラルで、ナトリウムが多すぎる場合は排出を促す働きがあります。ナトリウム濃度が濃くなると体は血液中に水分を取り込みナトリウム濃度を適切に保とうとしますから、余剰ナトリウムが排出されると取り込まれていた水分排出にもなり、むくみの改善に繋がると考えられます。カリンにはクエン酸や抗酸化物質などスムーズな血流をサポートしてくれる成分も含まれていますから、ナトリウム排出と合わせてむくみ対策に効果が期待できます。

またカリン茶はペクチンが含まれていることから便秘にも良いと言われています。カリンエキスが溶け出した水分のみを飲む場合であれば摂取できる食物繊維は微量ですが、カリン果実そのものを食べる場合には不溶性食物繊維の補給にもなります。カリン茶だけで食物繊維がしっかり摂れるというほどではありませんが、便秘予防や改善おサポートとしても役立つ可能性はあるでしょう。


胃腸の健康維持に

カリンは胃腸の機能をサポートする働きが期待できるという説もあります。これはカリンに含まれている精油成分に胃腸作用を高める働きがあり、食欲増進や消化促進に繋がるためではないかと言われています。また間接的にではありますが血流をスムーズにして体を温める働きや殺菌作用も、胃腸の健康維持に役立つと考えられます。カリン茶の胃腸サポート効果については不明瞭な点もありますが、ペパーミントやハブ茶とも相性が良いのでブレンドに使ってみても良いでしょう。


美白・美肌サポートに

カリンに含まれているビタミンCやポリフェノール類は抗酸化作用がありますので、肌の酸化を抑制することでシワやたるみなどの肌老化を予防する働きが期待されています。また紫外線を浴びると活性酸素が大量に発生し、その活性酸素から肌を守るためにメラニン色素が産生されることも知られています。メラニン色素が代謝できないほど多く生成された場合、シミとして肌に沈着してしまいます。

ビタミンCはメラニン色素の生成に関わるチロシナーゼという酵素の働きを阻害することでシミ(メラニン色素の沈着)を予防する働きが期待されていることから、シミを予防し透明感のある肌を維持する=美白効果も期待されています。ビタミンCにはコラーゲン生成を助ける働きもありますから、肌を白く美しく保つなどの美容目的でカリン茶を取り入れている方もいらっしゃるようです。


かりん茶の作り方

かりん茶はカリンの果肉くし切りもしくは細切りにし、天日干ししたりフライパンで炒るなどして水分を飛ばして作ることが出来ます。生のカリンは非常に固く切りにくいので、手を切ってしまわないように注意しましょう。切れないと感じた時は軽くレンジにかけると少し柔らかくなります。
カリンは酸化が早く茶色くなってしまうので、漬け込む場合は一旦塩水に浸す・レモン汁をかけるなどの下処理をしたほうが綺麗に出来上がります。また鉄製の包丁で切るのも黒ずみの原因となるので避けたほうが良いでしょう。

ハチミツ漬けタイプのものを作る場合は生のまま漬ける・乾燥させてから漬けるの2タイプの作り方があります。カリンを煮沸消毒した瓶に詰め、頭が出ないようにハチミツを注いで蓋をします。1~2ヶ月間漬け込みの期間が必要になりますが、その期間中は1日1回天地をひっくり返すようにすると良いそう。
ちなみにお酒につける場合は3ヶ月~半年程度とされています。

お茶にしろお酒にしろ「有効成分はほとんどが種に含まれているから、種を入れるべき」という声もありますが、猛毒(シアン化水素)が発生し中毒症状を起こしてしまう危険性もありますので、種は使わない方法をおすすめします。

外用(飲食以外)で期待できる効果

入浴剤代わりに

カリンは入浴剤代わりに用いられることもあります。カリンを輪切りにして使う方法がポピュラーなようですが、カリン茶やカリン酒を作る時に出た皮などをネットに入れてお湯に浮かべるだけでもOKなので廃棄部分も活用出来て一石二鳥でもありますね。

カリン湯は血行促進作用による疲労回復・冷え性緩和や新陳代謝促進に良いと言われています。殺菌作用を持つ成分が多く含まれていますし、体も温まるので風邪予防にも良いでしょう。甘さのあるフルーティーな香りにはリラックス効果が期待できます。そのほかクエン酸による角質や角栓の除去(ピーリング)効果・殺菌作用によるニキビ予防効果などボディケアに役立つという説もあります。

カリンの注意事項

    食品として通常量を摂取する場合は特に問題はないとされています。

健康茶

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