ボタニカル♪ラブ

ハーブ・生薬・スパイス…植物のチカラで日々を素敵に

マロウブルー/マルバフラワー
ハーブティーと期待される効果効能紹介

美しい色の変化が魅力的な「夜明けのハーブ」

淹れたての青色から紫色へ、レモン汁などを加えて桜色にと色の変化が楽しめるハーブティーとして人気のマロウブルー。味や香りはほとんど無いので様々なハーブとブレンドしやすく、自分へのご褒美からおもてなし用まで活躍してくれる存在です。鮮やかな色以外に粘膜を保護し修復を助けてくれる働きもあると考えられており、喉のケアや胃腸トラブルに、また乾燥肌用のスキンケア用にと広く利用されています。喉が弱い方、タバコを吸う方、カラオケが好きな方などは是非取り入れてみてください。

画像:マロウ・ブルー(薄紅葵)

 

マロウブルー/マルバフラワーについて

植物紹介:ウスベニアオイ

透き通った青色が神秘的なブルーマロウティー。初めて見た際には「これが天然の色?」と驚いた方も少なくないのではないでしょうか。マロウティーの原料はアオイ科ゼニアオイ属のうち学名Malva sylvestris、和名をウスベニアオイという種類の花が使われています。マロウは広義ではゼニアオイ属の植物全般を指す言葉としても使われていますので、ブルーマロウやコモンマロウ・マルバフラワーなどと呼んで区別することもあるそう。様々な呼び名で呼ばれるのでいくつか種類があるようにも感じますが、基本的にはどれも同じ種なんですね。

ちなみに日本ではウスベニアオイと同様にゼニアオイという花もコモンマロウとして流通していますが、こちらはウスベニアオイの変種(Malva sylvestris var. mauritiana)とされています。そのほか名前が似ているハーブとしてはマーシュマロウ(Marshmallow/和名ウスベニタチアオイ)もありますね。こちらはお菓子“マシュマロ”の起源として知られるハーブで、同じくアオイ科に分類されますが別属とされています。呼び名を始めハーブとしての効能も似ていますが、マーシュマロウは葉がティーとの原料として主に使われており、水色も青くはなりません。

ハーブティーの色やブルーマロウなどという呼ばれ方やドライハーブの印象から青い花というイメージもありますが、和名で“薄紅”とつけられているようにマロウ(マルバフラワー)の生花の色は白から赤紫色。お花はエイティブルフラワー(食べられるお花)の一つでもあり、若芽と共にサラダなどにも使われています。また葉と根も茹でてスープなどに加え。野菜として利用されているそう。日本で言うところの「食べられる野草」のような感覚なのかもしれません。余談ですがマロウの仲間は中東やアジアなど各地で食材・医薬品として利用されてきたそうですよ。

マロウ(マルバフラワー)は南ヨーロッパ原産で、ヨーロッパを中心に紀元前から人々に食用されてきました。古代ローマ時代には料理に使われる以外に薬用としての有用性も知られ、お家のお庭などでも栽培されていたと考えられています。成分的にはマーシュマロウのほうが優れていると考えられていたそうですが、環境などの問題でマーシュマロウが育ちにくい土地でブルーマロウが多用されたのではないかという見解もあります。16世紀頃には緩下・浄化作用を持つハーブであることから万能薬として使用された歴史もあると言われています。近世ではモナコ王妃のグレースケリーが愛したハーブとしても知られており、オペラ歌手が喉を乾燥から守り美声のために取り入れているハーブとして紹介されることもあります。

喉が弱い方や粘膜保持用として、また神秘的な色の元であるアントシアニンを含むことも注目されていますが、ブルーマローティーの魅力は何と言ってもその神秘的なお色。普通に淹れた時の宝石のような透き通った青色だけでも十分に綺麗ですが、時間経過と共に紫がかった色へと変化していきます。さらに「夜明けのティザーヌ(ハーブティー)」とも称されているようにレモン汁などを加えると桜のようなピンク色に、にがりを入れると淡い水色にと、様々な色の変化を楽しめるのも魅力。見ているだけでも心が癒やされるような、ロマンチックなハーブティーですよ。

基本データ

通称
マロウ・ブルー(Mallow Blue)
別名
薄紅葵(ウスベニアオイ)、マルバフラワー(Malva flower)、ブルーマロー、コモンマロウ、ハイマロウ、錦葵花(キンキカ)
学名
Malva sylvestris
科名/種類
アオイ科ゼニアオイ属/多年草
花言葉
魅力的、穏やか、温厚、柔和な心
誕生花
8月3・14日、10月28日
使用部位
代表成分
アントシアニン系色素(アントシアニジン)、タンニン、粘液質、精油
代表効果
粘膜保護、去痰、抗炎症、収れん、殺菌、緩下、抗酸化、利尿
こんな時に
咳・喉の痛み、気管支炎、咽頭炎、胃炎、腸炎、下痢、便秘、目の疲れ、ドライアイ、眼精疲労予防、老化予防、膀胱炎、尿道炎、乾燥肌
おすすめ利用法
ハーブティー、ハーバルバス、ハーブチンキ、湿布、スチーム吸引
ハーブティーの味
微かにフローラル感を感じるものもあるが、ほぼ無味無臭
カフェインの有無
ノンカフェイン

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マロウブルー/マルバフラワーの栄養・成分・期待できる効果

ブルーマロウティー

目・粘膜のサポートに

呼吸器・喉の不調に

マロウブルーの特徴として、根や葉・花に粘液質を多く含むことが挙げられます。この粘液質は体内の粘膜を保護する・傷ついた粘膜の修復を促す作用があると考えられており、乾燥による喉の痛み・イガイガ感などの緩和に用いられています。また収斂作用を持つタンニンや、抗炎症作用が期待できるアントシアニンなどのフラボノイドも含まれているため、喉の粘膜を保護・修復する働きと合わせて呼吸器系の不調全般に効果が期待されています。

そのほか去痰作用を持つという説もあり、風邪による咳・気管支炎などの症状軽減にも取り入れられています。日常的にタバコを吸われる方やカラオケで頑張りすぎた時、喉が弱い方の予防策など様々なシーンで役立ってくれそうですね。喉の痛みや咳にはヒソップリコリスなどとのブレンドもオススメです。


胃腸の不調・便秘に

粘膜は私達の体内で様々な部分に存在していますが、その代表的な例の一つと言えるのが胃腸。このためマロウブルー(マルバフラワー)はストレスや傷ついた胃腸の粘膜を保護・修復する働きもあると考えられており、暴飲暴食やストレスによる消化器系の不調軽減にも取り入れられています。抗炎症作用も期待できますから胃炎や腸炎などの予防や、初期症状時のケアにも効果が期待されています。古くはニコラス・カルペパーが息子の腸の炎症時にマロウを使ったという話もあるそうですよ。

またタンニンによる収斂作用から下痢の軽減に、粘液質が腸内での便の通りを滑らかにすることから便秘の解消にも有効とされています。お腹の調子が乱れやすい方のサポートにも効果が期待できるでしょう。下痢をしやすい方であればカモミール、便秘気味の方であればローズヒップハイビスカスなどとブレンドして利用して下さい。ブルーマロウのお茶は味がほとんど無いので、ブレンドすると飲みやすくもなりますよ。


疲れ目・ドライアイ対策に

ウスベニアオイの花にはポリフェノールの一種であり天然の色素成分であるアントシアニンが含まれているため、浸出するとマロウ“ブルー”と呼ばれる特徴的な青色のお茶が出来ます。アントシアニン色素にはロドプシンの再合成を促す働きを持つことが報告されているため、ロドプシン再合成率の低下によって起こる疲れ目やかすみ目・視力低下の改善や、眼精疲労予防効果が期待されています。

私達の目の網膜部分にはロドプシンという色素体が存在し、光の刺激を受けロドプシンが脳へ伝えることで目に映ったものが「見えた」と認識されます。ロドプシンは光を受けると分解され、再合成されてはまた光の情報を伝えるため分解されるという流れを繰り返していますが、加齢や視機能の酷使によりロドプシンの再合成がスムーズに行なわれなくなることが指摘されています。

目の疲れや視力低下(仮性近視)などの原因が全てロドプシンの再合成能力低下というわけではありませんが、原因の一つではありますからロドプシンの再合成を活性化するアントシアニンは視機能サポート成分として注目されています。ブルーマロウティーはアントシアニンを含む以外に、粘液質が目の粘膜を保護してドライアイ対策に良いという説もあります。パソコンやスマホを長時間使って目が疲れていると感じる方、目の乾き・かすみが気になる方をサポートしてくれる可能性がありますよ。


そのほか期待される作用

抗酸化のサポートに

マロウに含まれているアントシアニンはポリフェノールの一種であり、抗酸化作用を持つ成分でもあります。ブルーマロウにはアントシアニン以外にもフラボノイド(フラボノール類)など抗酸化物質が含まれていると考えられるため、増えすぎた活性酸素を抑制することでも私達の健康をサポートしてくれると考えられます。

酸化を抑えることは老化予防にも有効とされていますし、動脈硬化のリスク低減にも繋がるでしょう。アントシアニンには内臓脂肪蓄積抑制やメタボリックシンドローム予防に対する有効性も報告されていますから、生活習慣病が気になる方にも適しています。アンチエイジングや生活習慣病予防には高い抗酸化作用が期待されているローズマリーセージなどと組み合わせもおすすめです。


尿路トラブルにも

粘膜保護・修復作用と抗炎症作用が期待できることから、ブルーマロウのお茶は膀胱炎や尿道炎などの尿路トラブルの緩和にも役立つと言われています。直接的な利尿作用や殺菌作用を持つとする説もありますし、伝統医療・民間療法の中では腎臓結石や腎炎などに利用されるケースもあるのだとか。炎症を起こしている・痛みがある時には医療機関で治療を受けることをおすすめしますが、予防もしくは再発予防として取り入れてみても良いかも知れません。


ブルーマローティーの色の変化

マロウティーの魅力は絵の具を溶いたような、深く綺麗な青紫色が出ること。淹れたての時には“青”が強い色合いですが、時間の経過と共に少しずつ“赤”っぽさが出て紫色へと変化していきます。「夜明けのハーブティー」と称されるのも、このゆっくりとした神秘的な色調の変化から。

時間経過での色の変化以外に、マロウティーにレモン汁やカルピスを加えるとピンクに近い紫色に水色が変化することも知られています。これは色素成分であるアントシアニンが酸性の時には赤色・中性で紫・アルカリ性で青になるため。マロウティーにレモン汁やクエン酸などの酸を加える=酸性に傾くことでピンク色になるんですね。逆に重曹やにがりなどアルカリ性のものを加えると明るい水色になります。と言ってもこちらは美味しく無くなってしまうので、お茶として楽しむと言うよりは自由研究などの実験向き。

ブルーマロウティーの“ブルー”感を長く楽しみたいときは、お湯ではなく水出しすると良いと言われています。お湯で浸出する場合は濃い目の青紫色になりますが、水出ししたマロウティーは青というよりも水色系の明るいお色になりますよ。ちなみに時間経過による酸化に伴いマロウティーは黄色みが強くなっていき、最終的には薄茶色になります。ずっと眺めていたい綺麗なお茶ですが、紫色っぽくなったくらいで飲みきってあげたいところです。

余談ですがアントシアニンには鉄と結びつくと黒ずむ性質があります。黒豆に鉄釘を入れると色が綺麗に仕上がると言われるのもアントシアニンの性質によるものですね。このためブルーマロウティーを淹れる際に鉄瓶などを使用してしまうと、綺麗な色が出ない可能性があります。金属製のものではなく陶器・ガラスポットを使うと良いでしょう。色こそ個性的ですがマロウブルーティー自体はほとんど味も香りもないお茶なので、キープしておくとブレンド用・来客時のおもてなしなどに活躍してくれますよ。

お茶以外の使い方(外用)で期待できる効果

スキンケアに

マロウブルー(マルバフラワー)に含まれている粘液質は肌に直接塗布することで保湿効果を持ち、肌を柔らかくする働きがあるとも言われています。このため乾燥肌のケアにも取り入れられていますし、ウスベニアオイもしくはゼニアオイの抽出物は基礎化粧品類にも配合されています。そういった商品を使う以外にも、ハーバルバス作りに活用したり、ハーブティーやチンキを化粧水づくりに活用される方もいらっしゃいますよ。

そのほかタンニンによる収斂作用や殺菌作用・抗炎症作用が期待できることから、軽度の湿疹や虫刺されなどによる肌の炎症緩和にも利用されています。ニキビや肌荒れなどにはハーブティーを使って蒸しタオルを作ると手軽でしょう。洗面器に温かいハーブティーを入れてフェイシャルスチームにする方法もあります。マロウブルーは刺激性が低く、敏感肌の方や乾燥性敏感肌のケアにも適していると言われています。ただし人によっては肌に合わない場合もありますので注意して利用するようにして下さい。


喉の不快感・咳に

ブルーマローティーは飲用することでも粘膜の保護・修復に役立つとされていますが、喉のイガイガ感や痛み・炎症がひどい場合にはハーブティーをうがい薬のような形で利用するとより高い効果が期待できます。タバコを吸いすぎた後や乾燥が気になる時のケアにも適していますし、炎症自体を鎮める働きもあるので咳が出ている時にも良いと言われています。また口内炎の緩和などにも役立つと考えられているようです。

マロウブルー/マルバフラワーの注意事項

    お茶として通常量を摂取する場合は特に問題はないとされています。

ハーブティー

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