アイブライト
ハーブティーと期待される効果効能紹介

輝く瞳・視界を保持してくれると考えられていた「めがねの壊し屋」

目が輝くように綺麗になることが名前の由来とも言われるアイブライト。中世ヨーロッパでは視力回復・目のトラブル全てに役立つハーブと考えられていたハーブで、フランスでは「めがねの壊し屋」とも呼ばれていたと言われています。現在でもパソコンやスマホなどで疲れた目のケアに役立つハーブとして取り入れられている他、抗炎症・抗アレルギー効果が期待できることから花粉症対策としても注目されています。目のハーブと紹介されることが多いですが、抗炎症作用から喉や鼻の不快感軽減にも役立ってくれるでしょう。

画像:アイブライト(コゴメグサ)

 

アイブライトについて

植物紹介:アイブライト

Eye(目)+bright(輝く)と、呼び名からして“目”と関係ありそうなイメージの強いアイブライト。植物としてはハマウツボ科(旧分類ではゴマノハグサ科)コゴメグサ属に分類される半寄生植物で、日本では西洋小米草や薬用小米草とも呼ばれています。和名の小米草は、白く小さな花が米粒のようだったことが由来と言われています。日本国内にも高山植物として知られるミヤマコゴメグサ(深山小米草)を始め、九州小米草・蝦夷小米草など様々の近縁種が存在しています。コゴメグサ属の植物は約200種あると言われていますが、交雑しやすいこともあり正確な品種数は分からないと言われるほど種が多いのだとか。

アイブライトの原産はヨーロッパで、古くから目に良い薬草として利用されてきたと考えられています。アイブライトの学名はEuphrasia officinalisで、属名に使われているEuphrasiaもギリシア神話に登場する女神であり三美神(カリス)の一柱とされる“エウプロシュネー(euphrosyne)”が由来とされています。ギリシア神話では盲目の少女が山で毒草に触れそうになった時、それを可哀想に思ったエウプロシュネーが毒草を眼病に効く薬草に変えて彼女の目を治したという伝説があるそう。またEuphrasiaは“陽気・爽快”を意味するギリシア語が由来という説もありますが、どちらにせよ種子名に薬用利用される植物を表すofficinalisが使われている事と合わせて視機能をサポートする働きがあったことが由来と考えられます。アイブライトという英名も目が輝くように綺麗になるという意味で命名されたと言われていますよ。

紀元前3世紀頃にはギリシャの学者・テオフラストスがアイブライトを眼感染症の外用の浸剤として処方していたと伝えられています。しかし古代ギリシア・ローマ時代を代表する医師や博物学者であるペダニウス・ディオスコリデスや小プリニウスの著書に記録がないことから、当時ポピュラーなハーブではなかったのではないかという見解もあります。アイブライトについての記録が多くなるのは中世以降で、ドイツのベネディクト会系女子修道院長であったヒルデガルト・フォン・ビンゲンが紹介したことで広まったとも言われています。余談ですが中世にアイブライトが目に良いと考えられた発端は、アイブライトの花にある斑点や縞が充血した目に似ていたため。漢方にも同じような考え方がありますが、当時のヨーロッパも「特徴説」と呼ばれるハーブの形状や生育場所は似た臓器に作用するという考え方が支持されていたようです。

14世紀頃にはアイブライト=目のトラブル全てに役立つ薬草と考えられるほどになり、フランスでは「めがねの壊し屋(Casse Lunette)」とも呼ばれていたそう。結膜炎・眼臉炎・ものもらいなどの外用治療薬として利用されていたようです。後の17世紀に活躍したイギリスの植物療法家ニコラス・カルペパーは「アイブライトがもっと利用されていたなら眼鏡製造者の大半は商売できなかっただろう」との言葉を残したという逸話もありますよ。イギリスでもアイブライトティーや、アイブライトエールと呼ばれるビールが飲まれていたそうです。

現在でもアイブライトは「目に良いハーブ」として紹介されることが多く、近年は花粉症などのアレルギー性症状の緩和にも役立つ可能性があるとして日本でもハーブティーやサプリメントを取り入れる方が増えています。しかし有効性が確認されていないこと・洗眼などの外用利用は衛生的ではなく危険があることが指摘されおり、欧州医薬品庁(EMA)やドイツのコミッションEでも承認されていません。専門家の監修下ではない外用利用は眼感染症などを起こす危険線があるので避け、飲用する場合も自己判断で何らかの疾患の治療目的ではなく予防・目の健康維持として取り入れることをおすすめします。

基本データ

通称
アイブライト(Eyebright)
別名
小米草(コゴメグサ)、西洋小米草、薬用小米草
学名
Euphrasia officinalis
科名/種類
ゴマノハグサ科コゴメグサ属/1年草
花言葉
喜び、門出、献身
誕生花
使用部位
葉・茎・根
代表成分
イリドイド配糖体(アウクビン)、タンニン、サポニン、フラボノイド(ケルセチンなど)、ビタミン類、ミネラル類
代表効果
抗菌、抗酸化、粘膜強壮、抗炎症、抗アレルギー、収斂、血圧降下、血行促進
こんな時に
目の不快感(疲れ・痒み・痛み・充血)、眼精疲労、ドライアイ、結膜炎、花粉症、アレルギー症状、風邪による喉や鼻の不調、生活習慣病予防、集中力向上
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーブチンキ、湿布
ハーブティーの味
爽やかな草の香り、味は少し苦味があるがクセはない
カフェインの有無
ノンカフェイン

アイブライトの栄養・成分・期待できる効果

アイブライトティー

目・鼻の健康維持

目の疲れ・充血対策に

呼び名の通りアイブライトはヨーロッパの伝統医療・自然療法において、目の健康維持や疲れ目・視力低下を防ぐハーブとして利用されてきた存在。成分としてはビタミンやミネラル以外にアウクビンなどのイリドイド配糖体、フラボノイド類(ケルセチン、アピゲニン、タンニンなど)を含んでいることが認められています。視機能への働きかけについては作用秩序や有効性が解明されていない部分もありますが、アウクビンやケルセチンなどは抗炎症作用を持つと考えられている成分のため、充血や結膜炎・ものもらい・目ヤニが出るなどの症状を緩和する働きが期待されています。

またフラボノイド類が多く含まれていることから抗酸化作用による視機能低下や白内障・緑内障の予防に、タンニンによる抗菌作用・収斂作用なども目の健康をサポートしてくれると考えられています。ビタミン類の補給と合わせて目の疲労軽減や眼精疲労予防などにも効果が期待されています。粘膜強壮に良いとされるのもビタミンを含むことが関係していると考えられます。そのほか眼圧の調整や目周りのの筋肉の調整をする働きがあるという説もありますから、現在でも目の不調全般に利用されているハーブと言えるでしょう。パソコンやスマートフォンにりよる目の酷使が気になる現代人のサポートとしても支持されています。

ハーブティーやサプリメントは医薬品ではありませんし摂取量なども定められていませんが、ハーブティーとして経口摂取する場合は乾燥したアイブライト草2~4gを1日3回程度が基準摂取量とされています。目の疲れや充血が気になる方であればメグスリノキやカレンデュラコーンフラワーなどとブレンドすると相乗効果も期待出来るでしょう。


アレルギー性の炎症軽減にも

アイブライトに含まれているケルセチンはビタミンPとも呼ばれるフラボノイド系ポリフェノールの一つで、抗酸化作用を以外に抗炎症作用など様々な生理機能を持つ可能性があると注目されている成分でもあります。抗炎症作用だけではなくヒスタミン生成・放出の抑制効果や、アレルギー物質であるロイコトリエンの生成を抑える働きも報告されているため、ケルセチンは花粉症をはじめとするアレルギー症状の軽減効果が期待されています。

加えてアイブライトの特徴成分である加えてイリドイド配糖体のアウクビンにも動物実験では抗炎症作用があることが報告されており、その作用は炎症の痛みを沈静化させるインドメタシンと同等とも言われています。アイブライトには同じく抗炎症・抗アレルギー作用が期待されるタンニンも含まれています。アイブライトは抗炎症や抗アレルギー作用を持つ様々な成分が含まれているため複合効果が期待されています。

また抗炎症作用は目に限って作用するわけではありませんから、花粉症による目や鼻の痒み・鼻水・鼻詰まりなど以外にも、アレルギー性の鼻炎や皮膚炎、風邪による喉や鼻の不調など様々な炎症の軽減にも取り入れられています。花粉症など予め発生時期が予想できる場合は、症状の出そうな時期の1~2ヶ月くらい前からアイブライトネトルエルダーフラワーエキナセア、甜茶などをブレンドしたハーブティーやハーブチンキを服用すると良いでしょう。


そのほか期待される作用

肝機能の保護・強化に

アイブライトに含まれているイリドイド配糖体のアウクビンは抗炎症作用のほか、肝臓の保護・肝臓機能促進作用を持つのではないかと考えられています。肝臓への働きかけに付いては十分なデータが無く信憑性としては微妙なところと言えますが、二日酔いの予防や軽減・肝疾患予防に繋がるのではないかという説もあります。

またアイブライトが目に良いのは、アウクビンによる肝機能向上作用が関係しているのではないかという見解もあります。東洋医学では「肝は目を穿つ」のように肝臓と目は密接な関わりを持つ臓器と考えられていますし、現代でも肝機能が整う=解毒機能が向上することで視機能へ何らかの好影響を及ぼすと考えられています。


老化・生活習慣病予防に

アイブライトに含まれているイリドイド配糖体(アウクビン)やケルセチンなどのフラボノイド類は、強い抗酸化作用を持つ物質でもあります。活性酸素は少量であれば私達の身体を守るためにも必要な存在ですが、過剰に増えすぎると健康な細胞を酸化させることで老化や様々な不調を引き起こす原因となることが指摘されています。シワやたるみなど肌の老化にも活性酸素が関係していると考えられますし、血中脂質が酸化して出来る過酸化脂質・酸化LDLなどの生成や蓄積は高血圧や動脈硬化などの生活習慣病リスクを高めることも指摘されています。

ケルセチンは抗酸化作用以外にも悪玉(LDL)コレステロールの低減や血圧降下作用などが報告されていますし、ビタミンPとしてビタミンCと協力してコラーゲン生成を促すことで毛細血管をしなやかに保つ働きも認められています。血管を弛緩させることで血液循環を良くしてくれる働きも期待されているため、抗酸化作用と合わせてアイブライトは生活習慣病予防としても役立つと考えられています。糖尿病ラットを使った実験ではアイブライト抽出物を与えたグループに有為な血糖値上昇抑制効果が見られたという報告もあり、抗酸化作用と合わせて糖尿病予防効果も期待されています。


集中力・記憶力サポートに

17世紀のイギリスでアイブライトは視力回復など目のトラブルに対してだけではなく、記憶力を高めてくれるハーブとしても親しまれていたと言われています。古くは心を研ぎ澄ませてくれるハーブとされていた時期もあり、現在でも頭をすっきりとクリアにして集中力や記憶力の向上に役立つハーブティーとして民間療法の中で取り入れられているようです。

成分的に見ても抗酸化物質が多く含まれていることから、血液・血管を綺麗な状態に保って脳への血流を促す働きが期待できます。脳への血流が確保されることで脳機能が高まり、記憶力や集中力の向上に繋がる可能性があるでしょう。また脳への活性酸素発生を抑えることで、脳疲労を軽減する働きも期待できます。リフレッシュを兼ねてアイブライトを取り入れる場合はレモングラスハイビスカスティーとブレンドすると相乗効果が期待できますし、風味としても飲みやすくなりますよ。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

目の疲れ・痒みなどに

アイブライトは目のケアに外用でも利用されてきたハーブ。現在も目の痒みや充血がひどい場合はアイブライトのハーブティーやチンキを水で希釈した液で目を洗眼する方法があり、医薬品が現在のように流通していなかった時代には実際に治療として活用されていました。結膜炎・目瞼炎・ものもらい(麦粒腫)などに有効としているハーバリストもいますが、専門医などの監修なく自己判断でアイブライトを目の洗浄液として利用するのは感染症などのリスクが高いため避けるようにしましょう。

外側から目のケアに利用したい場合は、目・眼球に直接触れさせるのではなくハーブ湿布のような形でアイパックとして利用するのがオススメです。濃い目に煮出したハーブティーやチンキをコットン又は布に含ませ、瞼を閉じて目の上に10分~15分程度程度おけばOK。これを一日3~5回くらい行うと目の疲れや充血・痒みの軽減に良いと言われています。ただし民間療法の域を出ませんので、過度な期待は避けたほうが確実。結膜炎やものもらいの場合は眼科を受診しましょう。

アイブライトの注意事項

  • 糖尿病ほか疾患のある方、医薬品を服用中の方は医師に相談して下さい。
  • 妊娠中・授乳中の方、小さいお子さんへの使用については十分なデータが無く安全性は確立されていません。使用を控えるようにするか、医師・専門家へ相談のの上で利用してください。