リラックス&抗酸化作用に優れた「長寿のハーブ」
レモンバームもしくはメリッサと呼ばれるハーブは、名前の通りレモンを加えたミントのような爽やかな報告が特徴的な植物。観賞植物としても人気ですね。古くは若返りのハーブの1つ信じられた歴史があり、現在もポリフェノールが豊富なことが注目されています。抗酸化作用に優れたアンチエイジングハーブといえるだけでなく、特徴成分であるロスマリン酸にはヒスタミン放出抑制による花粉症などのアレルギー緩和も期待されています。メンタルサポートへの有効性も報告されている、現代人のサポーターとして役立ってくれそうな存在です。
Contents
レモンバーム(メリッサ)とは
植物紹介:レモンバーム
さっぱりとしつつマイルドな香りから、ハーブティーをはじめ化粧品や入浴剤など広く使われているレモンバーム。呼び名の通りレモンに似た爽やかさはありますが、ミントのようなグリーン感のあるハーブ調の芳香が特徴的です。好き嫌いを選ばない香りはエッセンシャルオイルもしくは芳香商品に使用される事が多く、食品としての利用はハーブティーもしくはハーブリキュールなどのアルコール類くらいの印象ではないでしょうか。日本では料理にレモンバームを入れるという事は少ないですが、国によっては料理用ハーブ(香辛料)としても使用されています。オランダでは魚と相性が良いハーブとして、東南アジアのスープやインドのカレーなど使うこともあるそうですよ。
レモンバームはシソ科コウスイハッカ属の多年草で、学名はMelissa officinalis。レモングラスやレモンバーベナなど同じくレモン様の芳香を持つハーブが多く存在していることもあり、属名から「メリッサ」と呼ばれる事もあります。ちなみに中国やチベットには同属種が存在していますが、流通は多くありませんのでメリッサ=レモンバームを指す言葉と言っても良さそうですね。同属種はあまりお見かけしませんが、シソ科はラベンダー・セージ・バジルなど様々なハーブを内包する科。レモンバームはシソ科の中でもミントやオレガノなどと近いハッカ連に分類されています。
ところでレモンバーム以外にレモンに似た香りを持つ植物としてはレモングラス、レモンバーベナ、レモンマートルなどが代表的。実はこの4つは原産エリアが違っています。タイ料理でもお馴染みのレモングラスはインド南部、レモンバーベナは南米、レモンマートルはオーストラリアの植物。ではレモンバームはと言えば、ヨーロッパ南部が原産だと考えられています。原産地付近である古代ギリシアやローマ時代には栽培が行われていたそうですから、ヨーロッパでは長らく親しまれてきた歴史あるハーブと言えそうですね。属名・呼称としても使われているMelissaもミツバチを意味するギリシア語が由来で、語源はギリシア神話の中の“メリッサという女性が蜂蜜を与えてゼウスを育てた”という逸話とされています。レモンバームは蜂を引き付ける性質から蜜源植物として利用されてきた歴史があるので、この名が使われるようになったのだそうです。
また蜂蜜の採取に役立つ植物として以外に、薬用植物としても2000年以上前から使用されていたと推測されています。古代ローマの博物学者大プリニウスはレモンバームを止血効果を持つハーブである、古代ギリシアの医者ディオスコリデスは噛傷の治療にレモンバームの葉を塗布すると良いと記しています。8世紀頃になるとフランク王国のカール大帝がレモンバームには不眠・頭痛などを改善する力があると考え、領内全ての寺院で栽培を行うようにと号令をかけます。11世紀にはペルシアの医学者イブン・スィーナーもうつ症状の改善に役立つハーブとして活用したとも伝えられていますよ。14世紀にはカルメル修道会の修道女たちによってレモンバームを使った“Carmelite Water”が作られるようになり、臭い消しの香水としてや、時に内服して強壮剤のように使用されていたそう。
生薬や香水としてレモンバームが活用されのは、8~9世紀頃からレモンバームは「若返りのハーブ」もしきは「長生きのハーブ」と信じられてきたという背景もあります。長寿効果のある薬草として薬や薬種作りにも活用されたというわけ。現在販売されている薬草系リキュールの“シャルトリューズ”の“ベネディクティン”も、開発したのは修道院。元々は万能薬であったり長寿の秘酒として扱われていたのだそうです。16世紀の科学者で錬金術師のパラケルススもレモンバームのことを「an elixir of life(生命のエリキシル)」と呼んで不老不死の霊薬として扱い、炭酸カリウムと合わせて作ったレモンバーム飲料が永遠の若さを与えてくれると信じていたそう。現在ではさすがに不老不死は信じられていませんが、レモンバームはポリフェノールが豊富なアンチエイジングハーブとして親しまれ続けています。昔の方も経験則で抗酸化作用を感じていたのかもしれませんね。
基本データ
- 通称
- レモンバーム(Lemon balm)
- 別名
- メリッサ(Melissa)、香水薄荷(コウスイハッカ)、西洋山薄荷(セイヨウヤマハッカ)、バームミント(balm mint)、コモンバーム(common balm)
- 学名
- Melissa officinalis
- 科名/種類
- シソ科コウスイハッカ属(セイヨウヤマハッカ属)/多年草
- 花言葉
- 思いやり、共感、同情
- 誕生花
- 2月11日
- 使用部位
- 全草(葉、茎)
- 代表成分
- 精油(シトラール、ゲラニオール、リナロールなど)、タンニン、フラボノイド(ルテオリン、アピゲニンなど)、ロズマリン酸、カフェ酸
- 代表効果
- 鎮静、抗不安、抗うつ、抗酸化、抗菌、抗ウイルス、抗アレルギー、発汗促進、消化促進、末梢血管拡張、鎮痛、鎮痙、抗肥満、収れん
- こんな時に
- ストレス、不安、軽度の抑鬱、不眠、動悸、神経症、自律神経失調、PMS、アンチエイジング、花粉症などのアレルギー対策、風邪予防、胃腸トラブル、ダイエット
- おすすめ利用法
- ハーブティー、ハーバルバス、ハーブチンキ、浸出油、湿布、スチーム吸引、手作り化粧品、料理用ハーブ、精油
- ハーブティーの味
- レモンとミントを合わせたような爽やかな香り、少し苦味がある
- カフェインの有無
- ノンカフェイン
レモンバーム(メリッサ)の成分と作用
レモンバームティーに期待される効果
気持ちのサポートとして
ストレス対策・リラックスに
レモンバームはヨーロッパの自然療法・伝統医学の中で鎮静剤のように活用されてきた歴史のあるハーブでもあります。現在でも脳や神経に関与する作用については研究が行われており、2004年『Psychosomatic Medicine』には被験者18人を対象とした英ノーサンブリア大学の研究でメリッサ抽出物の摂取によって誘発ストレスの軽減が見られた事が報告されています。成分的に見てもレモンバームに含まれているロスマリン酸には脳機能との関与が考えられており、2008年にはトルコの大学で行われた研究ではアセチルコリンエステラーゼ(アセチルコリン分解酵素)の活性阻害作用が見られたことが『Food Chemistry』に発表されています。
レモンバームの香りを構成している精油成分(芳香成分)としてもシトラール、ゲラニオール、リナロールなど鎮静作用を持つ可能性が報告されている成分が含まれていますから、複合して気持ちを落ち着けることでリラックスをサポートする働きが期待できると考えられます。古くは神経が昂ぶってた状態とも言えるイライラやヒステリー・緊張・パニック・ショック状態の時などに鎮静剤として利用されてきたのも、経験的にこうした働きを認めてのことだったのかもしれません。同じ様な働きが期待できるリンデンフラワーやパッションフラワーとブレンドしてみても良いでしょう。
不安・気持ちの落ち込みに
レモンバームは気持ちを落ち着けるだけではなく、不安を軽減したり、気持ちが落ち込んでいるときのケアにも取り入れられれることがあります。マウスを使った研究にはロスマリン酸に不安や恐怖を和らげる働き・抗うつ作用を持つ可能性を示唆したものもありますし、2004年『Psychosomatic Medicine』に発表された英ノーサンブリア大学の研究でも600mgのメリッサ抽出物の投与でネガティブな気分への影響が改善され、300mgの摂取後には数学的処理速度の有意な増加が見られたことが報告されています。ゲラニオールなどの芳香成分にも抗うつ・抗不安作用が期待されていますから、合わせて気持ちの整える手助けをしてくれる可能性もあるでしょう。
軽やかなハーブの香りも楽しめますから、不安が頭から離れない時や気持ちが沈んでしまっている時にレモンバームを取り入れてみても良さそうですね。ストレスで精神的に参っていたり、疲労感や倦怠感が抜けないと感じている方のサポートにも期待できます。また、気持ちのバランスを整えるという働きから心身をリラックスしやすくさせる事にも繋がります。睡眠サポートを期待して取り入れる場合はカモミールやラベンダーとのブレンドもオススメです。
PMSなど月経関係の不調にも
神経・メンタル面のサポートが得意だと考えられることから、レモンバームは更年期障害やPMS(月経前症候群)など女性領域での気分変動のケアに取り入れられることもあります。イランのシーラーズ医科大学で女子高生を対象に行なった研究では、レモンバーム抽出物カプセルを摂取したグループの方がプラセボ群よりもPMSの身体的、心理的および社会的症状に有意な改善が見られたことが2015年『Nursing and Midwifery Studies』に掲載されています。同レポート内ではレモンバームがGABA神経伝達物質を介してPMSの症状を軽減するという事も紹介されています。精神的不調だけではなく月経痛の緩和も報告されていますから、女性サポートとしても役立ってくれるかも知れません。
更年期障害に対しての研究は少ないものの、不快症状は閉経に伴って起こる女性ホルモンのバランス変動、または自律神経にも乱れが生じることが影響していると考えられます。レモンバームは神経の興奮を落ち着けたり、神経伝達物質の分泌を適正に保つ働きが期待できることから、気分症状の軽減、自律神経のバランスを正常に戻す手助けとしても機能するのではないかと期待されています。
レモンバームによって緊張やストレスが軽減されることはイライラ・気分の落ち込み・不安などの緩和に繋がるだけではなく、自律神経への負担が減って自律神経と女性ホルモンのバランスが崩れにくくなる可能性もあります。このためレモンバームはストレスもしくは自律神経失調に起因する様々な不調の軽減に繋がるという見解もあります。伝統的な効能とされている動悸・不安・緊張・頭痛・めまい・耳鳴り・食欲異常などの緩和についても、神経との関わりが大きいように感じられます。
健康維持の助っ人として
抗酸化物質が豊富
レモンバームの代表成分としてポリフェノールの一種「ロズマリン酸」が挙げられます。ロズマリン酸はローズマリーやシソなどシソ科のハーブに多く含まれる成分で、優れた抗酸化作用を持つことに加え、免疫調節や脳機能保持など様々な機能性を持つ可能性が報告されている成分。そのほかにもレモンバームにはカフェ酸(コーヒー酸)やクロロゲン酸など抗酸化作用を持つポリフエノールが含まれていることが認められています。
抗酸化作用と言うと活性酸素/フリーラジカルによる酸化ダメージを抑制することで、身体の機能を正常に保つ・細胞の老化を防ぐ働きが期待されています。アンチエイジングサポートとして注目されている存在ですが、細胞の機能を正常に保つ働きから免疫機能の低下を予防する事に繋がる可能性もあります。またアレルギー反応によって炎症が生じた際に発生する、活性酸素を分解することから花粉症などのアレルギー緩和に役立つという見解もあります。
風邪予防・アレルギー抑制にも期待
レモンバームに含まれているロスマリン酸には抗菌作用や抗ウィルス作用を持つことが報告されています。精油成分にも同様に抗菌作用などが報告されている成分が含まれているため、合わせて風邪やインフルエンザなどの予防に役立つのではないかと期待されています。伝統療法状の効能では発汗を促して解熱を助けるハーブと考えられていることもあって、発熱時のケアにも利用されています。免疫機能を高めることからヘルペスなどの予防・改善に対しても効果が期待されています。
また、ロスマリン酸は抗酸化物質としだけではなく、抗ヒスタミン放出抑制作用が見られたことも報告されています。このためヒスタミンが放出されることが炎症発生のきっかけとなる、花粉症などのアレルギー症状抑制効果を持つ成分として研究が進められています。加えて韓国で行われたマウスを使った実験ではロスマリン酸の投与によって血中IgE抗体レベルの増加、アトピー性皮膚炎の皮膚病変発症原因物質の減少が見られたことも報告されています。
こうした研究報告からロスマリン酸、ロスマリン酸を含むレモンバームなどの食品がアレルギー軽減に役立つのではないかと注目されています。ロズマリン酸だけではなくポリフェノール全体の抗酸化作用や、レモンバームの場合であればストレス軽減からも花粉症などのアレルギー緩和サポートが期待できるでしょう。ただしシソ科植物であり、レモンバーム自体がアレルゲンとなる可能性もあります。アレルギーの多い方は注意して摂取しましょう。
消化機能のサポートに
レモンバームは消化不良や吐き気など胃腸のトラブルに対して伝統的に利用されてきたハーブの一つでもあります。こうした働きは抗菌作用があること、神経・精神面のサポートに役立つという関係が大きいと考えられますが、レモンバーム(メリッサ)に含まれている苦味成分が肝臓や胆嚢に作用して消化吸収を促進するという説もあります。作用をもたらす特定の成分・作用秩序などについての研究は発見できませんでしたが、神経性の胃痛や胃炎、過敏性腸症候群などストレスと関係する消化器系不調に役立つ可能性はありそうですね。腸内のガス溜まりによるお腹の張りに良いという説もあり、抗菌成分&抗酸化成分の補給から腸を整える手助けに繋がる可能性もあります。
高血圧・動脈硬化予防に
ロスマリン酸を筆頭に様々なフラボノイドとフェノール化合物を含み、高い抗酸化作用が期待されているレモンバーム。抗酸化物質の補給という点から、血中コレステロールの酸化によって発症リスクが高まる、アテローム性動脈硬化症や心臓発作・脳卒中の予防にも役立つのではないかと考えられます。加えて鎮静作用によってリラックスする・血管の収縮を抑えることから高血圧の予防に繋がる可能性もあります。
そのほか期待される作用
痛みの軽減に
ヨーロッパでは自然療法・民間療法の中でレモンバームを鎮痛剤のような感覚で活用してきたとも伝えられています。これはレモンバームに鎮静作用によって緊張をほぐし、血行を良くしたり筋肉をリラックスさせる働きがあるため。ストレス性の頭痛や、血行不良に起因する生理痛・神経痛などのセルフケアに活用されています。より直接的な鎮痛作用や抗炎症作用を持つという見解もあり、歯痛や排尿時の痛みに利用することもあるようです。とは言え慢性的な不快感の軽減に使われるものですから、原因不明の痛みなどを感じている場合は自己判断でハーブなどを取り入れずに医師の診断を受けてください。
ダイエットサポートに
抗アレルギー成分として注目されていたロズマリン酸ですが、近年はα-グルコシダーゼ阻害作用を持つことが報告され肥満予防や糖尿病予防への有効性についても研究が行われています。α-グルコシダーゼというのは麦芽糖(マルトース)などα-1,4-グルコシド結合を持つ糖を分解する消化酵素。この消化酵素の働きを抑制すると、糖は分解を阻害され吸収が出来なくなる=血糖値の上昇を防ぐ事に繋がります。承認を受けたαグルコシダーゼ阻害剤は実際に糖尿病治療薬としても利用されていますよ。
人へ用量と有効性・安全性などについてはまだ根拠が十分とは言えない段階ですが、ロズマリン酸にもこのα-グルコシダーゼ阻害作用が見られたという報告があることから、糖質抑制サポートが期待されています。分解を阻害された糖はそのまま排泄されるため、体内の糖分吸収を抑制することとなり余分なブドウ糖が中性脂肪として体内に蓄積されにくくなる=脂肪をつきにくくする事に繋がる可能性も。このためシソ酢ダイエットが一時期話題となりましたが、レモンバームにもロズマリン酸が含まれているため血糖値対策やダイエットのサポートが期待されています。
認知症予防にも期待
レモンバーム(メリッサ)はアルツハイマー型認知症やパーキンソン病予防などへの有用性も研究されています。これはレモンバームに含まれているロスマリン酸に、脳の酸化ストレスを抑制する働き・アセチルコリン分解を抑制する働きなどが報告されているため。Aβやαシヌクレインの蓄積を防ぐ作用が見られたという報告もあり、アルツハイマー型認知症予防への有用性についても期待が寄せられているそう。そのほかレモンバーム抽出物には甲状腺刺激ホルモン(TSH)の生産を抑制する可能性があることを示唆した報告などもありますよ。
お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果
スキンケアに
レモンバームはスキンケアにも活用されているハーブ。香りが良いので香料を兼ねて使われることもありますし、収斂作用によって皮脂分泌を抑える働きも期待されています。抗菌作用が期待できる成分も多く含まれていますから、ニキビ予防や頭皮の脂っぽさ・ニオイ対策としても役立ってくれるでしょう。
また、近年は抗炎症作用・抗アレルギー作用を持つ可能性があるハーブとしても注目されています。軽度のアトピー性皮膚炎患者の方を対象にロスマリン酸0.3%を含むエマルジョンを塗布した実験では症状の改善が見られたという報告もあることから、ロスマリン酸を含むレモンバームもスキンケアハーブとして注目されています。そのほか虫刺され・湿疹など痒みを伴う皮膚炎症緩和にも効果が期待されていますが、敏感肌の方や炎症部位に使用する場合には逆に炎症誘発物質となる可能性もあります。パッチテストを行ってから使用するようにしましょう。
メリッサ(レモンバーム)精油に期待される作用
浸出油の場合はそのまま利用することもできますが、精油をスキンケアやマッサージに利用する場合は必ず希釈して利用してください(協会によって精油希釈濃度の基準は異なりますが、肌に使用する場合は概ね1%以下が安全とされています)。精油の経口摂取は出来ません。
心への作用
ハーブティーと同様に、レモンバーム(メリッサ)の精油もまたメンタルサポートが得意と考えられています。鎮静作用・抗うつ作用・強壮作用を兼ね備えた精油として扱われ、気持ちを落ち着ける事でリラックス状態を作る手助けとして活用されていますよ。明るさ・前向きさ・元気を取り戻させる作用も期待できることから、気持ちが落ち込んでいるときや無気力時に適した精油と紹介されているケースもあります。様々な精神的な不快感の軽減に利用されている精油と言っても過言ではないかもしれません。
精油は神経系への働きかけが期待できる精油成分が濃縮していること・香らせるだけでもという手軽さがメリットではありますが、レモンバーム精油(メリッサ精油)は偽和が多いことが指摘されている精油の一つ。100%を謳っていても、似た香りの精油や合成香料を混ぜられたものが多いため注意が必要です。価格面でもさほど安いとは言えない精油なので、ハーブティーの方がレモンバームの入口としては適していそうです。
体への作用
ストレス対策や神経面でのサポートに優れていると考えられることから、メリッサの精油は腹痛などストレス性の不調軽減に活用されることが多い存在。シトラールという精油成分には鎮静作用と鎮痛作用が期待されているため、生理痛や頭痛などのケアに使われることもあるようです。ただし肉体面の不調のケアに、例えば希釈してマッサージオイルとして活用するなどの利用は少なめ。ストレスを和らげてくれることを期待しつつ、心地よい香りを楽しむという利用が多いです。
レモンバーム(メリッサ)の注意事項
- 食品として適正に摂取する分には安全とされていますが、妊娠中・授乳中の経口摂取は控えた方が安全です。
- 精油は妊娠中・授乳中の方、乳幼児の使用は避けましょう。
- 皮膚を刺激する可能性があるため、敏感肌の方は利用に注意が必要です。
参考元
- Attenuation of laboratory-induced stress in humans after acute administration of Melissa officinalis (Lemon Balm).
- Effect of Melissa officinalis Capsule on the Intensity of Premenstrual Syndrome Symptoms in High School Girl Students
- ロスマリン酸を多く含むシソ抽出物のラットでの血糖値上昇抑制作用
- Edible Plants: Lemon Balm; History, Culinary Uses and Nutrition