ボタニカル♪ラブ

ハーブ・生薬・スパイス…植物のチカラで日々を素敵に

タイム(コモンタイム)
ハーブティー・精油と期待される効果効能紹介

高い抗菌・抗ウィルス作用が期待され、風邪予防に取り入れられる

料理用ハーブとしてもお馴染みのタイム。非常に多くの種類がありますが、ハーブとしてはコモンタイムとも呼ばれるThymus vulgarisを指すのがポピュラーとなっています。古くから殺菌・防腐作用のあるハーブとして用いられてきたと伝えられており、現在でもタイムはハーブ類の中でもトップクラスの抗菌・抗ウィルス作用を持つと考えられています。このため風邪やインフルエンザなどの感染症予防・口腔ケアなどに用いられていますし、咳や気管支炎の軽減にも取り入れられています。そのほか抗酸化作用やリラックス・疲労回復など幅広い働きが期待されているハーブです。

画像:タイム

 

 

タイムについて

植物紹介:コモンタイム

肉や魚介類の臭みを消してくれるハーブとして、ロースト系や煮込み系に使われるタイム。ブーケガルニの基本原料の一つとしても知られていますね。フレンチやイタリアンなどヨーロッパ系の料理で使うハーブという印象が強いですが、ケイジャン料理をはじめカリブ料理・中東料理などでも活用されています。植物としてはシソ科イブキジャコウソウ(Thymus)属に分類され、外見から多年草のように感じますが低木植物となります。

属名からも分かるようにタイムという言葉はイブキジャコウソウ属に含まれる植物の総称として用いられますが、ハーブとして単に「タイム」といった場合は一般的にコモンタイムと呼ばれるThymus vulgarisのことを指します。ちなみにタイムはヨーロッパ・北アフリカ・アジアなど北半球の広い範囲に自生しており、種としては約300~400種類あると言われています。コモンタイム以外のタイム類としては柑橘系のような香りを持つシトラスタイム(レモンタイム)やラベンダータイム、日本に自生しているイブキジャコウソウ、匍匐性であり蜜源植物としても知られるセルピルム(ワイルドタイムやクリーピングタイムとも)などが挙げられます。ちなみにコモンタイムの原産は南ヨーロッパとされており、セルピルムから分化して出来たと考えれれています。
タイムは種類によって様々な香りが楽しめることや姿が可愛らしいこと、比較的育てやすいことからキッチンハーブとしても人気です。匍匐性のクリーピングタイムはグランドカバーとしても用いられています。ただし食用に適さない手もありますので、ハーブとして使いたい場合は種類をしっかり確認するようにしましょう。

現在様々な品種のタイムがあるためコモンタイムのことを指していたかは定かではありませんが、タイムはハーブの中でも古い歴史を持つとされています。紀元前には既に優れた殺菌作用や防腐作用があるハーブとして、古代エジプトやギリシア・ローマなどの地中海沿岸地域を中心に用いられていたと言われています。古代エジプトではミイラを作る際の保存・防腐剤として利用されたことが分かっていますし、古代ギリシアでは入浴時用のバスハーブとしてや神殿で焚く薫香としても用いられていたと言われています。ローマ帝国時代には食前もしくは食事と共にタイムを食べると毒から身を守れる、とも言われており皇帝も好んで取り入れていたと伝えられています。現在のように保存や冷蔵技術が発達していない時代ですから、食材の保存性を高めたり食中毒を予防するのにも欠かせない存在だったと考えられます。

そのほか古代ギリシアやローマでは部屋を清めるためにも利用されていたと考えられており、ヨーロッパ諸国にタイムが広まったのは遠征などでローマ人が部屋を清めるのに使っていたからではないかとも言われています。実用面以外にもタイムは爽やかな薫りに加え、勇気や気品・優雅さの象徴とされ、特に男性に愛されていた植物なのだとか。タイムという呼称の語源には諸説ありますが、ギリシア語で香を意味する“Thmon”や勇気を意味する“thymos”が候補に挙げられています。

中世に入るとこのギリシアの考え方から「持ち主に勇気を与える植物」と信じられるようになり、女性が戦場へと向かう兵士へとタイムの葉を添えた贈り物をしたり、スカーフに刺繍して渡したりしていました。衣服や鎧にタイムの香りを付ける人も少なくなかったのだとか。来世への旅路を導くとして葬儀の際に棺に入れる事もあったそうですよ。また料理に入れて保存性を高めたり、消毒に役立つと考えられたことからペストなどの伝染病予防としても重宝されたそう。そのほか中世イギリスのハーバリストであるニコラス・カルペパーは悪夢を防ぎ安眠を助けるハーブと自著の中で記しているそうですし、肺の機能を助けてくれる・女性の月経や分娩を促すなどの薬効もあるとされていたそう。こうした話からヨーロッパでタイムは宗教・象徴的なものとしても、日常生活の必需品としても大切にされていたことが分かります。現在でもヨーローッパを中心に料理から民間療法まで広く用いられているのも納得ですね。

基本データ

通称
タイム(Thyme)
別名
立麝香草(タチジャコウソウ)、コモン・タイム(Common thyme)、百里香(ヒャクリコウ)
学名
Thymus vulgaris
科名/種類
シソ科イブキジャコウソウ属/常緑小低木
花言葉
勇気、行動力がある、活動的、大きな望み
誕生花
5月22日、6月2・18日、8月27日
使用部位
全草(葉、茎、花)
代表成分
フラボノイド類(アピゲニン、ルテオリン)、サポニン、ロズマリン酸、タンニン、精油(チモール、カルバクロール、ピネンなど)
代表効果
抗菌、殺菌、抗ウイルス、防腐、去痰、鎮痙、鎮咳、抗アレルギー、消化促進、抗酸化、血糖値降下、うっ帯除去、強壮、収れん
こんな時に
風邪・インフルエンザ予防、咳、痰、気管支炎、ぜんそく、花粉症、アレルギー性鼻炎、オーラルケア、アンチエイジング、生活習慣病予防、血行不良、肩こり、不安、疲労、ニキビ・水虫などの予防
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーバルバス、ハーブチンキ、浸出油、湿布、スチーム吸引、手作り化粧品、料理用ハーブ(香辛料)、精油
ハーブティーの味
やや苦味がありツンとした香りがあるが、後味はスッキリとした印象
カフェインの有無
ノンカフェイン

コモンタイムの栄養・成分・期待できる効果

タイムティー

呼吸器・消化器系サポートに

抗菌・風邪予防に

タイムは古くから強い抗菌・殺菌作用を持つハーブとして重宝されてきました。現在でもタイムに含まれている芳香成分(精油成分)でありフェノール類に分類されるチモールやカルバクロールには優れた抗菌・抗菌作用や抗ウイルス作用を持つと考えられていますし、シソ科植物に多く見られるロズマリン酸にも抗菌作用や抗ウイルス作用があるとされています。このためタイムはハーブ中でナンバーワンという説もあるほど高い殺菌作用が期待されています。実際の格付けは定かではありませんが、トップクラスに含まれるほどの抗菌作用が期待できるハーブではありますから、消化器官や呼吸器官を綺麗に保つ手助けをしてくれるでしょう。

タイムティーを飲む・うがいに用いることで呼吸器の殺菌に繋がり、風邪やインフルエンザなどの予防に効果的とも言われています。ちょっと喉が痛い・以外がする時にタイムのハーブティーでうがいをしたり、ティーから出る湯気を吸い込むことで不快感の緩和が期待できます。風邪のひきはじめであれば悪化防止にも繋がりますし、サポニンなどを含むことから免疫力を高める働きも期待されています。風邪予防や喉のケアとしてはタイムのお茶を使う以外に、チンキ剤を用意しておく・蜂蜜にタイムを漬け込んでおくなどの方法もありますよ。


咳・呼吸器系の不調に

タイムに含まれている苦味成分であるサポニンには去痰作用と呼ばれる、気管の分泌液の分泌を促すことで痰を出やすく差.する働きがあるのではないかと考えられています。このため抗菌作用と合わせて喉の炎症を鎮めたり、痰絡みを軽減する働きが期待されています。鎮痙・鎮咳作用を持つとも言われており、気管支炎やぜんそくの軽減に取り入れられることもあるようです。

加えてロズマリン酸は免疫システムの過剰な作用を抑え、ヒスタミンの放出を抑制することでアレルギー症状を抑える作用も報告されています。こちらからもアレルギー性の気管支喘息の軽減が期待できますし、花粉症やアレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の軽減に繋がる可能性もあると考えられています。ロズマリン酸は抗酸化作用を持つ成分でもありますし、タイムにはアピゲニンなどのフラボノイドも含まれていますから、抗酸化の面からも炎症悪化を軽減する働きが期待できるでしょう。

Sponsored Link


消化器系のサポートに

タイムは食材の臭みを消すだけではなく、消化を促す働きも持ち合わせていると考えられています。このため食べ過ぎや胃もたれの軽減にもタイムティーは役立つとされていますし、胃腸サポートに有効とされるペパーミントレモンバームなどとのブレンドにもオススメです。またチモールやカルバクロールなど高い抗菌・抗ウィルス作用が期待できる成分を多く含むタイムは、ピロリ菌など胃腸内の細菌に対しても効果が期待されています。実際にどの程度の効果があるのかは不明瞭な部分が多いですが、胃潰瘍などの内臓の疾患予防に役立つのではないかとする説もあります。


口腔ケア・口臭予防に

高い殺菌効果が期待されるタイムは、虫歯や歯肉の感染症予防にも役立つと考えられています。タイムのハーブティーをマウスウォッシュとして利用することで口腔を清潔に保つ働きが期待できますし、咽頭炎や口内炎などの緩和にも役立つと言われています。市販されている商品にも、タイム精油や抽出物を添加した歯磨き粉やうがい薬などがあります。口内を綺麗に保つことから口臭予防にも繋がるでしょう。


そのほか期待される作用

抗酸化・生活習慣病予防に

タイムにはアピゲニンやルテオリンなどのフラボノイド系ポリフェノール、ロズマリン酸、サポニンなど抗酸化作用を持つ成分が多く含まれています。このため活性酸素の働きを抑制し、健康で若々しい身体を保つサポートをしてくれると考えられています。活性酸素が過剰に増えると過酸化脂質の増加・高血圧や動脈硬化のリスクを高める事になりますから、抗酸化は血管を柔軟に保ち正常な血液循環を保つことにも繋がるでしょう。

加えてロズマリン酸は近年、炭水化物の分解の過程で出来る麦芽糖をブドウ糖に分解するのを抑制する働きが報告されています。この分解を阻害された麦芽糖は体内に蓄積されることなく排泄されるため、体内の糖分吸収を抑制すると考えられます。糖質の吸収を抑えることは血糖値の急激な上昇を抑えることに繋がるため、ロズマリン酸は糖尿病予防効果を持つ可能性がある成分として注目されています。また1996年には日本食品科学工学会誌からはタイムは加熱処理の有無によらずα-アミラーゼ・α-グルコシダーゼ両方に対して強い阻害作用を示したという報告もなされています。


血行促進・強壮に

タイムには血液循環を正常に保つフラボノイドなどの抗酸化物質が多く含まれていることに加え、血行促進作用も期待されています。このため血行不良に起因する冷え性・むくみ・肩こりなどの筋肉のこわばり軽減、体全体の機能回復や強壮などに繋がるのではないかと考えられています。また高血圧の方は継続利用を避けたほうが良いハーブともされているように、血圧上昇作用もあるので低血圧気味の方にも良いでしょう。朝なかなか起きられない・体調がどんよりとしている・倦怠感がある方などは取り入れてみても良いかもしれません。


心身の疲労回復・リラックスに

古代ギリシアでは勇気の象徴ともされていたタイムのややツンとしたスパイシーな香りは、気持ちを前向きにしてくれると考えられています。タイムティーは味からも口内や喉をスッキリとさせ爽快感をもたらしてくれる存在ですから、相乗してリフレッシュに役立ってくれそうですね。ロスマリン酸も実験では抗うつ・抗不安作用を持つ可能性が示唆されている成分ですから、相乗して疲労感や倦怠感・不安などを軽減する働きが期待できます。神経性の頭痛緩和にも良いとされています。そのほかロズマリン酸には脳の健康を保持し、脳機能の低下を保ってくれるのではないかという説もあります。

香り・味共にさっぱりとした印象のタイムですが、ハーブティーとして適量を摂取する分には刺激作用や覚醒作用は無いとされています。ノンカフェインのお茶でもありますし、中世では悪夢を防ぎ安眠を助けるとも言われていたハーブですから、おやすみ前に摂取してみても良いでしょう。血流を促すなどの働きと合わせて、肉体面の疲労回復にも効果が期待できます。カモミールティーラベンダーティーなどとも組み合わせやすいでしょう。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

スキンケアに

タイムはチモールとオイゲノールによる抗菌・抗真菌作用が期待できることからニキビや水虫などのケアに利用さています。また抗真菌作用があるためマラセチア菌による脂漏性皮膚炎などの真菌性皮膚炎や、皮膚感染症の予防・改善にも効果が期待できるでしょう。入浴剤代わりに使うことでも皮膚を清潔に保つ手助けをしてくれますし、蒸気吸引のような形になるので呼吸器系の不調改善や風邪予防にも効果が期待出来ます。

肌のケア用としては精油の方が便利ですが、タイム精油は刺激が強く皮膚炎症を起こす原因となってしまう場合もあります。ハーブティーをコットンに染み込ませてパッティングしたり、手作りしたハーブチンキや抽出液を薄めて利用した方が無難でしょう。ティーの場合でも炎症を起こす可能性がないわけではありませんので、パッチテストを行ってから使用するようにして下さい。


タイム精油に期待される作用

タイムの精油にはコモンタイム以外に幾つかのケモタイプがあります。フェノール類の含有率が高いものは毒性や刺激性が高いことが指摘されているため、タイム精油としてはコモンタイムよりもタイム・リナロールなどフェノール類含有量が少ないケモタイプ精油を用いることが多くなっています。特に皮膚利用についてはコモン・タイム精油は刺激が強いため、使用は控えたほうが無難でしょう。また、どの精油にしろ経口摂取(飲用など)は出来ません。

心への作用

ハーブティーと同様に、スッキリとしてスパイシーさのあるタイム精油の香りは活力や前向きさを蘇らせる手助けをしてくれると考えられています。加えて神経の強壮作用や脳細胞を活性化する働きがあるとする説もあり、仕事中や勉強中など集中力や記憶力を高めたい場合の香りに適しているとも言われています。ハーブティーはリラックスティーとして用いられていますが、精油を香らせる場合にはリラックスタイムよりも活動時の方にマッチするでしょう。


体への作用

タイム精油はハーブティーに比べると一部成分が濃縮しているため、殺菌作用や抗ウィルス作用についてはより強力な働きが期待されています。またデュフューザーなどで拡散しやすいというメリットもありますから、風邪やインフルエンザなどの感染症予防に有効と考えられています。ティー同様に喉の痛みや咳・痰などの軽減にも効果が期待されていますので、喉の不調がある時にも良いでしょう。その他強心作用や血圧上昇作用などもあると言われており、香りを嗅ぐことで血行不良や低血圧の軽減が期待できるという説もあるようです。

タイムの注意事項

  • 妊娠中・授乳中の利用は避けましょう。
  • 高血圧の方は長期間に渡る常用・多量飲用を避けるようにして下さい
  • ホルモン補充療法を受けている方や経口避妊薬を飲んでいる方、甲状腺疾患のある方、医薬品を服用している方は使用を避けるか医師に相談の上で使用してください。

ハーブティー

 - , , ,

関連記事