セボリー/サマーセイボリー
ハーブティーと期待される効果効能紹介

消化器系のサポートと冷え性解消に役立つ

セイボリーはローズマリーに似たスパイシーさを持つ、爽やかなシソ科ハーブ。「豆のハーブ」とも呼ばれるように料理用としても活用されていますし、古くは健胃整腸・消化促進作用を持つ薬用植物としても大切にされてきました。芳香成分のカルバクロールやチモールなどには血行促進作用や神経強壮作用も期待されており、貧血・冷え性・むくみなどの緩和や、心身の疲労を感じているときのサポーターにも取り入れられています。抗酸化成分が多いのでアンチエイジングにも注目されていますよ。

画像:セボリー(サマーセイボリー)

 

サマーセイボリーについて

植物紹介:サマーセイボリー

サマーセイボリーはその名の通り夏の終わり頃に花を咲かせるキダチハッカ属の植物です。キダチハッカ属を総称してセイボリーと呼びますが、中でも一年草のサマーセイポリーと多年草のウィンターセイボリー(S. montana)が代表的です。ウィンターセイボリーもハーブとして利用されていますが、芳香が柔らかなサマーセイボリーの方が評価が高く広く利用されています。

サマーセイボリーは地中海沿岸が原産で、古代ギリシャ、ローマ時代からスパイスとして利用されてきました。豆の美味しさを引き出すこと、豆料理に使うと腸内ガス発生を抑制することから「豆のハーブ」と呼ばれるようになります。また胡椒が貴重品であった大航海時代くらいまでは代用品として利用されていたことから「ペッパー・ハーブ」とも呼ばれ、今でもドイツではこの呼び名が使われているようです。

属名のSaturejaはギリシア神話に登場する山羊のような角と足をした半人半獣のサテュロス(Satyrs)の名前が由来とされています。サテュロ スがニンフ(女性の姿をした妖精)を追い掛け回していた・淫らな気持ちにさせたなどの伝説から「媚薬」としての効果があると信じられていたそうです。16世紀にイギリスで記された「バンクスの本草書」にもサマーセイボリーは催淫剤や胃腸薬としての効果があるハーブとして紹介されています。

ローズマリーに似たスパイシーな芳香とピリリとした強い辛味から豆料理以外にも肉料理・魚料理・スープなどに入れたり、ビネガーやオイルにつけて調味料としてなど幅広く用いられています。食欲増進や消化を助けるハーブとして長く利用されてきましたが、近年は消化促進からダイエットハーブとしても注目されています。

基本データ

通称
サマーセイボリー(Summer savory)
別名
サボリー、セボリー、木立薄荷(キダチハッカ)
学名
Satureja hortensis
科名/種類
シソ科キダチハッカ属/一年生草本
花言葉
興味
誕生花
使用部位
代表成分
精油(フェノール類:チモール、カルバクロール)、タンニン、樹脂、粘液質
代表効果
強壮、健胃、消化促進、整腸、利尿、刺激、発汗、抗酸化
こんな時に
消化不調、胸焼け、便秘、下痢、腹部膨満感、むくみ、リフレッシュ、アンチエイジング(老化予防)、冷え性
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーバルバス、料理用スパイス
ハーブティーの味
ローズマリーに似たツンとするスパイシーさ、後味は爽やか
カフェインの有無
ノンカフェイン

サマーセイボリーの栄養・成分・期待できる効果

サマーセイボリーティー

胃腸機能向上に

消化を助ける

サマーセイボリーには胃を丈夫にする働きや消化機能を助ける働きがあります。暴飲暴食が続いて胃腸の調子が良くないときや、食後にティーを飲むことで胃腸機能のサポートをしてくれるでしょう。

スパイシーな香りが苦手な方はオレンジピール、食欲がない・胃もたれがある場合はペパーミントカルダモンなど、気になる症状に合わせてブレンドティーを作ると相乗効果が期待出来ます。


腹部膨満感に

豆のハーブと呼ばれるようになった由来が「豆料理に使うと腸内ガス発生を抑制するから」という説もあるサマーセイボリー。豆料理に限らずお腹にガスが溜まって苦しい時にガスの排泄を促す、腸内ガスの発生を抑える働きがあるとされています。

お腹が張りやすい方は食後に1杯のサマーセイボリーを試してみると良いでしょう。また同様に腹部膨満感の解消に役立つとされるレモングラスフェンネルなどとのブレンドもオススメです。


女性に嬉しい働き

貧血の改善

サマーセイボリーは100g中に37.88mgと圧倒的な鉄分を含有しています。ティーやスパイスとしての利用が主ですから実際の摂取量はさほど多くありませんが、女性の多くが不足していると言われる鉄分の補給源として注目されています。

鉄分以外にもマグネシウムやカルシウムなどのミネラルが含まれていますから、特に女性のミネラル補給源としても役立ってくれそうです。


冷え性の改善

サマーセイボリーに含まれる精油成分(芳香成分)のカルバクロールやチモールには血流改善作用があることが報告されており、血行不良による冷え性の改善に有効であると考えられています。利尿作用で余分な水分の排出を促しむくみ解消にも効果が期待できますし、貧血の改善により血液が全身へ熱しっかりと届けてくれることなども体を温め、冷えの改善に役立つ働きと言えるでしょう。


抗酸化・免疫力向上

サマーセイボリーはカルバクロール、チモール、シメン、カロテノイド(βカロテン)など抗酸化作用を持つ成分を多く含んでいることから、アンチエイジングにも有効なハーブであると考えられています。

カルバクロールとモチールは免疫力向上作用や強力な殺菌殺菌作用を持っているため、風邪の予防などにも有効と考えられています。また血行促進による冷えの改善も免疫力アップに役立ちます。呼吸器の不調緩和にも有効とされています。


そのほか期待される作用

精神面のケアに

精神面に対しては強壮作用・リフレッシュ作用があり、気分を明るく切り替えたい時に有効とされています。神経疲労の回復にも効果が期待できます。古くはサマーセイボリーを持ち歩くことで気持ちを強く持てるというおまじないもあったのだとか。

そのほかに興奮・催淫作用があるという説もあります。ストレスや疲労でグッタリしている夜に気分を盛り上げるために飲んでみても良いかもしれません。


ダイエットサポート

サマーセイボリーは消化促進のダイエットハーブとしても利用されています。消化促進以外に血行促進や利尿(むくみ解消)などにも役立ちますのでスタイルキープやダイエットのサポート効果が期待できますが、食欲を増進させる働きもありますので食欲を自制できない方の場合は注意が必要です。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

入浴剤(バスハーブ)として

セイボリーに含まれているカルバクロールやチモールなどの精油成分には血行促進効果があると考えられていることから、入浴剤として利用すると加温・保温効果を高めると考えられています。神経疲労の回復にも役立つとされていますから、ストレス・緊張などによる冷えの改善にも効果が期待出来るでしょう。

ただし刺激が強い成分が含まれていますので、敏感肌の方やお子様が使用する場合には注意が必要です。

サマーセイボリーの注意事項

  • 妊娠中・授乳中・お子様への使用には注意が必要です。